岡田清孝 元教授、「みどりの学術賞」受賞記念セミナー開催決定!!

先日、このブログでもお伝えしたように、植物生命科学科の元教授である岡田清孝先生が令和4年度の「みどりの学術賞」を受賞なされました。


岡田清孝 元教授が「みどりの学術賞」を受賞!


岡田先生は2015年の本学農学部開設以来、2018年度まで植物生命科学科での指導に当たられました。当時の学生は岡田先生の授業を受講する機会も多くあったかと思いますが、現在の4回生以下の学年は遺伝や分子生物学関係の授業でお名前を聞いたことあるかも、、くらいだと思います。

幸い、岡田先生はまだ本学Ryukoku Extension Center(REC)で顧問として在籍されています。そこで学科教員一同相談して、今回のご受賞を機に龍谷大の学生向けセミナーを行っていただくことにしました(岡田先生、ありがとうございます!)。



学内向け告知ポスター


植物生命科学科の一部学年は授業の一環としての受講になりますが、貴重な機会ですので当日は教室の定員(新型コロナ感染用SD定員)まで学内参加者希望者を受け入れる予定です。ご興味ある方はこの機会にぜひご参加ください。

なお、当日は遠方からでもこのセミナーを聴講できるよう、オンラインでの中継も準備しています。参加希望の方は以下リンク先の学外向け情報を参考にご登録ください。※なお、当日のセミナー内容は本学学生を対象にしたものになります。


セミナー案内(オンライン中継登録への情報あり)

(別役)

資源生物科学実習A ②


 窒素、リン酸、カリウム…肥料の三大要素です。これらの要素が欠乏したら、どのような影響がでるのでしょうか。4月21日(木)、22日(金)の実習では2回にわたって、イネを使って肥料の欠乏症(カリウムとそれに関わるケイ素を中心に)を調べるための実験準備を行いました。
 各班がそれぞれに与えられた試験区を担当し、見慣れない水耕栽培用のオリジナル試験ポットにイネを植え、目的の元素を抜いた液肥を調製しました。また、ポットの中の石(土)もシリカゲルや正長石などを使って、土壌からの供給についても検討できる試験区を作りました。


 
 多くの試験区を組んで、学科全体で一つの実験を進めることは今回が初めてだったかもしれません。草丈、培養液のpHやEC値を測定し、これから約1か月かけてイネを育てていきますが、そのころには何らかの変化が確認できるのではないでしょうか。週に2回の水換えが大変ですが、結果を楽しみに頑張りましょう。

肥料濃度計算…答え合わせの議論中…
山本




資源生物科学科の学生と水稲農家との意見交換会

  2022年4月18日と22日に、応用昆虫学研究室4年生、入門ゼミ4組1年生と、水稲農家ユキオズファーム西村氏と伊井氏との意見交換会を開催しました。日本人の米の消費量が減少しているなかで、農学部に入学してきた新1年生と3年間学んできた4年生に、「お米」というものについてのどのように考えているか意見を聞きたいという申し出が西村氏からありましたので開催しました。米は何を基準(味、価格、産地、付加価値、品種)に選ぶのかというところから議論は始まりました。米の消費を増やすには、お米を自動販売機で販売する、おにぎりを握って販売するキッチンカー、バレンタインデーのようにお米の記念日を作る、美味しくて安全・安心を宣伝し海外の富裕層に売り込む、など色々な意見がでました。また、西村氏からは、3K(汚い、きつい、危険)と言われていた農業が、自走式トラクター、ドローンを使った播種や肥料の散布など、省力化したうえで高品質な生産物を得られるスマート農業の時代がまさに来ているというお話もありました。学生からは圃場を見てみたい、農業を体験したいとい希望もありました。実際に西村氏に学生を受け入れてもらい、農業を体験できるような場を設けていただくことにしています。今後、農家と農学部の学生が交流できるような機会を増やせていけたらと考えています。(応用昆虫学研究室:樋口)



植物生命科学実習(4/12,18)

今年度前期の植物生命科学実習(植物生命科学科3回生対象)がスタートしました。

初回ガイダンスの様子

最初の実習は微生物学実験(担当教員・島先生)です。肉眼では観察できない「微生物」の基本的な取り扱いや観察の基本を学びます。

微生物の細胞数の測定には比濁法と生菌数測定が主に用いられます。実験①として、生菌数とOD(optical density)の関係を調べるために分光光度計で培養液の濁度を測定し、培養液の10倍段階希釈液を作成して、寒天培地に接種して48時間培養した後コロニーの数を計測しました。 また、微生物の増殖は培地から得る栄養によって大きく異なります。様々な栄養特性の培地に酵母を定量的に摂取し、その培養性状を比較するための実験②として、1日目に条件の異なる4種類の寒天培地に酵母を接種して48時間培養し、2日目に培地の観察を行いました。

