水やり当番

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発出を受け、本学においても学生の安全確保のために入構制限の措置がとられています。瀬田キャンパスは学生たちの姿もなく、閑散としています。しかし、どうしても欠かすことのできない作業があります。それは植物の水やりです。
 岩堀研(応用線虫学)では、卒業研究として色々な野菜に対する線虫の寄生性を調べています。そのため、たくさんの植物が栽培されています。植物寄生性の線虫の多くは絶対寄生性と言って、植物がないと生きてゆけません。線虫研究には植物の栽培が必須となります。意外に思われるかもしれませんが、おそらく農場以外で最も植物に満ち溢れているのは当研究室かもしれません。
 入構制限以前に学生たちが育成し、線虫を接種したポットやセルトレイ栽培のトマト、ナス、オクラ、ダイズ、ネギ、キク、ジャガイモ、イチゴなどは、現在なんと約1800株(!)もあります。通常であれば自分の植物は自分で管理しているのですが、入構制限となり学生たちは植物の世話ができなくなりました。彼らに替わって水やり当番をしているのが先生です。

植物培養室の植物たち

 線虫を接種された実験植物の水やりは、ただ水をかければよいというものではありません。植物培養室ではホースを使った灌水はできませんので、ポットやセルトレイ一つ一つ小さなジョウロや洗瓶で水をやります。溜め水をすると根が腐り線虫も死んでしまいますので、与え過ぎず、乾き過ぎずが基本です。蒸散度合いがポットごとに違いますので、乾いた分だけ灌水します。

温室の植物たち

 温室はシャワーノズルを付けたホースで灌水ができるのでだいぶ楽です。しかしそろそろ気温も上がりだし、蒸散も早く、一日もさぼることはできません。これらすべての植物に水やりを行うのに1時間半ほどかかります。もちろん、土日祝日も植物には関係ありません。水やりのために出勤する毎日です。早く学生たちに戻ってきてほしい…植物と先生は切に願っています。(岩堀)