JT生命誌研究館 訪問

本日は植物生命科学科の基礎演習I(2年生)の科目の一環で、高槻市にあるJT生命誌研究館を訪問しました。
肺魚の実物に驚き、カンブリア爆発の様子を種数によって表現する展示や、階段を上がることで実感する展示などで味わい、屋上の食草スペースでいろいろな植物の観察をさせていただきました。
展示されている細胞の模型に見入っています。
ナナフシが意外と俊敏に動くことを知りました。
季節外れの蝶を見つけました。
一番、盛り上がったのは、次のパネルの前でした。

展示されている科学の偉人たちのなかに、岡田先生を見つけたときです。「昨日学内でお会いしたばかり~!」と、彼らにとって身近な先生が、ノーベル賞受賞者に混じって展示されていることに大喜びでした。岡田先生の写真が一番かっこいい、というコメントには同意します。
実物をうまく模した展示では、手で触れることで理解が進みます。実物の食草を前にしたり、展示物を楽しんでいるうちに、大学での学びを体で覚えていくようです。頭で理解していることを、体を動かして感じることで、ずいぶんと理解が進んでいるように見えました。いつ来ても、なんど訪ねても、新しい面白さを発見できる場所です。

感覚的には、この館が考える「生命誌」の考え方と、我々が目指している仏教の感覚をもって科学に臨むスタイルには、共通性があると思うのです。

(古本)

アグリビジネス創出フェア2019に出展


東京ビッグサイトを会場として、11月20日(水)〜23日(金)の三日間にわたり「アグリビジネス創出フェア2019」が開催されました。そこに龍谷大学も『滋賀県湖北地方に伝わる幻の食材「姉川クラゲ」を多面的に研究し、新たな食品として提案』と題して出展ブースを設け、龍谷大学農学部の取り組みを中心とした地域連携の実例を紹介しました。農学部の学生たちが、商社・マスコミ・農業生産者など様々な分野の来訪者に応対し、龍谷大学農学部の活動をしっかりアピールしてくれました。(玉井)

東京ビッグサイト
学生が丁寧に説明しています
大盛況でした

オープンセミナーを開催しました

2019年11月22日、龍谷大学農学会主催によるオープンセミナー「文化資源をいかした地域づくりへの取り組み―ラオス北部農村と中国貴州省少数民族地域の事例から―」を開催しました。これは、科研費基盤研究C「日本と中国の地域資源をいかした都市・農村間連携モデルと持続可能コミュニティの創出」研究会(代表:近畿大学教授 藤田香)との共催によるもので、貴州師範大学カルスト研究院の任暁冬教授と食料農業システム学科の落合雪野教授に研究報告をしていただきました(共に英語を使用)。

落合教授からは「染織文化をめぐるアグリツーリズムの展開―ラオス北部農村域の事例から―」と題して、研究フィールドにされているラオス北部農村における染織文化と家内生産の様子、生産品のフェアトレードの取り組み、機織り体験も含んだアグリツーリズムの取り組みなどが紹介されました。


任教授からは「非物質文化をいかした地域づくりの展開―中国貴州省少数民族地域の事例から―」と題して、中国貴州省・苗族の伝統的藍染め文化と、染織品生産の様子、現代的なデザインや生地との融合により都市住民への販売を増やすことで、少数民族地域の貧困削減につなげる取り組みなどが紹介されました。


中国南西部からベトナム・ラオス・タイ・ミャンマーにかけては、多くの少数民族が暮らし、国境をまたいで共通の民族も散らばっています。今回のセミナーの報告では、貴州省とラオス北部の少数民族地域における染織文化やそれを生かした地域づくり・貧困削減への取り組みの共通点と差異が明らかになり、大変興味深い内容でした。報告者のお二人の先生と参加者の方々に感謝申し上げます。(竹歳)


スマート農業実証プロジェクト現地研修会に参加


 1120日に彦根市南公民館で開催された「滋賀県スマート農業実証プロジェクト現地研修会」に研究室の学生とともに参加してきました.本年度から始まった農林水産省の「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」に採択された「滋賀県水田作スマート農業実証コンソーシアム」の主催で行われ,私たちは近畿作物育種研究会のメンバーとして参加しました.滋賀県の実証では,フクハラファームさんが現地圃場として協力されています.滋賀県農業技術振興センターからの実証プロジェクトの説明,立命館大学理工学部の深尾先生による農業機械の自動化に関する講演,ヤンマーアグリジャパンの担当者の方からのロボットトラクターと田植え機の紹介,積水化学工業の担当者の方からの水田の自動給水制御システムの紹介に関して講述をきいてから,実際の実証圃場を視察させてもらいました.キャベツの自動収穫機,ドローンによる薬剤散布,無人トラクターによる耕耘の3点について詳細な説明とともに実際の作業を見学しました.いずれも現状課題の整理と今後の対応策などについて明確にして頂き,水田農業(水稲−麦−キャベツ体系)における労力削減と品質・収量の高位安定化について,スマート農業の視点からの理解が深まりました.
 ロボットトラクターによる耕耘:耕耘あとを見るとその正確な動きがよく理解できます.

