海外農業体験実習(ハワイ)5日目 USDAでの発表会とBBQパーティー

今日の午前中は学生さんたちは午後のプレゼンのための準備で忙しい。ほぼ、徹夜とか。

教員の私は久しぶりにゆっくりと起きて、ホテル周りを散策し、素敵な時間を過ごしました。


昼食後、いよいよUSDAでの発表のために、ホテルを出発します。

RoxanaとJohnの出迎えを受けて、2チームがプレゼンテーションを行いました。

英語で初めてのプレゼンテーション。決して上手とは言えませんが、彼らなりに頑張ったと思います。聴衆からはいくつか質問も出て、それぞれに一生懸命答えていました。

しかし、今時といえばそうかもしれませんが、携帯を覗いてのプレゼンはいただけません。英語に翻訳するソフトが携帯にインストールされているための現象です。

ぜひ次回、どこかでプレゼンをするときは、聴衆を意識して、聴衆に向かって、画面を隠さないように、スマホを見ないで、プレゼンをして欲しいです。

かくいう私も、生まれて初めての英語でのプレゼンはどうだったかというと、そう満足できるものではありませんでした。今回の参加者にも、これを糧にもっともっと、トレーニングして欲しいです。

Meyer博士の案内で、研究所内を回りました。

この研究所は、設立に際し基金を提供したDaniel K Inoueという方の意思を継いで、実学重視なのだそうです。コーヒー害を引き起こす甲虫やさび病菌の研究、収穫したレモンの保存方法の研究、線虫の研究などを見せていただき、自由にそれぞれの面白さを語る姿を拝見させていただきました。





最後は、welcomeパーティ。





パパイヤ選果工場の青木さんのお世話で、たくさんお肉をいただきました。こちらのBBQはとにかく大きな肉を焼き、切り分けるスタイルです。この方がジューシーに焼けますね。

これにて全てのプログラムが終わりました。

彼らにどういった印象が残ったのか、帰国後の最終発表会を楽しみにしています。


最後に、お世話になりました、ヒロ別院の高橋さん以下皆様、青木さん、市丸さん、John、Roxana、村松さん、パホアの日系人協会の皆様、内田農園の皆様、UCCの三木さん、小林さん、そしてハワイの植生をたくさん説明いただいた長谷川さんに、深く感謝いたします。この全ての行程を手配いただいたメノアさんにも深く感謝いたします。


皆さんの暖かさを学生たちはきっと受け止めたに違いありません。何よりの体験だったと思います。

(古本)

海外農業体験実習(ハワイ)4日目 パパイヤ選果場とUSDA見学、アンスリウム畑




 本日は、朝早くにパパイヤの選果場へ向かいました。

社長の青木さんから、輸出のためにはパパイヤ表面にいるかもしれないハエの卵などを処理する必要があり、温熱処理で対応すること、そのための装置・工場の見学をさせていただきました。


集荷、選果、パッケージなどを虫がいない環境ですませます。検査の厳しさについては日本への輸出とカナダ・アメリカ本土への輸出などに違いがあるそうです。


その後、アメリカ合衆国の農水省の研究所(USDA)に移動しました。そこで、John Suzuki博士とRoxane Meyer博士に講演いただきました。それぞれ、遺伝子組み換えパパイヤの開発について、とハワイの線虫害について、です。



続いて、Green Point Nurseryにいき、アンスリウムの生産と集荷・配送の様子を見学しました。説明くださったのは3代目の若社長。



そして、パパイヤ圃場に行き、ダイヤモンドパパイヤ生産会社の市丸さんから説明を受けました。GMOとnon-GMOのパパイヤをうまく育てていること、パパイヤは植えてから半年て花が咲き始めること、開花から収穫までの時間が読めるので、栽培面積と収入が計算しやすいことなどの説明を受けました。
茎から直接花が咲く、変わった植物です。
最後に、青木さんにパパイヤを切ってもらって、みんなで食べました。柔らかいものと固さのあるものを食べ分けましたが、どちらもとても甘いパパイヤで、後者の方が香りが強く私は好きです。

(古本)






海外農業体験実習(ハワイ)3日目 コナ訪問

 本日はハワイ島の滞在先のHiloから1時間半のドライブを経て、コナコーヒーで有名なKonaに行きました。

その途上、火山マウナケアの麓を経由しました。噴火と溶岩によって形成された土壌と、その上で更新される植生を間近に見ることができました。

そして気候が全く変わったKonaへ到着。最初は、「村松小農園」を訪ね、園内のカカオを見せていただき、有機栽培のコーヒーを手摘みする収穫体験をしました。その後は、素晴らしい風景を背景にコーヒーをいただきました。

