総合型選抜入試(農学科)合格者は手厚い入学前教育が受けられます!

 農学科では、文系理系を問わずに受験できる総合型選抜入試を行なっています。この合格者には、一人につき一人の先輩が担当して入学前後のサポートをしてくれます。また、奨学金の優先枠を取得することもできます。さらに、手厚い入学前教育が用意されており、毎週のオンライン講義によって、入学後に必要となる化学や生物の知識を徹底的に指導してもらえます。加えて、体験入学に参加でき、一足先に農学科の研究活動について深く知ることができます。

2023216日に、本年度の総合型選抜入試合格者に対する体験入学が実施されました。キャンパス見学の後、農学科のすべての先生方から、それぞれの研究内容に関する熱のこもった講義していただきました。その後、農場見学も実施しました。参加者たちは、大変刺激になったようで、4月からの学生生活に胸を膨らませていました。


総合型選抜入試は、来年度も実施予定です。農学への熱意ある多くの受験生を歓迎いたします!


(入学前教育担当:玉井)


研究内容に関する講義

農場見学


修士論文報告会(農業生産科学モデル)を開催しました。

  

 2月2日に、農学研究科食農科学専攻の農業生産科学モデル(学部での植物生命科学科と資源生物科学科に相当する研究室)の修士論文報告会が開催されました。



島研究科長による開会の挨拶


本年度は9名が該当し、それぞれのおよそ2年にわたる修士研究をまとめた修士論文成果に関して、プレゼンを用意して発表しました。そもそも論文の作成自体が大変なのですが、プレゼンはまた違った大変さがあります。


今年度の修士論文発表者(農業生産科学モデル)

 農業生産科学モデルでは、主に「食」と「農」に関わる「生物」に関する研究が行われていますが、基礎的な研究内容から応用的な研究内容まで非常に幅広い研究が展開されています。9名の学生それぞれが、綿密な準備をしたことが容易に想像できるわかりやすいプレゼンをしてくれました。そのおかげか、普段あまり直接の関わりのない先生方からも質問が飛び出し、質疑応答もとても白熱しました。それぞれの教員の専門分野も多岐にわたるため、とてもびっくりするような質問も飛び出します。数は多くなかったですが、学部生からの質問もありました(教員としてはもっとたくさんの学部生に質問してほしいですが、、)。

教員からの質問の様子


 そんな中、9名それぞれが質疑応答にも立派に対応し、無事に発表を終えました。最後は研究科の研究主任の岩堀先生から講評と閉会の挨拶です。発表者の皆さんの、この二年間の継続的な努力に労いの言葉が述べられました。



岩堀研究主任(研究科)からの閉会の挨拶


 常々思うことですが、学生さんが論文(卒論、修論、博論、投稿論文など)をまとめたり、今回のような学位論文発表会を経験すると、突然、持っている能力が伸びることが多々あります。「まとめる」という作業をすることで、視野が広くなるのかな、と勝手に理解しています。

 そんな中、教員としてはひとまわり大きくなった学生さんらの研究の進展をもう少し見てみたいところですが、9名のうちほとんどは新年度以降は社会人として活躍することになります。博士後期課程に進学する学生さんはもちろん、就職する学生さんもみなさん、龍谷大学大学院での2年間の研究活動でスケールアップした新しい自分で、今後の良い人生を切り拓いていってほしいと思います。そして、いつかまた、その活躍を大学に伝えにきてほしいと思います。9名の皆さん、お疲れ様でした!


(別役)



農学科(2023年4月より資源生物科学科から名称変更)を志望する皆さんへ㉛ ~作物の病害を土壌の立場から診る~

 同じ作物を長期間同じ畑で育てていると連作障害のひとつである「土壌病害」が発生することがあります.土壌学研究室では,土壌病害のフザリウム病を化学分析の視点で調査しています.フザリウム病は糸状菌が引き起こす病気で,作物の細胞壁にあるペクチンを分解して作物の中に侵入します.このときに,菌が土壌中に出すペクチン分解酵素を測定し病気をキャッチしようという試みです.私たちは,土壌診断の1つとして,簡単な分析でフザリウム病にかかりやすい土壌を見つけることを目標にしています.(土壌学研究室 森泉)


「ペクチン分解活性を滴定装置で測定中です」



「研究結果の一部を龍谷大REC「新春技術講演会」でポスター発表しました.」




修士論文報告会を開催しました(地域社会農学モデル)

 2023年2月2日

修士論文報告会を開催しました。二年間の研究成果の集大成です。三名の修士課程2回生は緊張しながらもしっかりとした報告をしてくれました。



報告タイトルは以下のとおりです。

・農畜産物の規格と経営対応

・都市農業における担い手としての自給的農家に関する研究

・中国内モンゴル自治区における肉牛繁殖経営農家の技術効率性

いずれも興味深く、今後の展開が期待できる内容でした。




先生方から厳しい質問が寄せられましたが、それにも的確に応対していました。


お三方、どうもご苦労様でした。


(大学院担当:香川)




「植物の行動生態学-感じて、伝えて、記憶し、応答する植物たち-」出版について

 塩尻が第4章を執筆した著書「植物の行動生態学-感じて、伝えて、記憶し、応答する植物たち-」(文一総合出版)が出版されました。

第4章は「植物間コミュニケーション:植物の匂いを介した情報伝達」です。

数名の科学者たちで「植物はどのようにこの世界を認識しているのか?」「その時植物たちはどのようにふるまうのか?」といった植物の環境応答研究の最前線を初学者向けにまとめあげたものです。

自分で言うのもなんですが、どの章も、とても読みやすく、且つ、『こういうことを観察や実験して分かったことで、次にこういう仮説をたてて実験していったのか。』っていう研究の筋道が見えてくるような書き方になっています。

春休み中に読む本の一冊にしてみてはどうでしょう。

https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-12085.html


内容を紹介しておきます。

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植物がどのような生きものなのか、本当にご存知だろうか?


一度芽生えたらその場所から動けない植物たち。じっと耐えているのかと思いきや、周りの環境に応じて芽生えのタイミングを調節したり、周囲の植物と情報をやり取りして協力していたり……。

近年、植物たちの知られざる一面が次々と明らかにされてきています。本書は、新進気鋭の科学者たちが「植物はどのようにこの世界を認識しているのか?」「その時植物たちはどのようにふるまうのか?」といった植物の環境応答研究の最前線を初学者向けにまとめあげた渾身の一冊です。科学者らが植物に抱いた素朴な疑問やそれを解き明かすための巧みな実験方法など、研究の様子が垣間見ることができるのも本書の特徴です。

これから研究を始めようとしている学生はもちろんのこと、植物に興味を持っている様々な人にぜひとも手に取っていただきたい一冊となりました。「探求」の課題や自由研究のヒントにも。


隣の個体と協力するか競争するか。その決め手は血縁度?

つる植物は巻き付く相手を選んでいる!?

匂いは植物の共通言語?

植物の「目」と「脳」はどこにある?

植物体内の情報伝達のしくみは?

植物にも忘れられないことがある?

この本を読めばきっと植物を見る目が変わるはず!

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塩尻