ドローンによる薬剤散布:高さの自動調整などの工夫がなされています

キャベツの自動収穫:2つの小さなコンピュータとカメラを駆使して収穫していく様子がわかります.
 滋賀県は4ヘクタールほどの農耕地がありますが,その90%以上が水田です.今後の水田農業の新たな展開方向について,最新の技術を理解した上で考える必要性を感じました.全国に展開しているこれらの実証プロジェクトの成果を今後も注視していきたいと思います.
(資源生物科学科 大門) 

ゼミガイダンス

2019年11月22日、基礎演習Iの全クラスが集まって、食料農業システム学科のゼミガイダンスが行われました。

龍谷大学農学部では、食料農業システム学科だけ半年早く、3回生前期からゼミに分属します。今日のガイダンスでの各研究室の紹介を皮切りに、2回生は来年度自分が所属する研究室を選んでいきます。

金子先生によるゼミ紹介

ゼミとは、調査研究のスキルだけでなく、主体性や積極性、そして考える力そのものが磨かれる、食料農業システム学科の学びのハイライトともいうべきものです。学生たちは、このゼミでの学びを通じて、それぞれにテーマを見つけて卒業論文を取りまとめることになります。

学生も教員も、みんな真剣な表情です

ゼミ担当教員の一人として、どんな学生が自分の研究室を選んでくれるのか、今から楽しみです。(山口)

夏期休暇中の海外インターンシップへの参加報告

2019年5月24日に基礎演習IIおよびフードビジネスマーケティング論にて、実践型海外インターンシップ事業を行う(株)スパイスアップ・アカデミアの森山たつをさんをお呼びし、海外市場における食ビジネスの展開や、就職活動の秘訣をはじめとする将来設計についてご講演いただきました。


このお話を受けて、2019年夏期休暇中、(株)スパイスアップ・アカデミアが提供する海外インターンシップに、食料農業システム学科3回生計10名が約2~3週間の日程で参加しました(カンボジアに6名、タイに3名、インドに1名)。

カンボジアおよびタイのインターンシップでは、食べ物の現地嗜好に関するマーケティング調査と商品の開発を行い、実際に完成させた商品を現地の人々へ販売します。

カンボジアでは、ショッピングセンターにて、焼き鳥をはじめとする商品を販売したそうです。


初日の売上が悪かったため、2日目は大きな商品の看板をつくることで改善したとのこと。

ショッピングセンターでの売上がよくなかったため、人がたくさん集まるリバーサイドでも商品を歩きながら販売したそうです。


タイでは、ベビーカステラとかき氷を現地の人々へ販売したそうです。


売り上げたお金は、寺院へ寄付したとのことです。



インドのバンガロールでは、IT企業でインターンシップを行います。
インターンシップ最終日、企業の方より盛大な送別会をしてもらい、メッセージ入りの色紙とプレゼントをいただいたそうです。
インドで働くことにつて実際に現場で生の声が聴くことができ、大変勉強になったとのこと。もちろんインドの文化に触れ、インド料理も堪能できたとのことです。


このように、海外の文化や習慣の違いを感じたり、海外で働くことのやりがいや大変さを学ぶ素晴らしいインターンシップとなったようです。(金子)

手づくり醤油についてフィールドワークしてきました

2019年11月16日、食料農業システム学科落合ゼミの4回生6名が、和歌山県御坊市の堀河屋野村で選択参加型フィールドワークをおこないました。堀河屋野村さんでは、手作業による古式製法で、醤油や味噌、徑山寺味噌などを生産しています。

最初に、堀河屋の歴史や醤油の製法、醤油製造業の動向などについて、18代 当主野村圭佑さんから説明をお聞きします。


続いて、蔵の中を見学しながら、醤油づくりのプロセスを教えていただきます。ダイズを蒸煮する作業について解説する野村さん。

香ばしい空気の中、道具や素材を観察しながら、手順を一つ一つ理解していきます。

麹菌を培養する麹室の中には発酵の熱気が充満しています。手をかざしてその温度を実感!

