他大学との合同研究セミナー

 植物遺伝学研究室(竹中研)は、昨年から他大学との合同研究セミナーに参加しています。

このセミナーは、福井県立大学・京都産業大学・関西福祉科学大学との合同で行われていて、実は20年以上続いているものです。

今年は、福井県立大学の村井先生が現役最後ということで、ちょっと特別なアニバーサリーイヤーでした。

今年の開催日は76日・7日の2日間で、会場は琵琶湖の対岸にある松の浦でした。
昨年は、竹中先生によるラボ全体の方針紹介のみの参加でしたが、今年はM13名が12分間の持ち時間を使って研究発表を行ってくれました。




3名とも今回が初めての口頭発表で、正直ちょっと心配していたのですが、無事に発表をやり遂げました。
持ち前の愛嬌(?)もあって、先生方からは「面白い研究やん!」とたくさんのコメントや質問を頂いていました。
答えられなかったところは、今後の勉強のきっかけにしてくれたらいいなと思います。

他大学の発表にも積極的に質問していて、頼もしく見えました(笑)

発表のあとは、バーベキューと花火大会で盛り上がりました!


最初は緊張している様子でしたが、だんだん学生同士の交流も深まっていきました。
学会などで数か月に一度会える、同じ分野の研究仲間ができると、大学の中だけでは得られない刺激を受けられますし、次の学会参加もより楽しみになります。

また、今回のようなラフなセミナーだからこそ、高名な先生に気軽に質問でき、論文や学会発表では聞けない研究の背景や本質を聞くことができます。

最後に、今回のセミナーを取り仕切ってくださった風間先生をはじめ、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!


                                    (辻村)



システム学科入門ゼミで花陽みくさんの特別講演をおこないました

2025年7月4日の入門ゼミでは、舞台俳優の花陽みくさん(元宝塚歌劇団娘役)をお招きし、特別講演をおこなっていただきました。


花陽さんは俳優として舞台に立ちつつ、オンラインショップなどでご自分でブレンドしたコーヒーを販売されており、その取り組みについてお話しいただきました。



ミュージカルの一場面を再現するパフォーマンスの時間もあり、うつくしく力強い歌声を聴くことができました。

参加した学生たちからは、お客さんの立場に立って商品やサービスを考えることの大切さを感じた、夢が一つ叶っても、新しい夢を持って次の目標に進めば良いという言葉が印象に残ったなどのコメントが寄せられていました。(落合雪野)


外部講師(植物-微生物相互作用学)と第12回生命科学セミナー

 「植物-微生物相互作用学」の外部講師として、玉木秀幸さん(産業技術総合研究所)をお招きしました。

授業の様子1

 この授業では、植物とその周りの微生物との関係(相互作用)のメカニズムを分子レベルで理解することが主題となっています。植物の周りには良い微生物も居ますが悪い微生物もいて、普段の授業ではおもに植物に病気を引き起こす病原微生物を中心に話題提供しています。しかし、そもそも植物の周りには数多の「何をしているかよくわからない」微生物が存在しています。この「良い」、「悪い」というのも、あくまで人間にとって農作物に良い影響を及ぼすか、悪い影響を及ぼすかを基準にしたもので、何をしているかよくわからない微生物たちも、彼らの人(微生物?)生を、いきものとして過ごしているわけです。

 玉木さんは植物に限らず、そういった環境中に存在している多数の無名の微生物たちを見つけ出し、その生きざまを調べ、我々人類の生活に役立たせるところまで幅広く研究されている方で、植物中心の普段の授業とは異なる切り口で、そのほとんどは人間にとっては未知とも言える「微生物ワールド」の一端をご紹介いただきました。

 分類学的な観点から見た微生物グループの多様性の紹介から始まり、培養という手段の重要性やその手法に頼るからこその限界、そしてその限界を広げるための研究の数々を、わかりやすい例示などとともに紹介いただきました。その上で、玉木さんらが見つけてこられた微生物を、ヒトや植物そのものの健康や成長、さらにはヒトの生活を支える社会インフラにどのように有効利用しようとされているかをご紹介いただき、最後には、生物の進化の歴史に関する定説を根本から覆すような新たな微生物の発見に関してもご紹介いただき、受講生一同、そのスケールの大きさに圧倒されて聞き入っていました。

授業の様子2

学生の感想(抜粋)

「今回の話を聞いて、微生物の可能性はまだまだ広がるのだなと感じた。人の近くで生きている腸内細菌や農作物の微生物に目が行きがちだけど環境全体を見たり探すことで、新たな発見が生まれるのかなと思った。微生物についてもっと研究が進むことで私たちの生活が変わっていくと面白いなと思った。」

