課外活動プロジェクト 試作の様子

 毎年、どこかの企業とコラボし、課題を用意して、学生目線で何か開発する試みをしています。今年は、ダイズなどの植物材料をどう利用するか、という課題のようです。

課外活動の参加メンバーは所属学科にこだわることなく自発的に集まってチームを作ります。今年請われて指導することになったチームのメンバーに誘われ、試作途中の様子を見に行きました。瀬田キャンパス内にできたグローバルキッチンエリアで作業中でした。

いろいろな配合でダイズ由来の粉を小麦粉とを混ぜ合わせ、クッキー生地のように加工して、利用することを計画しているようです。





楽しく賑やかに活動しています。学内にこういう場所ができてよかった。自由度高くキッチンを利用できると、いろいろ作れますね。少しずつ工夫の具合を上げています。

12月中旬の発表会に向けて、ラストスパートです。頑張ってください!

(古本)


【植物生命・卒研紹介シリーズ2022】No. 4 情報生物学研究室

 【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます

 急速に秋が深まり、冬の始まりを感じる今日この頃、 植物生命科学科の各研究室では4回生が卒業研究の仕上げに向けて熱い日々を過ごしています。昨年度同様、今年度も各研究室の卒業研究の様子をリレー形式でお伝えしようと思います。植物生命の各研究室ではどんな研究をしているのでしょうか?

データから生命や農業の新たな知識を得る​

 情報生物学研究室(永野)では、たくさんのデータを実験で取得すること、そのデータを解析すること、に関わる研究を行っています。たくさんのデータを取得するための実験手法の研究も行っており、最近、環境DNA解析を効率化する手法を開発しました(Ushio et al., 2022, Environmental DNA)。その手法を活用して、今年度は農学部が実習を行っている牧農場で継続的に環境DNA解析を行う卒業研究を行っています。

 環境DNA解析は、池の水などにごく微量含まれているDNAを増幅して配列を解読することで、その池に生息する魚などを検出することができる方法です。卒業研究では、水田とその横の水路の水を田植えから毎週、継続的にサンプリングして、どのような生物が検出されるか調べています。これまで研究室で実績のある節足動物を対象にした方法を中心に取り組みつつ、新たに両生類の検出にもチャレンジしています。

田植え時に環境DNA解析のためのサンプリング方法の講習を受けているところ

 また、この卒業研究は「アグリDX人材育成事業(文部科学省:デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業)」の一環でもあります。今年度の卒研生による研究をもとに、より低年時の実習などに環境DNA解析を取り入れることも検討していく予定です。

(永野

【植物生命・卒研紹介シリーズ2022】No. 3 生命データ科学研究室

  【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます

 急速に秋が深まり、冬の始まりを感じる今日この頃、 植物生命科学科の各研究室では4回生が卒業研究の仕上げに向けて熱い日々を過ごしています。昨年度同様、今年度も各研究室の卒業研究の様子をリレー形式でお伝えしようと思います。植物生命の各研究室ではどんな研究をしているのでしょうか?

データから生命や農業の新たな知識を得る​

生命データ科学研究室(小野木)ではその名前の通り、「生命データ」から生命や農業の新たな知識を得ることを目的としています。「生命データ」といっても様々ですが、特に農畜産業に関わるデータを取り扱い、生産性の向上や品種改良に有用な知見を引き出すことを第一の目的として研究を行っています。


そのため卒業研究はプログラミングを利用したデータ解析が中心となります。後期のゼミではプログラミングとデータ解析方法を学ぶため、以下の本を輪読しています。

『Rで学ぶ統計的データ解析』林賢一・著 下平英寿・編(講談社)

本の中にはデータ解析手法を数学的に説明した「数理編」があり、皆さん四苦八苦している模様・・・。全ての数式を理解する必要はありませんが、少しでもそのエッセンスを感じ取れるように頑張ってほしいものです。


さて11月25日に日本動物遺伝育種学会の第23回大会がオンラインで開催され、4年生の小田さんと藤井さんが発表しました。

真剣な面持ちで学会に参加中

小田さんの演題名は「サラブレッドの競争能力に対する遺伝解析」、藤井さんは「黒毛和種肥育牛の行動に対する遺伝解析」で、いずれも品種改良つまり遺伝的な改良を目的とし、データから回帰分析を用いて競争能力や行動の遺伝学的知見を得ようとした研究です。初めての学会発表でしたが無事に終えることができました。お疲れ様でした!

