実習も後半。5日には今年からの試みで、ハワイ島のロコワカポンドの自然回復ボランティアを行いました。
ガイドをお願いしている長谷川さんが取り組んでいる活動のお手伝いです。
カメハメハ大王の時代、ハワイ島には養殖池として多くの淡水池が利用されており、それが固有種や渡り鳥の貴重な生息域として機能してきました。今はもうそうした養殖池としての利用はなくなり、外来植物に覆われ、鳥などの生態系が損なわれています。ところが、外来植物(カリフォルニアグラス)を除去するだけで、鳥が戻り、貴重植物が現れます。
泥だらけになりますが、みんな頑張りました。ハワイ大学のボランティア団体や、地域の方々もお手伝いされています。
活動が終われば、ピザを食べ、シャワーをして、近くのビーチに入りました。
20mほど沖の島にわたり、学生たちは地元の若者と交流していました。
少しでもハワイから学ぶだけでなく、ハワイの自然に恩返しができればと思います。こうした活動から、ハワイの自然、湿性遷移、固有種、侵略的外来種、地元の人たちとの交流など、得難い経験ができました。
6日目は、最終日です。
日曜日なので、浄土真宗ヒロ別院の日曜礼拝(Sunday Survice)にお参りしました。
その後は、ダウンタウンに出て、Farmer's Marketを見学しました。
そして、パホアにある日系人墓地に参詣しました。
10年ほどまえに溶岩が流れ込んできて、墓地を飲み込みました。すんでのところで溶岩流は止まったのですが、なまなましい溶岩の力を目の当たりにしました。
日系人の方々はこうした自然の中でも逞しく生活され、私たちの訪問を歓迎してくれます。
彼らが大切に育ててきたアンスリウムも見学しました。
パホアの別院も参詣し、ヒロに戻ります。
ヒロではお世話になった方々が、BBQパーティーを開いてくれました。
この実習を企画した初代農学部長の末原先生は、「ハワイ島こそ、農業と自然と人がいい距離感にあり、農業の本質を知ることができる」とおっしゃていましたが、毎年訪問するたびに、この言葉を実感します。
学生たちの一生の宝になる経験をさせていただきました。お世話になったすべての方々に深く感謝申し上げます。
(古本)