白澤健太さん (かずさDNA研究所 植物ゲノム生物学研究室 室長) をお招きして、「被子植物の全ての目でのT2Tゲノム解読を目指す」というタイトルのセミナーを実施しました。
ロングリード技術によるDNAの配列分析技術の発達に伴い、染色体の片方のテロメア末端から逆のテロメア末端までを連続してゲノム解読できるようになっています。このようにして解読されたゲノム配列はテロメア・ツー・テロメア (T2T) 配列と呼ばれます。
白澤さんらはこれまでに、作物を中心とする100を超える植物の全ゲノム配列解析を実施しています。一方で、被子植物では未だに半数の目(もく)ではゲノム解読がなされていません。今回のセミナーでは、研究が手つかずの植物のゲノム配列をT2Tで解読しようとする「かずさゲノムプロジェクト」の取り組みから、植物ゲノムを俯瞰したときに何が解明できるのかについて紹介されました。
このような規模の大きな研究課題は、例えば大学の一研究室単位で実施することは難しいです。白澤さんらは、ゲノム解読の専門機関である特徴を活かしつつ、自由な発想で植物の進化というスケールの大きな研究に取り組まれていました。
専門分野の異なる教員から示唆に富む質問があったり、大学院生から「ゲノム解析で楽しいステップは何か」という純粋な質問も出て、この研究の意義や面白さが十分に共有された時間となりました。
白澤さん、ありがとうございました。
浅水