(小野木


近畿大・摂南大との交流ゼミ

2022年11月5日(土)、食料農業システム学科竹歳ゼミ(3回生)は、近畿大学総合社会学部藤田ゼミ、摂南大学農学部浦出ゼミとの交流ゼミに参加しました。会場は、近畿大学東大阪キャンパスで、この交流ゼミを始めてから初の対面実施となりました。

交流ゼミでは、最初に各ゼミや学部の紹介をした後、グループ研究の成果を報告し、他大学のゼミ生から質問を受けるという形で進みました。竹歳ゼミからは「2つの企業から見る地域活性化」「京丹後の観光客を増やすには」「再生可能エネルギーを使った地域活性化」「富山県宇奈月温泉における観光資源と自然エネルギーの活用について」の4報告がありました。




各ゼミのグループ研究のテーマは、地域、環境、食、農など少しずつ共通点がありながら、少しずつ異なる視点もあり、また他大学生の前で発表する緊張感もあって、参加者には大いに刺激になったようです。報告終了後は、3つのゼミ生が混ざる形で懇談の時間を持ちました。

次年度も、同様の形で交流ゼミを計画しています。(竹歳)


【生命科学科・授業シリーズ】No.10 「食と農の倫理」

 【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】

大学ではどんな学びがあるんでしょうか?このブログでは、毎週、最も大学らしい授業である実習(実験)について紹介してきています。それ以外に、座学でもたくさんの大学ならではの専門的な授業があります。そんな中から、受験生の方々向けに生命科学科の教員が担当する授業を一つ一つ紹介していきます!(今回は学科教員が担当する農学部全学科共通授業の紹介です。)

 「食と農の倫理」は農学部1回生が前期(4~8月)に全員受講する必修講義です。僕(打本)はこの講義のコーディネーターと講師を務めています。この「食と農の倫理」は、2つの特徴があります。
 1つは農学×仏教。「飢餓と飽食」「環境問題と農業」「食と安全」「遺伝子組み換えと農業」のそれぞれテーマに対して、農学部各学科から農学を専門とする先生と、仏教を専門とする僕や法学部の僧侶の先生とが代わる代わる講義するチェーンレクチャーであること。テーマは決まっていますが、講義内容に各先生の専門性や個性が出てきてとても面白いです。
 もう1つはPCで受講するオンデマンド講義、対面講義を組み合わせた「ローテーション型」であること。各テーマについて農学と仏教の先生がオンデマンド教材を配信していきます。自宅や大学内(他キャンパスでも)から繰り返し視聴できるオンデマンド講義は学生さんからも好評です。オンデマンド講義の視聴後、講義についてのミニレポートと質問やコメントをオンラインで提出します。学生さんからの質問やコメントを、対面講義の回で2人の先生がそれぞれの立場から取り上げて補足や回答をしていきます。もっとも盛り上がるのはその後の教員同士のディスカッション!

【写真上左:打本弘祐(植物生命科学科)、写真上右:落合雪野先生(食料農業システム学科)、写真下左:山崎正幸先生(食品栄養学科)、写真下右:井上善幸先生(法学部)

テーマを担当した2人、時にはコーディネーターの僕も入って3人の先生は、同じテーマでも共通した「答え」を持っているわけではありません。時に「私は○○先生と違ってこう思っているんです」という先生同士のやりとりが展開されます。実は、この講義を担当する教員が考えている倫理は、互いに違うところもあるのです。そして、先生の考えている倫理が受講生にとって必ずしも「正解」になる訳ではないのです。

「食と農の倫理」のディスカッションは、教員の考えはもちろんその違いを知り、「対話」を通じて議論している姿、時にお互いが悩みながらも倫理について考え続けている雰囲気、その様子をまるごと対面講義で味わってもらうのが醍醐味です。繰り返し視聴できるオンデマンド講義と対面講義のディスカッションまでのやりとり全体が、皆さんの倫理を考える「素材」になるのです。

写真上左:三浦励一先生(資源生物科学科)、写真上右:本多真先生(非常勤講師)、写真下左:打本(植物生命科学科)、写真下右:古本強先生(植物生命科学科)

こんな風に紹介すると『高校の倫理の授業とは違いすぎる』『とても難しそう、、、』『ついていけるかな』と、すこし身構えてしまうかも知れませんね。でも、大丈夫です!

