オンライン勉強会への参加と農福連携についての学び

今年度、金子ゼミでは農業界と大学生をつなぐ取り組みをされている㈱NOPPOのオンライン勉強会に参加してきました。さまざまな分野で活躍される農業関連の事業者の方々からお話を伺い、学びを深めると同時に、他大学の学生と交流を深めてきました。

ここでは3回生の永座くん、安田くんから、先日行われた勉強会(テーマは「農福連携」)の取り組みや学びについて聞いてみたいと思います。

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私たちは、2021年1月16・23日に実施された㈱NOPPOのオンライン勉強会に参加し、農福連携について学びを深めました。



16日の勉強会では、農福連携に関する予備知識として、障がい者の労働環境や農福連携がどういうものかなどを学びました。その後、次週に来てくださるゲスト講師の方への質問を3,4人のグループに分かれて考えたのちに全員でそれを共有しました。


23日の勉強会では、ゲスト講師として(一社)農laboファクトリーの奥さんと清水さん、アルファイノベーション(株)の山田さんがお話してくださり、農福連携の事業や現場での取り組み、その成果を教えてくださいました。

大阪府泉佐野市の(一社)農laboファクトリーさんは、援農ボランティアやマルシェなどを通じて一般市民や学生など、地域と農業をつなげる活動を行っています。また、就労支援B型事業に取り組んでおられる社会福祉法人「いちょうの森」さんと協力して農福連携活動に力を入れています。

農業者、学生、障がいを持つ方など、多様な人々が農業を通じて交流するなかで、最初は障害をもつ方々とどう接していいかわからない方も多いそうです。しかし、実際に接してみると障害を持つ方は個性を強く持つ人だと気づくそうです。私たちは、障がいを持つ方々とそこまで深くかかわったことがなかったため、先入観を持ってしまっていることに気づきました。

奥さん、清水さんと記念撮影

        

アルファイノベーション(株)さんは、埼玉県白岡市で主にネギの生産、販売を行っている企業です。農福連携の取り組みとして、障がい者の方々にネギの出荷作業を行ってもらい、将来的に社会に出て他企業で雇用できる人材として育てる目標を持ち活動をされています。

障がい者の方々が勤務をするうえで、特に気を使っているのが徹底した整理・整頓だそうです。例えば箒に番号を振ることで片づける場所を間違えないようにしています。この工夫は、障がい者や健常者関係なくミスを減らせる方法だと思いました。


アルファイノベーション(株)の山田さんと記念撮影


(一社)農laboファクトリーさん、アルファイノベーション(株)さんの共通意見として、障がい者に対する固定概念を持たないことが事業を運営するうえで大切であると伺い、私たちは意外性を感じました。福祉の知識よりも、その人個人を理解することが最も重要であるということでした。障がい者がとる行動の理由を考え、知ることが理解や解決につながり、障がい者への正しい認識と協働の大切さを知りました。


私たちは今年度、農福連携をテーマとした勉強会以外にも、卸売市場法の改正、産直、ECサイトの活用、CSA&連携等の勉強会に参加してきました。様々なゲスト講師の方々からお話を伺うことで、普段聞くことのできない現場ならではの問題やその対処法等を聞くことができました。

コロナ禍によりオンラインでの活動続きでしたが、オンラインだからこそのメリットもありました。それは遠く離れたところにいる方々と交流ができたことです。勉強会の参加者は北海道や関東、九州など、全国各地から参加しており、その地域ならではといった意見や質問も聞くことができました。

これらの勉強会で得られた学びを今後の人生に生かしていこうと思います。(安田・永座)



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㈱NOPPOの福本様、勉強会でお世話になりました皆様に心より御礼申し上げます。(金子)

卒業論文発表会(食料農業システム学科)

 2021年2月3日、今年度の食料農業システム学科卒業論文発表会が実施されました。


今年度は、折からの新型コロナウイルス対応として、発表会をハイフレックス方式で実施しました。発表者は原則として対面で発表しましたが、一部はオンラインで発表してもらいました。また、3回生以下の聴衆はすべてオンラインで参加しました。

Google Meetsで配信しながら発表中


オンラインでの見た目を確認中

新型コロナの影響で対面でのゼミができなかったり、訪問調査に制限があったりと、食料農業システム学科でも卒業論文作成の過程ではさまざまな苦労がありました。しかしながら、発表された研究はいずれも昨年度までのものと遜色なく、この間の苦労を糧として成長してくれた学生の姿を見ることができました。

1万字以上というボリュームで、1つのテーマについて既存の研究を拡張するような結果を論じ切ることで、発表者は単なる知識や分析テクニックを超えて、今後に活きる論理的思考能力を身につけたものと思います。

当日に発表できなかった一部の学生も、2月9日の予備日に無事オンラインで発表を終えることができました。みなさん、本当にお疲れ様でした!(山口)

温室だより4 最も青い花 

 今日紹介する花は、テコフィラエア・キアノクロクス(Tecophilaea cyanocrocus)です。南米のアンデスに生育するテコフィラエア科というちょっと聴き慣れない科に属している植物です。もちろん、この科の植物は日本には自生していません。龍谷大学の温室で咲いている個体は青い部分が少ないので、イメージしにくいのですが、「最も青い花」と言われるほど美しい青い花が咲きます。学名のキアノクロクスは青いクロッカスの意味になります。自生地では絶滅の危機に瀕していて、増殖の研究に取り組んでいます。増殖がうまくいって、誰もが簡単に楽しむことができるようになるといいと思っています。(植物資源学研究室 神戸敏成)


              テコフィラエア・キアノクロクス