日本育種学会での研究発表

福井県立大学で開催された第150回日本育種学会で、生命科学科の植物ゲノム工学研究室(土岐研究室)、植物遺伝学研究室(竹中研究室)の学生が研究成果の発表を行いました。 


育種学会は年2回開催されています。

前回の学会でご縁のできた方や、共同研究を行っている先生方、前日の懇親会で仲良くなった学生さんなど、何度も参加している学生たちは顔見知りも増え、再会を楽しんでいる様子でした。

ポスター発表は演題数も多く、会場は熱気に包まれていました。

どの学生のポスターにも聴衆が途切れることなく訪れ、盛況な発表時間となりました。





発表以外でも、現在苦戦しているイネの室内栽培について第一線で活躍されている先生に相談したり、新しい研究に繋がるアイデアを頂いたり、材料について情報交換したりと、交流の場をフル活用して、それぞれ多くの収穫を得ていました

準備も含め、皆さま発表お疲れさまでした。


                                   辻村

京都府立桂高校でアグリカフェを開催!「食物アレルギー×遺伝子組換え」で考える未来の食

 龍谷大学農学部では、高校生の皆さんに「食」や「農」を身近に感じてもらう取り組みとして「アグリカフェ」を開催しています。アグリカフェの特徴は、ひとつのテーマを「2つの異なる専門視点」から掘り下げ、対話や体験を通して双方向で深めていく点にあります。今回は食品栄養学科の楠先生(食物アレルギー)と農学科の三柴(遺伝子組換え技術)が京都府立桂高校にお邪魔し、「食物アレルギーのない世界へ ~遺伝子組み換えから考える~」というテーマで実施しました。

まず楠先生から「アレルギーはなぜ起きるのか」という医療・免疫の視点を解説し、続いて三柴から遺伝子組換え技術により「アレルゲンを作らない作物」をつくる方法論や安全性評価ついて説明しました。後半は、ロールプレイ型のワークショップを実施しました。「アレルギーにならない遺伝子組換え食品を学校給食に導入すべきか?」という問いに対し、参加者には「重度アレルギーの子を持つ保護者」「学校給食の栄養士」など、異なる立場になりきってもらい、それぞれの立場からの意見を付箋に書き出して議論してもらいました。単なる「賛成・反対」にとどまらず、当事者として真剣に議論する姿が印象的でした。今回の体験を通して、先端技術の可能性だけでなく、技術が社会に届くまでの課題や対話の大切さを感じ取っていただければ幸いです。


(三柴)


イシクラゲを研究する中学生が研究室を訪問!

 探究活動でイシクラゲの研究に取り組んでいる大阪教育大学附属平野中学校3年生の生徒さん2名が、研究室を訪れてくれました。

 まずはイシクラゲについて簡単に説明した後、実際に培養しているイシクラゲを見てもらいました。2人ともとても熱心で、次々と質問が飛び出し、自分たちの研究に何とか生かそうとする姿勢がとても印象的でした。

 その後は、これからの研究の進め方についても一緒に相談しました。少しでも今後の研究のヒントを持ち帰ってもらえたなら、私たちもうれしく思います。

 イシクラゲは、身近なところにいるのに、意外と知られていない不思議な生き物です。そんなイシクラゲに興味を持って研究してくれる中高生がいることは、とてもうれしいことです。

 今回の訪問をきっかけに、2人の研究がさらに深まっていくことを楽しみにしています。そして、これからもイシクラゲをきっかけに、中高生の「なぜ?」「どうして?」という探究心が広がっていくことを願っています!

植物栄養学研究室 玉井


 



金子ゼミ・山口ゼミ・西川ゼミで AGRI SUMMER FES.(農産物・加工品の販売会)を開催

 2026年7月16日(木)に龍谷大学瀬田キャンパスのGlobal Lounge & Kitchen(GLK)にてAGRI SUMMER FES.を開催しました。今年度は金子ゼミに加え、山口ゼミ、経済学部の西川ゼミ、食料農業システム実習(森西)に参加した学生たちが参加しました。当日の様子を金子ゼミの井尻さん、長田くんに聞いてみたいと思います。

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私たち金子ゼミ3年生18名は、今年4月から食や農の課題解決をテーマに4つのプロジェクトチームに分かれ、目標設定やフィールドワークを通して学びを深めてきました。フィールドワーク受入先の方々と打ち合わせを重ね、その成果を発信するため「AGRI SUMMER FES」を開催しました。

私(井尻)の茶々丸班は、宇治茶の魅力や種類を知ってもらうことを目的に、お茶のアイスや雁金茶・煎茶・玄米茶の販売を行いました

ミー班は、高島市在原集落の魅力を知ってもらうことを目的に、福井朝登様のお米を使った玄米パスタの販売を行いました。

 とうふわふわ団は、豆腐やおからの魅力を伝えるため、京都とようけ屋山本様の豆腐関連製品、㈱カワニシ様が企画開発したおからを使った商品の販売を行いました。  

私(長田)が所属したベジモグ班は、規格外でも美味しい野菜の魅力を伝え、食品ロス削減に貢献することを目的に、しんやさい京都様の京野菜の販売と野菜塩の試食をしました。

