岡田清孝先生・中村千春先生の最終講義

 植物生命科学科の岡田清孝先生と中村千春先生の最終講義が、1月15日に行われました。
 まず、岡田先生から「君は植物の命の中に何を見つけるか」というテーマでお話を頂きました。植物における分子生物学を常にリードされてきた先生の精緻な研究をご紹介頂きました。また、卒業する学生や在学生に向けて、素晴らしい励ましのメッセージを頂きました。
 次に、中村先生から「龍谷大学農学部でやってきた研究」というテーマでお話を頂きました。先生が本学に赴任なさってから始められた研究を中心にご紹介頂きました。研究室の学生とともに取り組まれた成果をお聞きして、先生の研究への情熱が強く感じられました。
 岡田先生・中村先生からご指導を頂く機会が、極めて貴重なものであったのだと改めて強く感じました。本当に有り難うございました。(島)




愛東での活動がJSTのジャーナルで紹介されました

東近江市愛東での農業体験やイベントサポートなどの活動が、国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)の『産学官連携ジャーナル』に掲載されました。
2019年1月号の「龍谷大学と地域が深く結び付いている理由」という記事です。

https://sangakukan.jst.go.jp/journal/ (産学官連携やジャーナルのページ)

https://sangakukan.jst.go.jp/journal/journal_contents/2019/01/articles/1901-03/1901-03_article.html
(紹介記事)

取材の申し込みがあったときに、ちょうど「0円ピザ」を予定していたので、愛東に来ていただきました。編集長自ら足を運んでくださり、半日行動をともにしてピザも堪能していただきました。
取材後に「国立大学では硬めのパターンが出来上がっており、私大が進める手法にもっとフォーカスしたいと思いました」というコメントもいただいております。
愛東での活動をさらに盛り上げていきたいと思います。(淡路)

表紙https://sangakukan.jst.go.jp/journal/journal_contents/2019/01/cover/1901-all.pdf  













京都府農林センターを見学しました


122日(火)午後、樋口研究室、ウェンダコーン先生の研究室の3年生と有志で、京都府農林水産技術センター農林センター(京都府亀岡市)を見学してきました。

まず、病害虫担当の研究員の方に、昆虫飼育室を案内してもらい、野菜を加害するハモグリバエ、コナジラミなど微小昆虫について、その生態や飼育法などの説明をしていただきました。

続いて、府職員になって2年目の研究員2名の方々にも参加してもらい、学生達と懇談の場を設けていただきました。

学生達の色々な質問(京都で問題となる病害虫、京野菜のブランド化、京都の文化と農業の関係、大学時代の研究、府職員となったキッカケなど)にも丁寧に答えていただき、大変実りある時間を過ごすことができました。お世話になった方々に感謝申し上げます。(樋口)

水俣ツアー

1月12~13日に、坂梨ゼミ3回生が熊本水俣に。
初日は水俣市立水俣病資料館で歴史を学び、
語り部から当時の話を聞きました。


2日目は、水俣の山に登り、無農薬・無肥料の茶畑を見学し、
さまざまな種類のお茶をいろいろな淹れ方で堪能しました。
また、無農薬野菜を扱う八百屋さんの話も聞ききました。





食で水俣を盛り上げようとする方々の熱意に圧倒されましたが、
こちらからも色々と質問が出てよかったです。
これからの卒業研究、または就職活動にむけて、何かしらのヒントを得た実習になったはずです。

水俣の皆様、どうもありがとうございました。



坂梨

つぎの12月末に深草で学会を開催します

 生物の温度感受に関する研究会「Biothermology研究会」を立ち上げ、これまで3回ワークショップを開催してきました。
 岡崎の基礎生物学研究所や東京大学での開催についで、2019年は12月26ー27日に、龍谷大学深草学舎 和顔館にて、開催します。
https://sites.google.com/view/biothermology-workshop/home
(古本)

資源生物科学科 猪谷先生最終講義

1月21日(月)午後、資源生物科学科・猪谷富雄先生の最終講義「植物を知り、植物に学ぶ」が開かれました。ご専門のイネ(コメ)だけでなく雑草にも深い愛着を注がれる姿勢に、私だけでなくほぼ満員の聴衆は感銘を覚えたと思います。