続いて、内田農園にて日系1世以降の入植した方々の苦労が残る家屋を見学しました。もののない中でみんなが工夫して生活する様子を実感しました。ものがないから工夫する、今のなんでもある生活が、いかにありがたい(有難い)かを実感しました。

実習内容の時間的な経過が逆になりましたが、以下、実習内容を写真とともに示します。


UCC農園にて、焙煎の体験。収穫から焙煎まで、そしてそれをお土産に。4年前にはなかった工夫です。

コーヒー豆の乾燥棚。屋根は天候によって可動式です。

コーヒーの実、チェリーから実をはぎ取る機械。もちろん、お手製。





日系1世たちの生き様が残る内田農園の見学。


村松さんたちと集合写真


村松小農園からの景観を背景にコーヒーをいただく。ここにはお忍びで多くのセレブがやってくるとか。



赤く熟したコーヒーの実(チェリー)の収穫。

村松小農園でのカカオ。チョコレートも自作されています。


Konaへの途上、火山の噴火でできた景観。どのように植生が回復するか、場所ごとに解説いただきながら現地を見ることができました。
本日の最後は、お世話いただいた旅行社のメノアさんのお宅で歓迎会を受けました。そのお料理の美味しいこと、みんな大満足の1日でした。

ハワイの地誌、人々の生活、そして人の優しさを十分に堪能した1日でした。
(古本)



海外農業体験実習 (ハワイ) 2日目 本願寺参拝と墓地参拝

 ジェットラグもあり、みなぐっすり寝たようです。歳をとったせいか、科研費締め切りが頭の片隅にあるせいか、私は朝早くに目が覚め(am 1:00)、しっかりとは寝れませんでした。

さて、二日目は、ヒロの本願寺別院を訪ね、日曜礼拝に参加します。



途中でカメハメハ大王の像に立ち寄り記念写真。



本日の昼食、クヒオグリルでのラウラウ。
豚肉を里芋の葉で包み、蒸し焼きにしたハワイの伝統料理。




参拝後には少し街を散策し、Rainbow Fallを訪ねました。この窪みの奥に
女神が住むそうです。

Lava Tree

お墓への途上、Lava Treeを訪ねました。これは、キラウエア火山の噴火で吹き出した溶岩が、大木に当たり、さめて固まったものです。中はその木が枯れて空洞になっています。




パホアの日系人墓地を参拝し、花を手向けました。

4年前の前回もそうでしたが、佐藤さんをはじめ、パホアの日系人会の皆さんに大変なもてなしを受けました。ちょうどハワイ大学に短期留学中の日本人学生とも合流し、日系の方達と語らうひと時を過ごしました。

明日は、コナへ移動し、コーヒー栽培の歴史と現在を感じる日です。
(古本)


海外農業体験実習 (ハワイ) 1日目 ハワイ島に到着

 2023年度の海外農業体験実習(ハワイ)が8月26日から9月1日の日程で始まりました。

初日は参加者6名の学生と3名の教員が、関西国際空港に待ち合わせ、飛行機でホノルル経由でハワイ島ヒロへ向かいます。

8時間のフライトを経て、アメリカ合衆国に入国しました。

入国審査は厳しく、ホテル名や目的などを速やかに答えないといけません。モタモタすると場合によっては別室に連れて行かれます。二人の学生が連れてゆかれ、乗り換えに間に合わないかとドキドキしました。ともかくパスし、国内線乗り換えへ。その国内乗り換えも大変厳しい審査でした。

無事に、ハワイ島に全員到着し、こちらでの一切をお願いしている旅行会社のメノアさんの出迎えを受けて、ホテル入りしました。

いよいよ明日より、実習が開始します。明日の内容は、本派本願寺の日曜礼拝への参加とパホアの日本人墓地への参拝です。

ホテルの部屋からのヒロ湾の風景

街のマーケットに立ち寄り、明日の朝食を各自、購入。
訪問の目的の一つ、GMOパパイヤが販売されていました。
(古本)

研究成果が論文として公表されました(生命・小野木研)

 作物の姿かたちや性質は、当然ながら実際に栽培してみないとわかりません。1個体や2個体なら栽培することは容易ですが、品種改良では多数の個体を栽培し、その中から良いものを選ぶ必要があります。さらに、適応できる環境を見極めるためには様々な地域で栽培を繰り返す必要があり、より時間がかかります。そこで遺伝子の情報などを用いて、その作物がどのような姿かたち・性質をしているか予測することで、栽培にかかる時間を削減しようとする手法「ゲノミック予測(genomic prediction)」が提案されています。