初回の講義は対面でオンデマンド講義の受講方法やレスポンの使い方を、実際に操作しながら始まります。毎回のオンデマンド講義では、テーマにそった「動植物」「食べ物」「食事風景」「自然」の写真も多く、「マンガ」や「映画」(皆さんもきっと見たことがあるあのジブリアニメも!)が倫理を考える「素材」として登場します。1回生の皆さんのために、レポートの書き方のポイントやおすすめの本や論文も紹介されます。 

2023年度はどんな「素材」が登場するのでしょう? 僕も今から楽しみにしています!


みなさんが受講してくれる日が来るのを待っています!!


(打本)

【生命科学科・授業シリーズ】No.9 「遺伝学II」

【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】

大学ではどんな学びがあるんでしょうか?このブログでは、毎週、最も大学らしい授業である実習(実験)について紹介してきています。それ以外に、座学でもたくさんの大学ならではの専門的な授業があります。そんな中から、受験生の方々向けに生命科学科の教員が担当する授業を一つ一つ紹介していきます!


「遺伝学Ⅱ」は主に3回生が受講する講義です。遺伝学の基礎を広く学ぶ「遺伝学Ⅰ」に対して、「遺伝学Ⅱ」では「量的遺伝学(quantitative genetics)」と呼ばれる遺伝学の特定分野を深く学びます。「量的遺伝学」とはどのような分野か紹介します。


人の顔や性格、体形、病気の傾向などは、個人により少しずつ異なり、エンドウマメの種子の形のように「丸かしわ」といったカテゴリに大別されるものではありません。このような生物の性質のことを量的形質と呼びます。


量的形質も遺伝します。親子や姉妹・兄弟で顔や体形が似ることは、誰もが経験していることでしょう。そして面白いことによく似た姉妹・兄弟がいれば、あまり似ていない姉妹・兄弟もいます。エンドウマメの種子のように「丸かしわ」であれば、1つの遺伝子の顕性対立遺伝子と潜性対立遺伝子の分離によって遺伝が説明できます。では「似ている」や「似たり似なかったりする」現象は、どのように遺伝子と結びついているのでしょうか。


その答えは・・・講義を受けると明かされます。ここでは伏せておきましょう。

講義のスライド:ここにその秘密が書かれています


量的形質の遺伝メカニズムを学問するのが量的遺伝学なのですが、なぜ量的遺伝学を農学部で教えるのでしょうか。それは量的遺伝学が品種改良と密接に関連しているからです。人の顔や体形同様に、作物の収量や草型、ストレス耐性なども量的形質です。品種改良とは遺伝的な改良のことなので、量的形質の遺伝メカニズム、すなわち量的遺伝学の知識が品種改良に必須になります。


量的遺伝学は統計学と関連が深いこともあり、高校の教科書には出てきません。また教えられる教員は限られており、学べる大学も少ないです。もし農学部に入学したら、是非この貴重な機会を逃さないことをお薦めします。


みなさんが受講してくれる日が来るのを待っています!!


(小野木)

農学科(2023年4月より資源生物科学科から名称変更)を志望する皆さんへ㉖ ~木のカタチの話~


 下に示す3枚の写真はいずれもクスノキです。記念植樹された木であったり、神社の依り代的存在だったりで、まわりの競争相手が人為的に取り除かれ、のびのびと育っています。いずれも立派な立ち姿ですね。

 さて、この3つの写真のクスノキのうち、1つだけ他の2つと大きく違っているものがあると言ったら、どれが違っていると思いますか?