猪谷先生は農学部が開設される1年前の20144月に龍谷大学に赴任されました。いうまでもなく、「食の循環実習」は農学部の教育の柱になる最重要科目ですが、先生には実習のプラニングから実施に至るまで常に中心となって準備をしていただき、おかげさまでしっかりと軌道に乗せることができました。

また20169月には日本作物学会第242回講演会という、龍谷大学農学部で初めて開かれる全国大会を運営委員長として采配され、参加者数が予想をはるかに上回って見事な成功に導かれました。

このように大きな足跡を残された先生ですが、幸いなことに、これからもキャンパスでお目にかかるチャンスがありそうです。今後は執筆活動に力点を移されるようですが、調べ物等で図書館へはよく来られる予定だとか。皆さん、先生をお見かけしたら気軽に声をかけましょう。猪谷先生、お疲れさまでした。(畑、樋口)


学科キャリアイベントを開催しました

食料農業システム学科では、3回生の就職活動本格化に向けて、4回生が先輩として相談にのろうという企画(キャリアイベント)を去る1月16日(水)の3講時と4講時に開催しました。





1期生(4回生)は先輩がまったくいない中、自力で工夫しながら就職活動を行い、一定の高い成果を出したように思われます。内定保有率、進路決定率とも農学部は龍大の中で最も高い数字を示しており、就職先も他学部に比べて見劣りするものではありません。

2期生(3回生)からは「先輩の経験を通した意見をいろいろ聞きたいし、多くの職種ごとについても話を聞きたい」という意見がこれまでも数多く寄せられていました。

そこで、4回生の中から有志を募り、多様な職種の就職に関する相談イベントのようなものを実施した次第です。

当日は、4号館3階の演習室を使い、「食品商社の間」「小売業の間」「農産物卸業の間」「物流業者の間」「農業関連資材(農機)の間」「食品メーカーの間」「金融の間」「JAの間」「外食産業の間」「その他の間」「公務員の間」という10分野ごとに3回生が話を聞いて回るという形式をとりました。フランクに質問を行うことから、就活への疑問や不安を解消してもらえる数多くのコメントをもらえたことと思います。

真剣な表情で先輩の話を聞く3回生

通常、ゼミごとには、いらなくなった就活関係の本を譲り受けたり、話をしたりといった4回生との交流はあるかと思いますが、学科全体でしかも就職分野ごとにという意味ではかなり珍しい企画だったかと思います。

水曜日の3~4講時というのは講義出席の関係から、興味をあるので話は聞きたいけれど出席できないという3回生の声も聞きましたが、まずは可能な範囲でという形で実施したという事情があります。ということで、特に3講時は参加者が少なく、少々不安に感じていましたが、4講時になると数多くの3回生が会場を回っている様子を目にいたしました。

特徴的なことは、女子学生の参加が目立ち、積極的に質問を行っていることが印象的でした。男子学生も多く参加しているのですが、少し気を使いながら、引き気味にという人が多かったように感じました。




少しでも将来への不安を解消して、自信をもって自分の進路の方向を考えられるキッカケとなってくれたらと思っています。

最後に、協力してくれた4回生の皆さん、卒論作成・卒論報告会の準備で忙しい中、長時間協力してくれて本当にありがとうございました。(宇山)

資源生物科学科 ゼミ紹介・交流会


資源生物科学科は、116日(水)2講時「基礎演習」で、2年生、34年生、教員の交流会を行いました。
2年生は、新年度になれば卒論研究を行う研究室を決める必要があります。本学科の研究分野は多岐にわたるため、2年生が34年生や教員に、研究室の様子や研究内容を聞く場を設けています。
どこの研究室でどのような研究課題に取り組みたいかがはっきりとは決まっていない、あるいは分からない人がほとんどだと思いますが、上級生の話を熱心に聞き、色々質問をしていました。所属研究室を決める良い機会になったようです。
(樋口、佐々木、柿本カメラマン)


畑学科長のおはなし
熱心に聞き入っています

左上プレートのクオリティ!

