花山天文台の見学

  生命科学科と農学科で開講している地学実験の授業で、京都大学の附属施設である花山(かざん)天文台を見学しました。花山天文台は大学天文台として国内で2番目に古い歴史をもち、特に太陽分野の研究が充実されています。また、学校関係者だけでなく一般市民への天文教育の普及活動も盛んで、アマチュア天文学の聖地と呼ばれています。

当日は研究職の方々が施設内を丁寧に案内してくださり、今月観測された大規模太陽フレアのデータや、太陽の分光スペクトル観測望遠鏡、迫力ある45cmの屈折赤道儀など、とても興味深く見聞きしました。天文分野は理科教育においても重要な位置づけのため、理科の教職課程を受講している学生らにとって大変貴重な学びとなりました。今回得られた知識は、天体観測の実習でも活かされることと期待しています。


 




現役では日本最古の望遠鏡

 






屈折赤道儀には著名人のサインも

 








花山天文台の皆さま、お忙しい所ありがとうございました。

(中田)

生命科学科 球技大会 「古本杯」

 10月3日に体育館を借り切って、生命科学科の生徒と教員とで、球技大会を行いました。

競技は、バレーボールとドッチボール。

土岐研究室のみんなが運営を行い、とてもスムーズに進行されました。

今年の優勝は永野研究室。バレーでもドッチボールでも優勝するダブル優勝でした。

必死な様子や楽しむ様子は普段の生活ではなかなか見れないものですね。新しい側面を知ることができたきがしました。

スポーツの秋、食欲の秋、そして卒論直前のデータの秋。

これからのみんなの活躍を楽しみにしています。

(古本)


食料農業システム実習「ドイツスタディツアー」(前半)

2024年8月25日~9月1日の日程で、「ドイツスタディツアー」を実施しました。
ドイツ南西部のフライブルク市およびその近郊の街や村をフィールドに、持続可能な農林業・食への取り組み、再生可能エネルギーの農村での利活用、環境に配慮した地域づくりなどを学びました。参加者は食料農業システム学科の2年生6名、引率は嶋田先生と竹歳です。

1日目の夜に関西空港を出発。トルコ・イスタンブールを経由して、2日目の午前にスイスのバーゼル空港に到着。そこから車で1時間ほどで、滞在地のヴァルトキルヒに。ヴァルトキルヒの伝統産業であるオルガン製作の工房を見学後、街を見渡せる城山まで軽いハイキング。



3日目は、ヴァルトキルヒから電車に約20分乗ってフライブルクへ。フライブルク市街の交通システムや中心市街地のまちづくり、自然との共生に配慮した住宅地を見学しました。





(後半につづく)

卒業生の研究成果が論文として公開されました(生命・小野木研)

 一昨年度卒業した、研究室2期生の藤井璃空さんの研究成果が、論文としてAnimal Science Journal誌に掲載されました。


Genetic parameters of behavior traits of beef cattle classified using wearable devices

(装着型センサーを用いて分類された黒毛和種の行動形質における遺伝的パラメータの推定)

小野木章雄・藤井璃空他4名

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/asj.14002

(リンクからどなたでも論文を見ることができます)



近年はICT技術の発達により、ウシの行動を24時間モニターすることが可能となってきました。これによって事故を防止できるほか、多数のウシ個体について行動データを取得できるようになり、その統計学的な解析が可能となりました。

 本研究では、ウシの日々の行動を、6つのタイプ、採食、動態(動いていること)、横臥(横になっていること)、起立、横臥しながらの反芻、起立しながらの反芻、にリアルタイムで分類できる装着型センサー(U-motion、デザミス株式会社)を使用し、得られたデータを遺伝学的に解析しました。センサーは、(一社)家畜改良事業団の332頭の黒毛和種肥育牛に、約5ヶ月間にわたり装着しました。その結果、ウシが各行動タイプを1日どの程度行っているか、つまり1日あたりの合計時間は、ある程度遺伝する(遺伝子により調節されている)ことがわかりました。例えば、採食を長く行う個体の子供は、やはり長く行う傾向がある、と言えます。本論文では、この他にもいくつかウシの行動に関する遺伝学的な知見が明らかとなりました。

藤井さんは卒業研究として、統計学的な計算を実行する他、論文の下書きを作成するなど、重要な貢献をしてくれました。今後は、在学生たちと、行動がどのように経済的な性質、例えば体重や肉質、に関係しているか、などを明らかにしていきたいと思います。

小野木

日本育種学会第146回講演会に参加しました(小野木研)

 91920日に広島大学で行われた日本育種学会第146回講演会において、当研究室(生命データ科学研究室)修士1年生の木南綾子さんがポスター発表を行いました。演題名は「多形質・多環境モデルによる育種価予測に関する検証」でした。

 

品種改良の基本は、良い品種同士を交配して、より良い品種を作ることです。しかし作物の収量や品質は、遺伝子と環境双方の影響を受け、なおかつ育った環境の良さは、子供には伝わりません。そのため、環境の影響を排除し、「遺伝的に」良い品種を選ぶ必要があります。タイトルにある「育種価」とは、この遺伝的な良さを表す専門用語です。

 

現代の品種改良では、この育種価をいかに正確に予測するかが重要になります。正確に予測できれば、栽培や評価を省略するなどして、品種改良をより効率よく行うことができるようになります。木南さんは、様々な種類のデータを同時に統計学的に用いることで(=多形質・多環境モデルを用いることで)、育種価の予測をより正確にできないか、そのためには、どのようなデータを用いればよいかについて検証を行いました。

 


ポスター発表では、うまく答えられなかった質問も多かったようですが、引き続き勉強を重ねれば、もっと的確に答えられるようになるでしょう。卒業までに、まだ何度か挑戦して欲しいなと思います。

 

小野木