しがのふるさと支え合いプロジェクト協定締結式

2020年2月19日、今年度の「しがのふるさと支え合いプロジェクト」の協定締結式が滋賀県公館で行われました。この事業には、昨年度の東近江市百済寺町との連携プロジェクトに引き続き(昨年度の様子)、今年度は高島市今津町深清水地域の「高島深清水オリーブ産地協議会」と食料農業システム学科との連携プロジェクトが採択されています。

深清水は百瀬川の扇状地のなかでも扇の中ほど(扇央)に位置していて、水はけの良さなどから滋賀県下随一の柿産地となっています。しかし他の中山間地域と同様高齢化が進んでおり、収穫だけでなく剪定や消毒、摘蕾・摘果などでも必要となる脚立作業が危険ということで、耕作放棄園も出始めている状況です。作業強度が柿よりも低く、将来性のある果樹をということで、地域の将来を考えるグループの方々がオリーブの試験栽培を始めており、学生も以前その植樹をお手伝いしました。

植樹の様子
深清水では、柿とオリーブを使った交流イベントに、学生がお手伝いしながら参加させてもらっています(イベントの様子 昨年度 今年度)。

協定締結式では農学部の客員教授も務める滋賀県の三日月知事の立会いのもと、採択された4つのプロジェクトがそれぞれ協定に署名し、情報交換を行いました。
署名後の記念撮影

今年はこのプロジェクトから卒論を書く学生が現れるなど、連携が着実に進展している実感があります。これを新たな出発点として、さらに現場での学びを深めていきたいと気持ちを新たにした1日でした。(宇山・山口)

農学部Newsでも紹介されています→こちら

春告げるニホンアカガエルの卵

堂農場の一角、沢水を逃がすために掘った溝に、ニホンアカガエルの卵がてんこ盛り! 春が近づいていることを知らせてくれるのはふつうは梅やふきのとうなんでしょうが、田んぼまわりで仕事をすることの多い私たちにとっては、このアカガエルの卵がそれにあたります。彼女らは産卵が終わるともう一度冬眠するそうで、それは春眠ともいわれています。大仕事を終えてのカエルの二度寝、おたまじゃくしが育つ夢を見ながらまどろんでいることでしょう。
ニホンアカガエルは林と水田が接している場所に生息する、里山の生き物の代表です。自然のままでは生きていけないというほどではないでしょうが、人が加えるさまざまな攪乱をむしろうまく利用して生存しています。堂農場でも、どこに水がたまるかは工事や実験のため毎年変わりますが、彼女らはそのたびごとにうまく場所を見つけては、知らぬ間に産卵します。昨年、俺たちがここに穴をほらなかったら、いったいどうするつもりだったのよ?と訊きたくなります。生き物たちに依存されているのは、悪い気分ではありません。(三浦)


斑点米カメムシに関する調査報告会

 2020年2月14日午後、瀬田キャンパスにおいて斑点米カメムシに関する調査報告会を開催しました。応用昆虫学研究室では2016年から湖西の近江舞子と湖南の石居の農家水田をお借りし、コメに斑点米被害を引き起こすカメムシ類の調査をしています。そこで、日ごろお世話になっている農家の方々、農業協同組合や府県試験研究機関の方々に集まっていただき一年間の調査結果の報告会を開催しています。せっかくの機会ですので、最初にレーク大津農協の田中章吾氏に「スマート農業-ドローン活用の現状について」と題して、滋賀県で展開されているドローンを使った農業技術の紹介をしていただきました。最新技術の紹介であり、ドローンの運転資格、環境への影響、病害虫対策などについて沢山の質問があり、研究室所属の学生達も興味を引かれた様子でした。続いて、4年生が卒業研究の内容を紹介しました。色々と質問がだされ、答えられないことも多々ありましたが、今後の研究の展開に参考となる意見も多く、樋口としてはとても参考になりました。(樋口)

 
 

セミナー「びわ湖の水草 市民がはじめる環境自治」に参加

 琵琶湖を中心とした循環型社会をつくるために、琵琶湖の厄介者・水草を堆肥化して農業利用する研究を行なっています。その一環として、202028日(土)に開催された「第32回地球研地域連携セミナー びわ湖の水草 市民がはじめる環境自治」に学生2名とともに参加しました。琵琶湖の水草に対する取り組みを、滋賀県庁職員、企業経営者、学生ボランティア団体、研究者(私たち)が発表し、その後、市民の方々を交えて話し合いが行われました。普段関わることのない方々と熱い議論を重ねたことにより、学生たちは大いに刺激を受けたようです。(玉井)

議論が白熱しています。
グラフィックレコーディングってすごい!

グリコピア神戸における工場見学

金子ゼミでは学生自らが企画・計画・実行・評価をする個人プロジェクトを実施しています。今年度最後の学生企画として関西グリコ株式会社グリコピア神戸を訪問しました。
以下、学生の学びについてご紹介します。
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私たち金子ゼミ7名は2月4日にフィールドワークとして、グリコピア神戸へ工場見学に行ってきました。Glicoグループのグリコピア神戸を工場見学先として決定した動機としては、100年近い歴史があり、独特の販売形態を所持していること、アジア圏を中心とした海外市場において成功を収めていることなど、様々な点において学べることが多いと思ったからです。


工場見学で実際にお話を聞くなかで、国内初の映画付自販機で商品の販売を行ったこと、創業者の「おいしさと健康」をモットーにした商品を今も作り続けていること、海外市場で販売している商品については味を現地向けに調整しており、価格もなるべく現地の物価に合わせたものにしていることなど、非常に多くのことを学ぶことができました。



また、建物の外装や商品のパッケージにおいても消費者を楽しませる要素が取り入れられていました。映像資料等にも平仮名がふってあったり、子供にもわかりやすく楽しませるような説明がありつつ、大人も飽きさせない健康やおいしさの理由について詳しい商品説明があったりと、細かな点でも消費者や来館者を思う創意工夫がされていると感じました。



ポッキーやプリッツをはじめとするお菓子の製造ラインを見学することで、工程により室温を変えたり、風味や色味を出したり均一化のための細かな工夫をしていること、異物混入を防ぐための対策がしっかりとされていること、といった徹底した品質管理も行われていることがわかりました。



今回のグリコピア神戸での工場見学を通して、歴史を学び生産過程を見学したことで、普段何気なく食べているお菓子1つを取っても様々な工夫・努力により美味しさが保たれていること、奇を衒ったものではない、消費者を楽しませるマーケティングの仕方などを実際に深く理解できたのではと感じました。今後は工場見学を通して新しく学んだこと、気づいたことを踏まえ、それぞれの卒業論文や就職活動に役立てていきたいと思います。
                          (中村・高橋・川崎)
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お世話になりましたグリコピア神戸の皆様に心より感謝申し上げます。(金子)









食料農業システム学科 卒論発表会

2020年2月3日、食料農業システム学科の卒業論文発表会が行われました。

発表は5つの会場に分かれて行われました


1人1人の発表時間はわずかなものでしたが、その限られた時間の中で研究内容を伝えようと準備した様子が伝わる発表でした。

フロアからの質問にも答えます

フロアからは、学生による質問が多く見られたのが印象的でした。堂々とした受け答えに、学生の成長を見る思いでした。

フロアの様子








農学部Instagramでも、当日の写真が紹介されています

卒業論文発表会は、ゼミでの学びの集大成であると同時に、考える力とそれを表現する力を試される、今後のキャリアの出発点ともなるイベントです。これを糧に、今後学生の皆さんが社会で活躍されることを期待します。皆さん、お疲れさまでした!(山口)