「いちばん下の写真は、逆光で下手くそです」

あ~ それは確かにその通りですが、でもここで回答してもらいたいのはそうではなくて…


 実は、一番下のクスノキは、1樹に見えますが、同じ時期にまかれた種子から生えた7樹の集合体なのです。7本の樹なのに、まるで1本であるかのような樹姿ですよね。
 日当たりの関係でこのような樹姿になるんでしょ、とも言えそうですが、そうであれば、周囲の株は中心の株に比べて日当たりがいいはずでもっと太く大きく育ち、中心の株は兄弟たちの作る日陰の影響でもっと弱弱しくなってもいいはずです。このように集団として協調しているような樹姿になるのは、同種同士であることを認識しあって無駄なケンカはしない(普通、植物は日光や養水分を奪い合って闘います)とか、相談して空間を分け合うとか、個体同士のコミュニケーションがあるのでは?(直接触れ合ったりはしていないのに)と考えたくなります。

 最近、植物が揮発性の活性物質を使って集団コミュニケーションしている事実が明らかになりつつあり、さらには敵味方を認識して味方同士はケンカしないという事例が、少数ですがあがってきています。もし植物がそのような認知行動を取っているとすれば、これまで私たちが考えに入れていなかったような知性が植物に備わっていることになりますね。21世紀の植物学・農学には、まだまだ解かねばならない謎が多く残っている、それはイコール、未開の夢の領域がはてしなく広がっているということでもあります。

尾形 凡生(果樹園芸学)


卸売市場の果たす役割(食料流通システム論)

2022年11月10日、食料農業システム学科2回生以上向けの応用選択科目「食料流通システム論」で外部講師としてキャンパスのお隣にある大津市公設地方卸売市場から中井浩二先生(滋賀びわ湖青果株式会社代表取締役社長)をお招きして、青果物の卸売市場流通などについてご講演いただきました。

 
中井浩二先生

中井先生には、例年食の循環実習でも青果物の卸売市場流通についてご講演いただいています(2017年2018年2019年の様子)。新型コロナ感染症の影響で対面でご講演いただくのは実に3年ぶりの機会でした。

2・3回生の受講生は、1回生のときにオンライン授業で学んだ卸売市場の機能について改めて確認しつつ、現場での卸売業者・仲卸業者の仕事が川上・川下の変化にともなってどう変化してきているのか、より詳細なお話を聞くことができました。

ご講演の後半では、りんご農家の1年やスーパーマーケットの陳列に隠されたさまざまな心理的効果についてもお話しいただき、受講生は大いに興味・関心を惹かれた様子でした。以下受講生の感想をいくつか掲載します。

「卸売市場で扱う商品は生鮮品であるという特徴をもつため、商品の量が天候に左右される、一定時間に荷役が集中する、機械作業には限界があり人による作業が中心となる点などシステムに弱点は多くあるということに改めて気がついた。」

「卸売市場で需要に合った正確な選別がなされているからこそ、海外でも受け入れられる品が提供できるのではないだろうか。」


学生は、熱心にメモをとりながら受講していました

受講生にとって、 フードシステムにおける物流・商流・情報流について考える良い機会になったと思います。中井先生、お忙しいなか時間いっぱいまでご講演いただき、ありがとうございました!(山口)


【植物生命・卒研紹介シリーズ2022】No. 2 植物遺伝学研究室


 【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます

 急速に秋が深まり、冬の始まりを感じる今日この頃、 植物生命科学科の各研究室では4回生が卒業研究の仕上げに向けて熱い日々を過ごしています。昨年度同様、今年度も各研究室の卒業研究の様子をリレー形式でお伝えしようと思います。植物生命の各研究室ではどんな研究をしているのでしょうか?

コムギ遺伝資源の有効利用​

植物遺伝学研究室(竹中)では、主にコムギを研究材料として研究に取り組んでいます(コムギ以外の植物を扱いたい学生も大歓迎です)。研究テーマは学生の希望によりますが,今年度の4年生は圃場での比較栽培を希望する学生が多いです。

今年度から日本の在来コムギ(交配による近代育種が始まる前に栽培されていたコムギ)の比較栽培と形質調査を行っています。今年は比較対象も含め,約270系統のコムギを牧圃場で栽培していました。コムギが穂を出す4~5月は,毎日休まず圃場で調査を行わなくてはいけません。さすがに毎日の調査となると一人では難しいので,調査はチームで行います。

毎日コムギを見ていると,だんだんと系統間の違いに気づけるようになってきます。気づきの中から新しく,自分だけの研究課題を見つけ出してくる学生もいます。

写真は収穫したコムギの草丈の測定と穂の回収の様子です。回収した穂は室内で長さや小穂の数を調べてから脱穀して,種子の重さや形も調査します。栽培や調査はチームで協力し,取得したデータは各自で解析を進めます。