最後に製品の試食をさせていただきました。2種類の徑山寺味噌を食べくらべて、熟成年数による味や匂いの違いを確かめます。


醤油を手がかりに、日本の食文化における発酵調味料の位置づけ、原料のダイズに関する課題、食品産業の地域特性などについて、現場の当事者からじっくりと学ぶ機会となりました。堀河屋野村のみなさまのご協力、ご配慮に心から感謝いたします。(落合)





京都大学・生態学研究センターでの研修

 植物生命科学科の基礎演習Ⅰの学外演習の一環として、京都大学・生態学研究センターにおける研修を受けました。私たちの学科では、学内での講義や実習ばかりでなく、植物科学に関する様々な研究教育機関の協力を得て、教育の機会を設けています。今回は、京都大学・生態学研究センター様のご協力のもと、学外演習を行いました、

 まず、中野センター長より、センターの研究活動やミッションについての説明を受けました。それほど大規模ではないけれども、多彩な研究者が集まり、活気ある研究所であることを、ユーモアたっぷりにお話いただきました。

 センターのミッションの一つとして、安定同位体比分析システムの共同利用研究があります。木庭副センター長に説明をいただきました。例えば毛髪の炭素安定同位体比を測定することにより、食生活が分かるとのことでした。生態学のみならず、考古学や法医学の研究にも役立っているそうです。

 瀬田キャンパスの近くで世界レベルの研究の一端を覗かせていただき、学生たちにとってよい刺激となりました。貴重な機会を与えて頂いた中野センター長はじめ生態学研究センターの皆さまに、お礼を申し上げます。



(浅水・塩尻)

基礎演習での干し柿づくり

2019年11月15日、食料農業システム学科2回生の基礎演習Iを受講している2クラスの学生が、9号館オープンキッチンをお借りして、恒例の(過去記事その1その2その3その4その5その6その7)干し柿づくりを行いました。

今年の柿は、11月3日に高島市今津町深清水で、さらに11月13日に大津市上田上牧で、それぞれ学生が採取させてもらったものです。


深清水での柿採り
牧にて。バランサオを使った柿採り




今年は食品栄養学科の田邊研究室の皆さんも、実験用の柿酢サンプル作りに参加していただきました(写真を撮り忘れました!)。

参加者は皆最初は慣れない手つきでしたが、作業が進むにつれてスピードも上がり、テキパキと分担しながら柿を剥き上げていきました。







今年の柿はどんな味になるでしょうか?(山口、金子、淡路)

深清水の柿祭り

2019年11月10日、食料農業システム学科山口ゼミ生を中心とする学生11名が、食品栄養学科の田邊先生にも参加していただいて、深清水の柿祭りをサポートしてきました。

学生はスタッフパーカーを作成して参加しました

この柿祭りは南深清水FF委員会の主催で昨年度から開催されているもので、昨年度もシステム学科の学生がお手伝いに参加しています。今年度は学生が作成したポスターが滋賀県のFacebookでも紹介されるなどした効果もあってか、昨年度の倍近い参加者が、絶好の行楽日和のもと柿狩りや柿・オリーブ料理を楽しみました。

厨房班・作業開始前のひとコマ
柿狩り体験の裏で配膳中

お隣の新旭町大師山からピザ焼きボランティアの方々にもご参加いただきました
ピザ窯用の薪を運ぶ田邊先生
柿の天ぷらを調理中
田邊先生による柿酢のお話
参加者の食事が一段落。さあ、スタッフも食べるぞ!


この地域は滋賀県随一の柿産地として知られていますが、後継者のいる柿農家もある一方で、耕作放棄園も生じています。剪定・消毒・摘蕾・摘果など、自動化や大規模な機械化の難しい作業が年間通してあることから、限られた労働力で手がけることのできる柿畑の面積には限界があるのです。そこで昨年度より、省力化と高収益が期待される新規作物として、オリーブの試験栽培が行われています。高島市今津町深清水地区と龍谷大学農学部食料農業システム学科は、今年度しがのふるさと支え合いプロジェクトに参加し、オリーブを通して地域活性化を目指す取り組みで協働しています。今回の柿祭りでも、オリーブ畑の視察やオリーブご飯などの料理がプログラムに組み込まれていました。

試験栽培中のオリーブ。背後には柿畑が広がっています。

オリーブの植樹には、学生も参加協力しました


地域について学び、地域が抱える課題とそれに対する取り組みに寄り添いながら、学生たちは地域の方々がどのようなことを考えているのか、参加者との交流からお互いが何を得ているのかなど、様々なことに思いを巡らせたのではないでしょうか。

合間にヒアリング中

今回の柿祭りでは、卒論生のヒアリングやアンケート調査にもご協力いただきました。この場をお借りして、参加者の皆様、現地の皆様に厚く御礼申し上げます。(山口)