(中田)

資源生物科学科(2023年度から農学科)を志望する皆さんへ⑦ ~土壌は稲を育て、稲は土壌を育くむ。~

春になりました。もうすぐ田植えの季節ですね。春から初夏の頃に飛行機に乗ると、田植えされたばかりの田の水面が美しく輝いているのが見えます。それは、まるで巨大な湖が日本中に突然現れたかの様です。つくづく日本は水に恵まれた国だと思います。この水田で栽培されているのが=お米」で、私達の主食になっています。稲はその体の10%がケイ酸から出来ている作物です。一方,ケイ酸とアルミニウムは岩石の主成分です。最近、土壌学研究室で農研機構と協力してカリウム肥料を少なくすると稲が岩石からケイ酸を吸収し、土壌にアルミニウムが蓄積する事を明らかにしました。アルミニウムは土壌中の有機物を吸着して土壌の保肥力を高めます。


稲は養分を土壌や岩石から吸収して育ち、土壌は稲によって磨かれてくのです。土壌学研究室では作物と土壌の相互作用を研究しています。

(土壌学研究室 森泉)


牧圃場のイネ展示水田:根元の土を分析すると見えない世界が見えてきます.



資源生物科学実習B ①

 4月15日(金)第2回目の実習では、①線虫の接種試験、②線虫の同定(PCR)を行いました。今日のために、先週(第1回)の実習では、卵のうを集めて線虫をふ化させておきました。また、顕微鏡を覗きながら、線虫1頭を釣り出しDNAの抽出、PCRを行いました。線虫を見つけても、1頭を釣り出すのに苦労した人もおおかったかもしれません。

 今日はそのふ化させた線虫をしっかり数えて(どの班も無事ふ化していましたね)、決められた数をトマトの苗に接種しました。接種した線虫はこれからどれだけトマトに寄生・増殖するでしょうか。この実習の続きは約2か月後になりますが、予想しながら待ちましょう。
 一方で、線虫のDNA抽出はうまくできていたでしょうか。今日は電気泳動をして確認しました。奇麗なバンドが確認できた班もあれば、残念ながら見られなかった班もありました。いったい何が原因だったのか、しっかり考察しておきましょう。次回は、抽出したDNAを制限酵素で切断して種の判別をおこないます。
 

山本

 

資源生物科学実習A ①

 1回目のガイダンスを終え、4月14日(木)第2回目はフィールドワークの訓練として、牧圃場に調査に出かけました。それぞれがGPS機能を持ったカメラで写真を撮り、野帳を片手に農場で働く先生(現地の住人の方を想定して)に聞き取りを行いました。
 どこに何が植えられているか…高い畔、畑の周りに掘られた明渠、周辺に見られる多数の水田…これらから牧圃場の地質も推測できるのではないでしょうか。この続きの実習は少し先になりますが、それぞれが調査した内容をもとに牧圃場のオリジナルマップを作ります。どのような調査結果(マップ)が出来上がるか、今から楽しみです。



 今年度からようやく全員が集まっての対面実習になり、本当に皆楽しそうでした。これから難しい実習もあるかもしれませんが、協力して頑張っていきましょう。                         
 

山本




入門ゼミの教員紹介とクイズ大会

 4月15日(金)の入門ゼミで、資源生物科学科の新入生と教員が一堂に集まり、顔合わせを行いました。先生方からのメッセージは学生にどのように届いたでしょうか?これから始まる学生生活、充実したものになるよう願ってます。



教員紹介のあとは、農場の先生方の進行で農学部ならではのマニアックなクイズ大会が行われました。

                           
 (資源生物科学科)

資源生物科学科(2023年度から農学科)を志望する皆さんへ⑥~カメムシに寄生するハエ

 「嫌われものの虫」の代表いえば、「ゴキブリ」と、さわれば悪臭を発する「カメムシ」があげられます。このカメムシですが、農作物を加害する害虫として研究が進み、また、防除の対象になっています。カメムシは、非常に沢山の種類があり、その生態も多様で、研究してみると興味の尽きない昆虫です。ここでは、クモヘリカメムシ(写真上)の天敵の一つであるハエについて紹介します。野外からクモヘリカメムシの成虫を採集し、しばらく飼育していると、腹部を食い破りウジ虫が出てくることがあります。ウジ虫はすぐに蛹になり、蛹からハエが羽化してきます(写真下)。このように昆虫に寄生するハエは、寄生バエと呼ばれています。この寄生バエですが、和名はまだ付いておらず、その生態もほとんど明らかにされていません。応用昆虫学研究室では、この寄生バエの生態解明に取り組んでいます。カメムシの天敵として寄生バエの能力が高ければ、カメムシ防除の素材として利用できる可能性もあります。   (応用昆虫学研究室:樋口)