実験室内での研究に取り組んでいる学生ももちろんいます。コムギで遺伝子組換えを行うためには①未成熟の胚を脱分化させてカルスの形成,②カルスで形質転換,③カルスを脱分化させて植物体を再生の3段階の作業が必要です。そのため,満足に遺伝子組換えを行えるコムギ品種は限られています。今年はこれまでに報告のない複数の系統を対象に,①未成熟胚からのカルス形成,③カルスを脱分化させて植物体の再生にチャレンジしました。

左上の写真は未熟種子から胚をとりだしているところ。下の写真はカルス。左上の写真はカルスから脱分化で再生させたコムギ。予想以上の結果で,しっかりと穂がついて次世代も採種できました。
 


 


4年生が卒業研究の仕上げに向かうこの時期は,来年の栽培準備に追われる時期でもあります。今年も農場の技術専門助手の先生方にお世話になりつつも,自分たちでできることは自分たちで行います。


 写真は牧圃場のビニルハウス内に畝をつくっている様子です。今年は3年生,4年生だけでなく,大学院生も手伝ってくれました!院生は食の循環実習でTA(Teaching Assistant)として鍛え上げられだけあって,後輩たちに指示を出しながら手際よくきれいな畝を仕立てています。

(竹中)


食料農業システム学科:丹波篠山市で黒豆の収穫実習

中川ゼミの3年生3名が、10月19日に丹波篠山市にて、学外実習を行いました。

今回は、6月に実施した苗の定植の「成果」を見て、感じる機会ともなりました。以下、参加学生からのレポートです。


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今回は二つの作業を実施しました。

一つ目は、黒枝豆の収穫(引き抜き・脱莢・選別)です。


軽トラの荷台に積み込んでいます


選別していきます

動力脱莢機を使用してさやと枝を分離させる工程は、35×4回分を4人で分担しました。これを普段全部1人で行なっているとのことで、その作業の大変さが想像できました。


次に、近隣の黒枝豆畑に出かけ、コンバインによる収穫作業を見学させていただきました。

機械とは言え、人の手と目が必要です


共同作業の様子


手作業に比べ作業時間はかなり短いものの、茎が一般的なものより倍以上太い「丹波の黒豆」だからか、収穫し損ねた株も見られ、ロスの多さを感じました。中〜大規模で速さを重視する場合は、コンバインの使用が向いているかもしれませんが、1株でも無駄に出来ない小規模農家にとってコンバインでの作業は実は適していないことを教えてもらえました。

また、地域や品種によって機械の形状を変える必要があると想像すると、それも農業機械の高さや導入の難しさにつながっていると感じました。



最後に落花生の収穫を行わせていただき、お土産としていただきました。



収穫した落花生


中岡さんとの記念撮影

中川ゼミの篠山実習では毎回、村雲地区を拠点とするSATORU FARMの中岡聖さんにご協力いただいています。中岡さん、いつもありがとうございます。(中川)

農学科(2023年4月「資源生物科学科」から名称変更)を志望する皆さんへ㉕ 〜琵琶湖のクラゲ?〜

私たちは、消えゆく食文化を復活させて地域が元気になるお手伝いをしています。その一つが滋賀県の伊吹山麓で食べられていた「姉川クラゲ」の復活です。琵琶湖にクラゲがいたの?と驚かれたかもしれませんが、海に浮かぶクラゲではなく、クラゲのような雰囲気の陸に生育するラン藻類の一種で、一般には「イシクラゲ」と呼ばれる生物です。おそらく、皆さんも、校庭の隅や公園など、どこかで目にしているのではないでしょうか?雨になると突然現れ、不気味な形や触感から嫌われれることが多いですが、それが一部の地域では食べられていたのです。

伊吹山麓に自生する姉川クラゲ

イシクラゲは水だけで育ちますし、体にいい成分も多く含まれていることがわかってます。イシクラゲを衛生的に安定して栽培することができれば、独特の風味、食感を持った機能性食品として広まり、地域の活性化につながると考えています。

そこで、私たちは、イシクラゲの生育に適した環境条件を明らかにし、それを人工的に再現することによって栽培方法の確立に挑戦しています。不思議な生物イシクラゲ…私たちと一緒に研究してみませんか?


