太陽とオクラ:宮古島での実習(1)

7月1日から3日にかけて、食料農業システム学科・中川ゼミは沖縄県宮古島で実習を実施しました。ゼミとして宮古島を訪れるのは初めてです。今回は、座喜味ファーム(代表 座喜味政人さん)さんにお世話になりました。








実習は、オクラの収穫体験からスタートしました。朝6時に集合し、圃場へ。座喜味ファームさんは、今回に備えて、さまざまな準備をしてくださっていました。


サイズを識別できるように、
収穫用の鋏に印をつけてくださいました。


オクラの収穫は全員初めて。MとLのサイズ、規格外を見極めて、カゴに入れていきます。慣れるまでに時間がかかりましたが、班のなかで自然と役割分担をしたり、指導してくださる方と積極的にコミュニケーションを取ったりと、頼もしい様子も垣間見られました。作業が中盤を迎えた8時ごろには、オクラの花が一斉に咲き出していました。そんな様子を見られるのも、現場に入ったからこそですね。



学生の声:サイズの見分けが難しい!



学生の声:早朝とは言え、
暑い中の作業の苦労を知った


学生の声:葉の中に埋もれたオクラは
見落としがちだった


出荷リミットに間に合わせるべく、
梱包作業はスピード勝負!



作業後は、地元農家の国仲博道さんにもご協力いただき、インタビューを行いました。

学生たちの関心は、就農のきっかけ、宮古島の農業の特徴、苦労や課題にあるようで、それらを中心に約1時間お話を聞かせていただくことができました。「直接話を聞いてみないとわからなかったこと」ばかりで、宮古島の農業に少しだけ詳しくなった学生たちは、行く前とは顔つきが変わっていました。




国仲さんが育てるピーマンは
担当教員と同じ名前だそうです

ジリジリと日が照りつけるなか、がんばりました




反省点は多々あるようですが、はじめての場所で学生たちは奮闘していたように思います。


宮古毎日新聞の取材も入りました



パイナップルってこんなふうに生えてるんや!


受け入れてくださった座喜味ファームのみなさん、ご協力いただいた国仲さん、お忙しいなか、ありがとうございました!来年度も訪問できることを願って・・・(中川)→宮古島での実習(2)に続く


「なかよし君」で仲良くなれたのか?:丹波篠山での実習

6月25日、食料農業システム学科・中川ゼミの3年生が、丹波篠山市村雲地区のSATORU FARM(代表 中岡聖さん)を訪れ、実習をおこないました。
 



まずは、黒豆の定植作業からスタートです。 二人一組となり、ハンドプランター「なかよし君」を使います。この作業、簡単なようでそうでもありません。

握力が必要なので、
終わった頃には腕全体が筋肉痛に・・・

作業が進むにつれ、息が合ってきます


丁寧に作業しすぎて作業が遅くなってしまったり、スピードに乗りすぎ雑になってしまったり。なかよし君を操作する人と、苗を入れていく人とが息を合わせなければ、作業はスムーズに進みません。

作業には性格が出ます


農業高校出身者の慣れた手つき!
教室では見られない姿です。


作業を終えたあとは、インタビューをさせてもらいました。
移住就農のきっかけや、篠山の魅力、農業をめぐる課題や工夫を中心を質問。
はじめてのインタビューということで、緊張したり、「メモに手間取り聞き逃してしまった」「質問時に話を広げられなかった」と悔やむ様子も・・・。

圃場の横でインタビュー


お昼時には、SATORU FARMさんで収穫したじゃがいもをいただきました。とてもおいしくて、あっという間に完食。

手作りの海苔塩やディップも
おいしかったです

帰り際には5種類ものじゃがいもを
持たせいただきました。


今後もグループ活動や卒業研究に向けて、フィールドワークの機会は何度もあります。
・農作業は、丁寧にやりつつもスムーズに
・質問の構成と流れを自分でも作っておく
・生徒同士だけではなく積極的に交流をする
といった反省点を活かし、意欲的に取り組んでいきたいです。

実習を通して、ゼミ生同士の距離は縮まったように思います。「なかよし君」のおかげかもしれません。次回は、収穫に訪れる予定です。

中岡さん、ありがとうございました。(中川)



キャリア講演会 2回目 農研機構 高畠さん

 3年生対象のキャリア講演会2回目を開催しました。

農研機構で上級研究員をされている高畠さんに来ていただきました。私が学生の頃に所属していた研究室に、大学院入学でやってきた学生です。博士課程を終えるまでのラボでの苦楽をともにした一人です。

3年生へのキャリ講演ということで、研究の話も含みつつ、彼のこれまでの人生を振り返っての話を聞かせてくれました。




数学の研究者になりたかったこと、紆余曲折を経ての大学入学、進学、博士課程修了、ポスドク経験、そして農研機構での仕事について。

下手にギャグを盛り込んだりせず、淡々と話していましたが、彼の面白い個性は十分に伝わったと思います。そして彼の半生を伺うことで、一人の学生が、色々と迷いながら、進路を模索していく様子をリアルに感じられたことでしょう。

時折過去の写真を出してくれ、大学院の写真には私も映り込んでおり、時のすぎる速さを思いました。

今、農研機構では海外から輸入するGMO作物(ダイズとか)の検出方法の開発などを行っているとのことでした。前回が、種子開発企業の販売許可を得るまでの検査業務・書類準備に係る方の講演でしたので、GMOをめぐる「開発側」と「輸入確認側」の異なる立場の方からの講演が続いたことになりました。

高畠さんは生命の他の教員とも現在の所属の中で共同研究もされているとのこと、ポスドク時代の研究が近いと親近感を示してくれる教員もおり、学科の構成員との親和性も高いなと思いました。