植物生命科学科新入生向けに研究室紹介が行われました。

 2022年4月2日、龍谷大学農学部では入学式が行われました。


農学部全体での入学式が行われたあと、各学科ごとの行事が続きました。高校と大学では学習のスタイルが大きく異なってきますが、明確に違いを体験するのがゼミや研究室に所属しての卒業研究に向けた活動です。最も大学らしいと言える反面、新入生には最もよくわからないものかもしれません。そこで、植物生命科学科では、新入生歓迎企画として、在校生による各研究室の紹介を行いました。

とあるBGMで新入生のみなさんに盛り上がって(?)頂いた後、まず学科主任の浅水先生から新入生へのお祝いの言葉が述べられました。「みなさん、4年後の自分を想像できますか?」という問いかけに、気持ちを新たにした新入生も多かったのではないでしょうか?

簡単な学科教員紹介を終えた後、在校生による研究室紹介です。植物生命科学科での卒業研究の舞台となる9研究室の新4回生が一人ずつ、趣向を凝らしたスライドを用意して、5分ほどの限られた時間ですがそれぞれ所属研究室の紹介を行ってくれました(協力してくれた4回生、どうもありがとう!)。


各研究室で扱っている研究課題のみならず、具体的な卒業研究テーマを紹介してくれたり、教員の紹介をしてくれたり、卒業生の進路に関する紹介など、個性あふれる発表でした。新入生のみなさんも最初は「??」だったかもしれませんが、研究室というものに関しておぼろげながらも雰囲気を掴めたのではないでしょうか?また、先輩たちが楽しそうに取り組んでいる様子、多様な個性を持った先生方が多彩な研究活動を行っている学科だと認識してくれたのではないでしょうか?

当日使った学科の教員紹介スライド(詳しくは農学部HPをご覧ください)


そんな自由な雰囲気でしたが、登壇した4回生からは「大学で好きなこと頑張ってみてください」だけに止まらず、「4年はあっという間ですよ」や「単位は早めに落とさないように取っておきましょう」などと言った当事者だからこその言葉も繰り返し出て、新入生にも先輩の思いが伝わったかと思います。同時に、「研究室に来てくれたらいつでも相談乗りますよ」と多くの4回生が述べてくれていて、ぜひ新入生にはそんな機会を持って欲しいなと教員目線で思いました。

最後に、各教員から新入生へ一言ずつ自己紹介してもらい終了です。新入生のみなさんが、4年後、「ここに来て良かった」と思える大学生活を過ごしてくれることを学科教員一同願っています。また、これを見ている本学志望の受験生のみなさん、ぜひ来年の入学式イベントでお会いしたいですね!


(別役)








資源生物科学科を志望する皆さんへ⑤〜貴重な花を後世に残す!

  令和4年4月1日より、「植物資源学研究室」は「花卉園芸学研究室」に名称が変わりました。名称は変わりましたが、研究内容はこれまで通り花卉園芸植物を中心に植物資源の保全と利用についての研究を行っていきます。



 3月下旬には、花卉園芸学研究室の研究テーマの一つであるキュウカンヒザクラの調査のため、沖縄に行ってきました。実はこのサクラは世界中で石垣島にしか自生していない貴重なサクラです。ちょうど今、大津のソメイヨシノは満開状態ですが、沖縄のリュウキュウカンヒザクラ は結実期を迎えています。花卉園芸学研究室ではリュウキュウカンヒザクラの種子の発芽特性の解明に取り組んでいます。そのためには、たくさんの種子が必要になりますが、自生地は天然記念物に指定され、個体数も激減しているためにたくさんの種子を取ることができません。そこで、沖縄本島に植栽されている株から種子をたくさん集めて研究を行っています。この研究を自生地で激減しているリュウキュウカンヒザクラの保全に役立てようと考えています。


 リュウキュウカンヒザクラは日本のサクラでは最も早い時期(1月中旬〜2月上旬)に開花します。ここ2年間は、コロナの影響があり開花期の調査が行えていません。下の写真は2年前に沖縄県本部町の八重岳で撮影したものです。今年こそは、開花期の調査を再開したいと思っています。
            
                           (花卉園芸学研究室 神戸)