栽培中のイシクラゲ 

(植物栄養学研究室:玉井)

今夜(11月11日)の深夜ラジオの宣伝

塩尻が、今夜の「ラジオ深夜便」にでます。 内容は、植物間コミュニケーションの話です。 上手く話せているか、なんかいらんこと言ってたんじゃないかと、ちょっと心配ですが、深夜まで起きていらっしゃったらラジオをきいてみてください。 

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 (1) 番組「ラジオ深夜便~人ありて・街は生き」 コーナー・タイトル「香りでコミュニケーション、植物のしたたかな戦略」 
 (2)放送日時:2022年11月12日(土)午前1時05分~ ラジオ第一、FM、国際放送、らじるらじる、ラジコ同時。 ※生活実感では11/11(金)の夜25:05~ 
 (3)「聞き逃しサービス」:放送後、午前2時すぎから1週間、 「ラジオ深夜便」ホームページと大阪放送局・深夜便ブログに音声をアップします。
 (4)放送日時は変更になることがあります。 
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 (塩尻)

【生命科学科・授業シリーズ】No.8 「英語総合2」

     【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】

大学ではどんな学びがあるんでしょうか?このブログでは、毎週、最も大学らしい授業である実習(実験)について紹介してきています。それ以外に、座学でもたくさんの大学ならではの専門的な授業があります。そんな中から、受験生の方々向けに生命科学科の教員が担当する授業を一つ一つ紹介していきます!


「英語総合2」は1回生が後期に受講する必修英語の授業です。「英語総合」には1~4まであり(1と2はさらに(A)と(B)に分かれます)、「必修」という名の通り、卒業のために必ず履修しなければいけない授業となります。生命科学科の学生は、入学前に行うプレイスメントテストの結果にしたがって、農学科の学生と一緒に受講します。

今回このブログを書くにあたって「英語総合2」の受講生にこの授業についてどう思うかアンケートをとってみたので(ただし、「高校生が読むものなので良いことだけ書いてね」というずるいアンケートです)、受講生の生の声とともにご紹介します。 

今年度の「英語総合2」では、『Score Booster for The TOEIC L&R Test Pre- Intermediate』という教科書を使用しています。TOEICと聞いてビジネス英語が中心で難しそうだなと感じられた方もおられるかも知れませんが、内容はそれほどビジネスに偏ったものではなく、日常においてもよく用いられる会話やメール、チャットを学ぶことができます。TOEIC形式の問題をたくさん解くことで、受講生からは「TOEIC対策になる」、「日常で使える英会話や英単語をたくさん学ぶことができる」、「速い英語の音声に少し耳が慣れてきた」といった嬉しい感想をいただきました。

こちらの教科書を選んだのには、もうひとつ理由があります。それは今年度から農学部でTOEIC IPテストの受験料を全額補助し、学修サポートを行うというプロジェクトを開始したからです。TOEICの勉強を通して英語力を身につけてもらう良い機会と考えました。今月23日には2回目の農学部TOEIC IPテストが行われます。もう間もなくですので、今が正念場とテストに向け皆一生懸命頑張っています。

教科書の他には、英語多読を行っています(多読はすべての「英語総合」クラスで行っているわけではありませんが、瀬田図書館にはたくさん英語多読図書があります)。多読というのは辞書を使わず、知らない単語は文脈から推測しながら、とにかくたくさんの英語の本を読むという勉強法です。現在はXreadingというオンライン・ライブラリーを用いて多読を行っており、このライブラリーに収められた1000冊以上の英語図書から自分の興味・関心にしたがって読みたい本を選ぶことができます。オンラインなので、授業内に限らず自宅でも通学中の電車の中でも読むことができます。多読は楽しく読書をしているうちに自然と語彙が増え、読むスピードが上がり、アウトプットのための下地を作る良い訓練となります。 

「英語総合」の担当者として私がもっとも心がけているのは、明るく楽しい環境作りです。自分の英語力に自信がない、人前で英語を話すのが恥ずかしいという学生さんも少なくありません。なので、仲の良い友達とペアワークで発語・発話練習をしたり、少し難しい問題に取り組む際にはグループワークで確認し合った上で答えてもらったり、心的負担が少しでも軽減するよう工夫しています。その効果か今年度はとても賑やかなクラスとなりました。「雰囲気が明るく楽しい講義です」「発言しやすい」「質問をしやすい」とアンケートに書いてくれた受講生が多く、こちらも嬉しくなりました。授業を作るのは教員だけではなく学生たちだなとつくづく思います。




授業後に写真を撮らせてもらいました。カメラを向けると皆下を向いてしまい、全然「明るく楽しい雰囲気」ではない写真になりました…。



良いことばかり書きましたが、「毎週課題があるため、忙しい大学生活では少し荷が重いところもある」という受講生からの率直な意見もありました。もちろん毎週課題は出しますよ~。楽しくても楽ではない。そこは堪えて、自分の未来のために一緒に頑張りましょう!