規格外野菜は、形や大きさなどの理由から市場に出回りにくく、安値で販売される場合もありますが、廃棄されてしまう場合も多くあります。

そこで規格外となった京野菜を粉末状にして塩とブレンドした、野菜本来の色を生かしたカラフルな野菜塩を開発しました。

イベント当日は開発中の野菜塩の食べ比べと規格外野菜の詰め放題の販売イベントを企画しました。野菜はすべて完売し、野菜塩も多くの方に試食いただけました。

今回の試食でいただいた感想やアンケート結果を今後の商品開発に活かし、龍谷祭での販売を目指します。

また、当日は山口ゼミと経済学部の西川ゼミにもご参加いただけました。

山口ゼミは高島市今津町深清水で栽培したオリーブの葉を使ったオリーブ茶を試飲・販売しました。山口ゼミは、2018年以降8年間にわたって深清水と連携活動を続けているそうです。

西川ゼミは、高島市森西区のみなくちファーム様の圃場で田植えから稲刈りまでを体験 ・収穫した無農薬有機栽培のもち米を使った、学生オリジナルデザインのパックご飯を販売しました。食料農業システム実習(森西)に参加した農学部の学生も手伝いました。

西川ゼミの皆さんには当日の広報活動も金子ゼミの広報班としていいただき、より多くの方にイベントを楽しんでいただくことができました。

当日は用意した商品のほとんどを完売することができ、各ゼミの活動や商品を知っていただくことができました。

一方で、事前の広報や当日の運営には改善点も多くありました。今回の経験で得られた反省を今後の活動に活かし、より良いイベントづくりにつなげていきたいと考えています。

最後に商品をご購入いただいた皆様、ありがとうございました!

販売会の開催にあたり、ご協力いただいた企業・生産者の皆様、教務課の職員様、一緒にイベントを開催できた西川ゼミ、山口ゼミ、食料農業システム実習(森西)の皆さんに心より感謝申し上げます。(井尻・長田)

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学生達は商品の魅力を知ってもらうことの難しさや楽しさを学べる良い機会となりました。お世話になった皆様に、改めまして感謝申し上げます。(金子)

生命科学セミナー(第30回)

岡山大学資源植物科学研究所の坂本亘教授をお招きし、龍谷生命科学セミナー「植物の母性遺伝から考える葉緑体DNAの存在意義受け継ぐDNAと壊されるDNA―」を開催しました。



植物の細胞質には、光合成を行う葉緑体や、呼吸を担うミトコンドリアという細胞小器官(オルガネラ)が存在します。

これらは、はるか昔に別の生物だったバクテリアが細胞の中に取り込まれたことに由来すると考えられています。

そのため、葉緑体とミトコンドリアは、現在でも自分自身のDNAを持っています。

多くの植物では、これらオルガネラのDNAは、父親(花粉親)側からはほとんど伝わらず、母親側から子どもへ受け継がれます。

これを母性遺伝と言います。

一方で、被子植物の20%程度は葉緑体DNAが両性遺伝すると考えられています。

両性遺伝する植物では、花粉からも子孫へ葉緑体が伝わります。


坂本先生は、「葉緑体がどのように作られ、その働きをどのように保っているのか?」について、遺伝学や植物生理学、発生学といったさまざまな手法を用いて研究されています。

今回は、これまでの多岐にわたる研究成果の中から、「DPD1」という遺伝子を中心に講演していただきました。

DPD1には、花粉が成熟する過程で葉緑体DNAを分解する働きがあります。

DPD1によるDNA分解は、葉緑体DNAの「母性遺伝」を支える仕組みの一つと考えられています。

ところが、DPD1DNAを壊すのは花粉の中だけではありません。

古くなった葉でも、DPD1は葉緑体DNAを積極的に分解します。

DNAは、植物の生育に欠かせないリン(P)を構成成分として含んでいます。

坂本先生はこの点に着目し、「古くなった葉のDNAを分解することで、その中に含まれるリンを回収し、植物体内で再利用しているのではないか?」と考えられています。

一つの葉緑体には、葉緑体DNAが多数のコピーとして存在しています。

葉緑体DNAは、「遺伝情報を保存するもの」であるだけでなく、「Pを蓄えておく貯蔵庫」としての役割も持っているのかもしれない――DNAの新たな役割について考える、とてもエキサイティングなお話でした。


セミナーは、オルガネラの共生進化という基本的な話から始まりました。

オルガネラDNAがどのように発見され、そして、どのように遺伝するのかについてご説明下さり、一方で、その原則に当てはまらない事例も存在することが紹介されました。

そこから「では、植物は、どのような仕組みで母性遺伝を支えているのか?」という問いへとつながり、一連の研究のストーリーとして分かりやすく説明してくださいました。

研究成果だけでなく、研究テーマがどのように生まれ、次の研究へとつながっていくのかについても知ることのできる、大変興味深いセミナーとなりました。

坂本先生、ありがとうございました!





                                  辻村