大学院を1999年に卒業して20年以上の時間が経っている中で、互いの状況を確認できるのは、嬉しいことでした。前夜のお酒が弾んだのはいうまでもありません。

(古本)

応用昆虫学研究室鳥飼君の修論研究の内容が公表されました。

 20233月に修士課程を修了した鳥飼悠紀君の修士論文の研究内容が、雑誌「植物防疫第777月号」に公表されました。「滋賀県南部におけるイネカメムシ(カメムシ目:カメムシ科)の生活史」という標題で、成虫の越冬場所、越冬場所からの移出時期、水田内での発生消長、防除対策について紹介しています。イネカメムシはその生態についての研究例が少なく、年間の発生回数も不明でした。水田での詳細なすくい取り調査の結果から、滋賀県では最大2世代を経過することが可能であることを明らかにしています。鳥飼君が修士課程で取り組んだ内容は、イネカメムシの総合的な防除体系を確立するうえでも非常に重要なものであると考えています。

(応用昆虫学研究室 樋口)



    



NHK ラジオ深夜便 に登場します。

昨年放送されたラジオ深夜便でのインタビューの再放送がきまりました。

塩尻が、植物の匂いの話をします。

アンカーの中村さんは、話の誘導がとても上手だったので話やすく、また、私の言葉足らずなところにおいても、一般の人にわかるように言い換えてくださっているので、聞いている人も理解しやすかったようです(前回聞いてくれた人の感想)。

もし、早起き(徹夜)された方は聞いてただけたら幸いです。(塩尻)


<予定>

7月15日(土)午前4:05~

ラジオ第一、FM,国際放送、らじるらじる、ラジコ

「聞き逃しサービス」:直後の5時から1週間。


https://www4.nhk.or.jp/shinyabin/x/2023-07-14/07/72964/3740005/


AEAJ (Aroma Environment Association of Japan)の機関誌にインタビューが掲載

 

2023年6月25日発行のAEAJ機関誌に、スペシャルインタビューが載りました。

 私の研究は主に植物の匂いが関与する生物(昆虫や植物)同士の相互作用なのですが、アロマテラピー関係者にも知ってもらって、人だけじゃなく他の生き物にまで植物の香りの影響があるのかと知ってもらえるので、この機会をいただけてありがたかったです。また、龍谷の森や温室でいい写真もとってもらったので嬉しいです。塩尻







No.108 2023年6月25日発行
『神農本草経』に学ぶ薬草学のルーツ/脳も身体も楽になる デジタルとのつきあい方
特集1:『神農本草経』に学ぶ薬草学のルーツ/特集2:脳も身体も楽になる デジタルとのつきあい方/AEAJスペシャルインタビュー:塩尻かおりさん[龍谷大学農学部教授]/ハーブのある暮らし:マートル(桐原 春子)/精油図鑑:シークヮーサー・レモンマートル/植物が香る仕組みを探る:花の香り編 夏の花(大久保 直美)/身近な食材をごちそうに 五感で味わう 季節のレシピ:汗をかく日のメンテナンス(藤井 恵)/アロマ最新研究:ペパーミント精油の相反する作用/他
https://www.aromakankyo.or.jp/aeaj/publication/organ/

キャリア講演会 コルデバ・ジャパン 高橋さん

 本日は、生命科学科の3年生の学生を対象に、基礎演習2の科目の中で、キャリア講演会を開催しました。

研究室配属を前に、将来を少しイメージしたもらいたくて、教員の知り合いにお願いし、複数の講師に来ていただき、キャリア形成を話してもらいます。

本日は、永野先生の紹介でコルデバ・ジャパンの高橋さんに来ていただきました。

DuPontやDow Chemicalなどの合併でできた会社で、遺伝子組換え作物の安全性審査などの書類申請業務が仕事です。

日本ではどういう基準で安全性が検査されているのか、どういった法律で定められているのか、など、遺伝子組換え技術が、研究室から一歩外に出るためにどういうステップを踏まなければいけないかを教えてもらいました。

生命科学科の教員とも知り合いが多いようで、授業前には土岐先生や別役先生と懐かしそうに話していました。

私が30年ほど前に最初に面倒を見た学生と、今、会社で机を並べているらしく、懐かしい教え子の名前を耳にしたこと、彼の活躍する様子をうかがえたことが、何より嬉しかったです。色々と繋がるものですね。

とても熱い口調で遺伝子組換え植物種子の安全性確認への想いを学生たちに語ってくれました。専門知識を生かした将来像を垣間見ることができて、学生には確実に響いたと思います。

高橋さん、お越しくださりありがとうございました。

(古本)





千葉大学非常勤講師望月氏の性フェロモンについての講演会

 2023630日、入門ゼミ458組は、千葉大学非常勤講師望月文昭氏に「性フェロモンを用いた害虫防除」と題した講演をしていただきました。望月氏は、信越化学工業で昆虫のフェロモン研究に長らく携わってこられました。有名な昆虫学者ファーブルの性フェロモン発見の実験からはじまり、フェロモンとは、害虫防除に利用されるフェロモンなどについて分かりやすく説明していただきました。また、スカンクのおならの成分を例にとり、インターネット情報の不正確さについても紹介がなされ、レポートや論文を書くときには、必ず一次資料である論文に目を通すことの大切さも強調されました。また、人間のフェロモンについての話もありました。どれも学生たちにとっては興味深いもので、ミツバチの階級分化フェロモン、フェロモンを使った害虫防除と殺虫剤を使用した害虫防除、集合フェロモンの実用化など、色々な質問がでました。望月さん、楽しい講演をありがとうございました。

(応用昆虫学研究室 樋口)