みなさんが受講してくれる日が来るのを待っています!!


(垣口)

【植物生命・卒研紹介シリーズ2022】No. 1 微生物科学研究室

【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます

 急速に秋が深まり、冬の始まりを感じる今日この頃、 植物生命科学科の各研究室では4回生が卒業研究の仕上げに向けて熱い日々を過ごしています。昨年度同様、今年度も各研究室の卒業研究の様子をリレー形式でお伝えしようと思います。植物生命の各研究室ではどんな研究をしているのでしょうか?

 それぞれで考え進める卒業研究

 微生物科学研究室(島)では、原則的に一人一テーマで行っています。また、学生が希望する研究内容に出来るだけ合わせるようにしているため、卒業研究のテーマは極めて多彩です。卒業研究を行う学生には、それぞれに自分で研究の方向性や方法などを考えてもらい、自主的に研究を進めてもらうようにしています。自主的に研究を進めるのは大変なのですが、そのぶん、うまくいった時の喜びも大きいように思います。

 私たちの研究テーマはいずれも微生物が関わるものですが、大きく分けて三つの流れがあります。一つ目は、発酵食品製造や酒類醸造に関する研究テーマです。これらの研究テーマを希望する卒論生が最も多いように思います。例をあげると、写真で示したチーズを作るのに用いる凝乳酵素の研究などになります(左の試験管ではチーズができておらず、右側の試験管ではチーズができはじめています)。二つ目は、低炭素・持続的社会に役立つ有用物質生産などに関する研究です。化成品原料や燃料として用いられる油脂の生産研究が主なものです。三つ目は、ここまで述べた二つの研究を支える基盤的な研究です。微生物の探索や多様性に関する研究、ゲノム・遺伝子機能の解析などが挙げられます。




 各々が実際に行う研究テーマは様々ですが、ゼミの時間などを利用して情報は共有されていきますから、総合的に多くのことを学べると思います。
 最初のうちは、研究はうまくいかないことばっかりになるのが普通かなと思いますが、めげずに続けていくことで、「研究は楽しい!」と思ってもらいたいと考えています。(島)





資源生物科学科(2023年度から農学科)を志望する皆さんへ㉔ ~イチゴの育種を始めました~

もうすぐイチゴの季節がやってきます。スーパーの店頭でお気に入りの品種を選ぶのも楽しみですね。このイチゴ、以前は店頭に並んでいる品種は少なかったですが、今では各地域のブランド品種をたくさん見かけるようになりました。イチゴは主に都道府県の研究機関で育成されており、ブランド化して販売されています。最近は種苗会社の品種も増えており、ホームセンターなどで苗が販売されているのを見かけるようになりました。

大学が育成したイチゴの品種は珍しいですが、今年から当研究室ではイチゴの育種も始めています。今は規模も小さく、交配の組合せも限られていますが、取り寄せた品種同士を交配し、種子を採り、苗を育てています。現在は、その育った苗から目的の特性を持つものを選ぶ、選抜作業にとりかかっています。目指すは、病気に強く、おいしい品種。地道な作業で試行錯誤の毎日ですが、数年後のお気に入りの新品種を夢見て、学生といっしょに取り組んでいます。

           交配したイチゴ苗 
  
           イチゴ収穫の様子(今年3月)

(植物病理学研究室:平山)

 

 

 

付属平安高校「学びの発見プロジェクトI」

 2022年11月1日、龍谷大学付属平安高校の1年生をキャンパスに迎えて、「学びの発見プロジェクトI」が実施されました。このプログラムは高大接続の一環で、今回は文理選択前の1年生を対象に大学での学びやキャリア形成について紹介するといった内容でした。