並々ならぬ昆虫愛を感じます

ひょっとして新種ですか?カワイイ

講演会を開催しました

1月15日(火)の「国際農村発展論」(竹歳担当)では、「ドイツに学ぶ持続可能な農業と村づくり」をテーマに講演会を開催しました。講師の池田憲昭先生は、ドイツの大学を卒業後、ドイツに在住しながら、環境問題や農林業に関するセミナーやコンサルティングなどを日本に向けて行っている方です。

講演では、ドイツの農村での自然エネルギーの利活用の様子や、農業の実状、農村ツーリズムの取り組みなどについてお話しいただきました。この夏には、池田先生のコーディネートにより、それらを実際に見学するドイツ・スタディツアーを実施する予定です。(竹歳)

論文が出版されました

野生のクサネム根粒から微生物を分離する過程で、空気中の窒素ガスをアンモニアに変える本来の根粒菌Bradyrhizobium sp.と共存する菌Ralstonia sp. SET104株を単離し、私(畑)は一時期、それが新規な根粒菌だと思い込む失敗をいたしました。ところが、そのゲノム塩基配列を決定したところ、単離した菌株はRalstonia属の新種であることがわかりました。転んで地面に叩きつけられた時につかんだワラが新種だったようなもので、まさに微生物は無限です。

権威と伝統を誇るアメリカ微生物学会が発行するオンライン学術雑誌があります。名古屋大学や中部大学と共同でこの雑誌に原稿を送ったところ、匿名審査員の1人から「微生物の共存に関する段落はややこしく雑誌の趣旨から外れるので省け」と指摘され、改訂に苦労しました。しかし結局、約480万塩基対からなり4,464のタンパク質コード領域を有する新しいRalstonia sp.のゲノムに関する論文が出版されました(https://doi.org/10.1128/MRA.01441-18)。

ただ、この「Article」の本文には500語の上限があり、PDFにするとわずか2ページで、ある意味膨大な情報量が発表されてはいるのですが、図表がひとつもありません。フロントにロボットだけがいるホテルがちょっと前に話題になり、そのうちに運転手がいない自動車が道路を行き交う時代が来るのかもしれませんが、図表がない研究論文が世の中に存在してその著者になるとは夢にも思いませんでした。(畑)


講演発表を行います。

2019年4月11-12日開催の国際会議ICBME2019(バリ島、インドネシア)で以下の講演発表をします。
Nuclear and Cytoplasmic genetic diversity affecting submergence response in wheat: phenotyping and transcriptome profiling
Chiharu Nakamura*, Shotaro Takenaka, Ryohei Yamamoto and Tsuyoshi Furumoto
(中村千春)


食の循環実習:卸売市場流通について学びました

2019年1月11日、今年初回の食の循環実習では、1回生約400名が久しぶりに一堂に会し、キャンパスのお隣にある大津市公設地方卸売市場から3人の外部講師の先生方をお招きして恒例の講演会を開催しました。

農学部も完成年度ということで、この講演会ももう4回目となります(過去の様子1過去の様子2)。開設者である大津市からは、昨年4月に異動で市場管理課に着任された山形先生に大津市公設地方卸売市場をご紹介いただきました。

山形先生のご講演

続いて開設年度からお世話になっている京果グループS.B.S.滋賀びわ湖青果株式会社の中井先生に、今年も卸売市場流通のイロハについて熱のこもったお話を聞かせていただきました。

中井先生のご講演

ご講演の後は、大津市産業観光部市場管理課の島津課長にもご登壇いただき、学生から事前に集めた質問などにお答えいただきました。市場が開設されてから30年ほどの間の変化や、セリの手やり・掛け声など、いろいろと興味深いお話を伺うことができました。

市役所の職員も卸売市場でお仕事されています
ピースサイン、ではなく、セリで「2」を表す手やりです

長時間にわたる座学でしたが、学生からは「セリ取引が減っていることを初めて知った」「日頃食べている食べものがどのように流通しているのかが良くわかった」などの感想も聞かれ、これまで馴染みのなかった卸売市場流通について関心を深めた様子でした。


