2023年3月に修士課程を修了した鳥飼悠紀君の修士論文の研究内容が、雑誌「植物防疫第77巻7月号」に公表されました。「滋賀県南部におけるイネカメムシ(カメムシ目:カメムシ科)の生活史」という標題で、成虫の越冬場所、越冬場所からの移出時期、水田内での発生消長、防除対策について紹介しています。イネカメムシはその生態についての研究例が少なく、年間の発生回数も不明でした。水田での詳細なすくい取り調査の結果から、滋賀県では最大2世代を経過することが可能であることを明らかにしています。鳥飼君が修士課程で取り組んだ内容は、イネカメムシの総合的な防除体系を確立するうえでも非常に重要なものであると考えています。
(応用昆虫学研究室 樋口)