農学部からは、食料農業システム学科の模擬講義(「食品ロスとフードシステム」)を提供したほか、卒業生との交流会に4回生の今村くんが参加してくれました。

模擬講義の様子

模擬講義では、フードシステムを構成するそれぞれの立場から、「よかれ」と思って行動した結果が食品ロスにつながってしまうケースを紹介しました。講義終了後には質問に来てくれた人もいて、私の話に興味を持ってくれた様子でした。

今村くんが卒論調査について話してくれているところです

食料農業システム学科4回生(嶋田ゼミ)の今村くんは、自分が平安高校時代に理系を選択したいきさつや、現在進めている卒業研究の調査内容について紹介してくれました。徳島県の上勝町で取り組まれているゼロ・ウェイスト政策について、実際にゼロ・ウェイストセンターに宿泊した際の体験を写真を交えて話してくれたのですが、これがとても面白く、後輩からも質問が出ていました。


今回取り上げたトピックス以外にも、食と農に関わる環境負荷を持続可能な形にコントロールしようとする取り組みはたくさんあります。龍谷大学農学部食料農業システム学科では、2023年度から食料農業システムSDGsプログラムをスタートさせ、講義だけでなく現場での実習を通してそうした取り組みについて学んでいきます。


参加してくれた生徒は1年生ということで、高校生活もまだまだこれからといった感じかと思います。彼ら・彼女らにとってこの日の話が将来を考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。(山口)

【生命科学科・授業シリーズ】No.7 「昆虫学II」

     【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】

大学ではどんな学びがあるんでしょうか?このブログでは、毎週、最も大学らしい授業である実習(実験)について紹介してきています。それ以外に、座学でもたくさんの大学ならではの専門的な授業があります。そんな中から、受験生の方々向けに生命科学科の教員が担当する授業を一つ一つ紹介していきます!


「昆虫学II」は主に3回生が受講する講義です。昆虫というと皆さんはどんなイメージをもっていますか?私自身は、「なんで急にでてくんのん?そこはアンタの場所ちゃうねん」って突っ込みたくなるようなもの(ちょっと前まではワモンゴキブリで、秋から冬になる前まではマルカメムシですね)は、嫌いです。

が、でも、彼らの姿形や色使い、さらには行動について、よく見てみたり、なんでなん?って考えると、相当な意味があります。それを知り、『なるほど。だから、あんたはここにいるのか。』『だから、こんな奇妙な形しとんのやな』って納得するときがとても楽しい瞬間です。そして、それを、皆さんとも共有したいとおもって、昆虫学Ⅱの講義をしています。

主に講義の前半で、その回のテーマを説明し、具体的な話をしていきます。そして後半にはテーマを与えて、個人やグループで考えてもらったり、ネットで調べてもらったりします。そして、運の良い人(たぶん)が急にあてられて黒板に書いてもらったり、話してもらったり、時間がないときはメモで提出してもらっています。また、昆虫は映像で見てもらった方が迫力があったり、実際の綺麗さ、面白さがわかるので、ビデオをみることもよくあります。





そうすることで、身近な昆虫に対しても、鬱陶しいなあっておもうのではなく、「あ、この虫も実はこういうことをしたいがために、こうしてるのか」とか、「そういえば、この虫、この色形をしてるなあ」とかっていう発見になったり、『お前も頑張っとるなあ』と愛しく思えるようになるのではと期待しています。

みなさんが受講してくれる日が来るのを待っています!!


(塩尻)

撮影協力した番組がNHKスペシャルとして放送決定!

 この3月に当学科の別役・塩尻で某テレビ局の番組制作に協力したとのブログを掲載しました。

この内容が組み込まれた番組がとうとう完成し、以下のように放送されます。


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NHKスペシャル 

シリーズ 超・進化論
第1集

植物からのメッセージ ~地球を彩る驚異の世界~
放送予定 11月6日(日)後9:00~9:49 総合波

NHK社_NHKスペシャルHP

NHK社_企画紹介ニュース

NHK社_番組特集HP

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なんとNHKスペシャル枠です!

 

別役・塩尻は登場しませんが、両者のコラボにより得られた動画が登場します。植物が周りのストレスに対してどのように対抗しつつ生きているのか?ぜひ番組を通して、植物の生き様に触れてください!


(別役)