今回の研究では、ゲノミック予測をより正確なものにするために、遺伝子の情報に加えて、糖やアミノ酸などの代謝産物のネットワーク情報を効率よく利用する方法を提案しました。より具体的には、シロイヌナズナのバイオマスを予測するために、バイオマス生成に関与する350代謝産物、336反応の化学反応式の情報を、遺伝子情報による予測を補助するために用いました。これら異なる情報を統合するために、ベイズ統計に基づく階層的モデリングを開発しました。様々な検証の結果、まだ概念実証(proof of concept)の域を出ていない研究ではありますが、このような代謝産物ネットワークの情報が、生物の予測に役立つ可能性を示すことができました。

論文のタイトルは「代謝産物ネットワークを用いたゲノミック予測のためのベイズモデル」

生物がどのような姿かたち・性質を持つか予測することは、品種改良のみならず、ヒトの病気の予測にも役立ちます。今後も遺伝子情報をはじめとして、様々な情報を様々な手法で用いて、より正確に予測する方法を探っていきたいと考えています。


論文

Onogi A. “A Bayesian model for genomic prediction using

metabolic networks”. Bioinformatics Advances, 2023, 00, vbad106.

https://doi.org/10.1093/bioadv/vbad106

                                     小野木

金子ゼミ AGRI SUMMER FES.2023(農畜水産物・食品の販売会)を開催

2023年7月20日 瀬田キャンパス内のGlobal Lounge Kitchen(GLK)にて、金子ゼミAgri Summer Fes.2023を開催しました。当日の様子を3回生の伊藤さんに聞いてみたいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

金子ゼミは現在3回生16名、4回生17名で活動しています。

私達3回生は各自達成したい目標や企画書を作成し、全員で企画案を練り、最終的に共通目標を「滋賀や京都の食の魅力発信」とし、5班に分かれてフィールドワークを行ってきました。

フィールドワーク受入先の事業者様の魅力を発信するため、7月20日に販売会Agri Summer Fes.2023を開催し、農畜水産物・加工品の販売と抽選会をしました。私達3回生だけでなく昨年の販売会での販売経験を持つ4回生にも協力いただき、ゼミ生総出でPRをしました。

近江むすび班は、滋賀県高島市在原地区の地域の魅力発信のため、有機米農家の福井朝登様にご協力をいただき、握りたてのおにぎりの販売、また班員が商品開発したスギナ茶、ヨモギの入浴剤の販売をしました。

ベジタブル's班は瀬田キャンパスの傍の滋賀県大津市大萱町の阪口農園様にご協力をいただき、こだわりの夏野菜の販売を行いました。じゃんけん大会やたまねぎのつかみ取りなどとても賑わいを見せていました。


ぎゅうまい班は滋賀県高島市の大吉商店様にご協力いただき、近江牛の魅力発信を行いました。大吉商店様の加工品を使用したハンバーグ丼やサイコロステーキの実食販売は大人気で、オリジナルのレトルトカレーや肉みそなどの加工品の販売も行いました。

ぎょぎょぎょ班は大津市公設市場のマリングレイス様にご協力いただき、食品ロスに対する循環システムの普及を目的に活動してきました。当日はオリジナルブランド山崎真鯛のフライや、冷やし鯛茶漬けなどを販売しました。

広報部班ではイベントの集客や宣伝などの活動を行いました。ベントチラシに添付した抽選券によるガラガラ抽選会を行い、多くの方々に足を運んでいただきました。

昨年の販売会にもご協力いただいた京都府福知山市の86farm様の動物パン・加工品の販売も行いました。可愛い動物パンはリピーターも多く、盛況でした。


昨年の販売会では規格外野菜の販売にご協力いただいた、京都市のしんやさい京都様の金時人参を使用した金時スムージーの試飲販売も行いました。健康的なスムージは学生や職員さんにもとても人気でした。

沢山の方々に足を運んでいただけ、とても嬉しかったです。販売やPRの楽しさや難しさを学ぶ貴重な機会となりました。しかし、準備段階や当日の運営の面など課題も多く生じました。反省点を改善し、今後のゼミ活動に活かしていきたいです。

今回の販売会は事業者様のご協力がなければ実施することはできませんでした。本当にありがとうございました。(伊藤)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた事業者様、本イベントの実施に当たり準備段階からお世話になった皆様、改めまして感謝申し上げます。(金子)