講義終了後も学生の質問にご対応いただきました

新年早々お忙しいところ、多くのお時間を割いて卸売市場流通について丁寧な解説をしていただいた3人の先生方に、この場をお借りしてあらためて御礼申し上げます。(山口)

資源生物科学科卒業論文発表会

昨年1227日(木)の朝から夕方にかけて、8号館地下の3会場で資源生物科学科の4年生が卒論発表を行いました。皆しっかり準備をしてきたことが、プレゼンのレベルの高さや、全会場で分刻みのスケジュールが見事に守られたことからもよく分かりました。多くの学生さんは緊張した様子で午前中は学生同士の議論が少なかったようですが、お昼過ぎから徐々に活発になり、全体的によい雰囲気で大成功だったと思います。この経験が社会へ出てから様々な場面で役立つことを願っています。(畑)
*農学部公式Twitter・Instagramでも本発表会の様子を伝えてもらいました。ぜひそちらもご覧ください。





クマムシ研究室訪問(塩尻研)

先日、卒業研究テーマでクマムシを絶対にやりたいという学生と一緒に、慶応大学に訪問してきました。クマムシ研究者、堀川さんに話を聞きたあと、実際に、乾眠しているヨコヅナクマムシを蘇生させてもらいました。
クマムシは、何にでも耐えられる強いというイメージをもっていましたが、乾眠しているときは強いけど、そうではないときは繊細で、飼育するのは難しい種が多いということも教えてもらいました。また、飼育方法やクマムシの扱い方等、詳しく教えてもらいました。


ヨコヅナクマムシ
(モジョモジョと足を動かしていてとっても可愛らしいです)


乾眠から目覚めたクマムシを採集しています。


ネットや本だけの情報ではなく、可能であれば実際にあつかっている研究者に聞くのが一番だと再認しました。百聞は一見に如かずです。

卒論発表会練習(塩尻研)

112日(土)の、植物生命科学科、卒業研究発表会にむけて、ポスター発表の練習を行いました。
ポスター、発表ともなかなかの出来栄えでした。また、聞いている方のコメントや質問も的確で、本番が楽しみです。

 一人ずつ発表をしました。

土曜日まで廊下に貼りだします。
皆さん、満足そうです。
本番、頑張ってください。

論文掲載情報

竹中祥太朗助手、山本涼平助手と中村千春特任教授の研究グループが、パンコムギの核細胞質雑種に関する第2報を発表しました。
先の論文に続いて、本論文では、パンコムギの冠水ストレス耐性に及ぼす異種細胞質ゲノムの効果とともに老化ストレス(冷蔵庫で20年間保存した種子)の効果を調査し、2種のストレスの分別効果とともに有意な相互作用効果が存在することを明らかにしました。(中村千春)

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13102818.2018.1549960

中村ゼミの近況:植物生命科学科

卒論研究では、ゼミ生7名全員が「パンコムギ耐塩性の生物検定法の開発」という共通テーマを掲げて、それぞれが特定の品種を材料に研究を続けてきました。近況①で掲げたテーマには変更がありましたが、「一つの目標を皆で共有し、力を合わせて完成する」という当初の趣旨は変わりませんでした。

ゼミ生諸君の研究結果は、以下のタイトルで、1月16日開催の新春技術講演会のポスターで発表します。
「パンコムギ系統の耐塩性生物検定とミトコンドリアゲノムの遺伝子発現解析」山本樹生・川添哲弥・小野駿輔・井上和麿・竹中誉喜・竹中正太郎・河合真吾・竹中祥太朗・中村千春

ゼミ生諸君は卒論提出後も研究を続けると張り切っています。3月16−17日には、千葉大学西千葉キャンパスで開催される第135回日本育種学会大会で2つのポスターを発表する予定です。


パンコムギ品種「農林61号」 上2個体:200mM NaCl;下2個体:対照区
いずれも14日間培養  根の成長阻害が著しい