「未だ多くの微生物が培養されていないことに、これからの技術発展だけでなく、生命の起源の研究の新たな発見が多くありそうで、非常に現実的なロマンがあるなと、興味深かったです。また、有用な植物形質をもたらす微生物叢の開拓にも興味を持ちました。毒を以て毒を制すではないですが、非常に似てるなと感じ、興味深かったです。」


    また、せっかくつくばから来ていたいたので、第12回生命科学セミナー「未知の微生物を”培養”して新たな生命機能を探る~Cultivation Renaissance in the post-metagenomics era: combining the new and old~」と題して、農学部教員や院生ら向けにも話題提供していただきました。授業とほぼ同じスライドながらも、こちらは研究のプロ向けに、サイエンスとしての面白さを凝縮した話題提供をしていただき、質疑も盛り上がりました。

生命科学セミナーの様子

    さらに、セミナー終了後には、今回お呼びした別役研に来ていただいて、研究室の院生8名と学部生1名からの研究紹介をそれぞれ聞いていただいて、その内容に対してたくさんの有意義なコメントもいただきました。


玉木さん、講演x2と長時間にわたる学生との研究談義、本当にどうもありがとうございました!

(別役)




キャリア講演会 卒業生

生命科学科では、3年生を対象とした授業の一環でキャリア講演会を開催しています。

4週にわたって、企業の方、卒業生、大学院生など、さまざまな立場の方にお越しいただき、これからの進路について考えるヒントをお話しいただきます。

 

第2週目は、植物生命科学科の卒業生のお二人にご講演いただきました。


1人目の演者は伏見銘酒協同組合の江川真基さん(竹中研卒業生)です。



江川さんがお勤めの伏見銘酒協同組合は伏見の複数の蔵元(組合員)によって運営されており,各蔵元の求めに応じた日本酒の醸造を行っている会社です。


2人目の演者はイビデングリーンテック株式会社の渡中新太郎さん(塩尻研卒業生)です。


渡中さんがお勤めのイビデングリーンテック株式会社は法面(のりめん)事業,造園事業,建設事業の会社で,渡中さんは法面事業で活躍されています。


江川さん,渡中さんからお勤めの会社の紹介があった後,自分が学生の時にどのように就職活動に取り組んできたのか,なぜ今の就職先を選んだのか,などを実体験をもとにお話しいただきました。


受講した学生さんからの感想を一部紹介します。

『インターンの準備として、「業界の流行を知る」「会社を知る」「疑問を持つ」という3つのアドバイスは、とても参考になりました。』

『企業について調べることとして、企業にメールを送ったり企業理念について調べたりすることといった会社のことを調べるほかに、福利厚生や給料など、自分のためのことも調べることが大切だとわかった。』

『企業に疑問を持つことが大切であるということを聞いて、自分は今まで世の中の事に疑問を抱いたことが無かったので、視野を広くしてどんな些細なことでも疑問を持てるようにしようと思いました。』

『現実的な内容で参考になった。就活の具体的なイメージをつかめた気がする。』

『インターンの本当の活用の仕方が理解できました。ホームページなどから企業のことがわかると聞いていましたが、実際にはどういった要点を確認すれば良いかわからず取り組んでいなかったので、参考にしたです。』

『大学で自分のしたいことをすることが、自分の価値観や短所・長所を見つけることに繋がると、知ることができました。』

先輩方の生の声を聴くことで,これからの進路・就職活動について具体的にどのようなことに取り組んでいくべきか,はっきりと意識できたようです。

江川さん,渡中さんお忙しいところ本当にありがとうございました。


(竹中)

木瓜葛根杏仁茶

 海外農業体験実習(ハワイ)では、毎年事前学習の中で日本にいながら色々と調査したことを現地のハワイのUSDA研究所で英語で発表する機会を設けています。

昨年は、「パパイヤの利用の日本と中国・アメリカの比較」という内容の発表をしました。試行錯誤しながらこのテーマに落ち着いたのは、中国からの留学生が参加者に1人いたことが大きいです。その発表の中で、中国では漢方薬「木瓜葛根杏仁茶」として利用されることが紹介されました。お湯を加えて煎じて飲むというスタイルのようですが、真空パックされたものも販売されているとのこと。

最近、この学生が、中国に帰国したおりに、この漢方薬「木瓜葛根杏仁茶」を購入し、本日お土産としてくれました。ありがたいことです。


今年、ハワイに行ったおりに、関係者でいただければと思います。

こうした気遣いが大変嬉しいです。ハワイの関係者もきっと喜ぶと思います。

(古本)