生命科学科では、修士課程に進学している学生に、「進学のきっかけ」や「実感」などを3年生に説明してもらいました。
キャリア説明会 修士進学編
キャリア/ボランティア・NPO活動センターガイダンス
龍谷大学農学部では、1回生向けの入門ゼミの中でキャリアガイダンスを実施しています。キャリアとは、就職活動やその後の職業経験だけを意味するものではなく、学び、仕事、結婚、趣味、家庭など皆さんが人生を通じて歩んでいく経歴そのものを意味しています(受け売りですが…)。
2024年6月21日、食料農業システム学科の1回生入門ゼミ全クラスが一堂に会して、キャリアセンター職員によるキャリアガイダンスを実施しました。例年システム学科だけのプログラムとして、キャリアガイダンスと組み合わせてボランティア・NPO活動センターの活動紹介も行っています。その甲斐あって?システム学科からはボランティアセンターの学生スタッフを務めてくれる学生も出ています。
この日はご生誕法要で2限の授業が15分切り上げになることをすっかり忘れていて、講師の先生方にはかなり大急ぎでお話ししていただくことになりましたが、学生はかえって集中してワークなどに取り組んでくれたように思います。
ボランティア・NPO活動センタースタッフによる活動紹介 |
入門ゼミは、大学の学びの入り口であると同時に、キャリア啓発科目でもあります。進路選択の意識づけを含めて、将来設計を見据えながら正課や課外活動などで様々な経験を積んでいってもらいたいと願っています。(山口)
Ryukoku Market Place 深草で出店
農学部開設の頃に湖南市から「湖南市の特産品を考えてほしい」という依頼を受けました。湖南市には、弥平トウガラシや下田ナス、献上ゴボウ、と特産品はあるものの、もう少し農業に力を入れたいとのこと。
農学部の設立メンバーに声をかけ、私を含め3名の教員で関わり始めました。私の担当は、趣味で行っていた養蜂を中心に据えるというもの。プロ養蜂家は、花を追って日本を縦断します。九州、近畿、北海道と移動する規模の大きさは圧巻です。一方で、地域に箱を置いたままにすると、季節が変われば花が変わり当然蜂蜜の味も変化します。場所と時期によって味の変わる蜂蜜が採れるはずです。それを「湖南市の5月」「湖南市の6月」…、とシリーズ化すれば、その土地の四季を味わうことができる商品として展開できるのではないか、というものでした。
私の趣味が養蜂というだけで、ちゃんとした技術もなく、関係者には迷惑ばかりの時期が続きました。ラボに配属した卒業生が、ミツバチに興味を持ち、卒業後にプロの養蜂家となりました。今では湖南市での採蜜に積極的に関わってくれています。彼の活躍でハチミツも順調に取れているようで、ついに、「湖南市の5月の蜂蜜」が販売されることになりました。
大規模ではなく養蜂の箱数を限定しているので、大量には販売できませんが、まずは昨日の深草でのマルシェで10瓶を販売しました。客入りはそれほど良くなくて、他にもいつものラインナップとして用意した蜂蜜瓶が大量にあり、全部売り切れるという感じではなかったのですが、前回購入し美味しかったので楽しみにしてくださっていたというリピーターが来られるなど、嬉しい限りでした。深草での販売の際には、顕真館にお供えもします。宗教部のXにも掲載されました。https://twitter.com/ryusyukyo/status/1805119651590119596
誰かに褒めて欲しくて実施しているわけではありませんが、昨年一緒にハワイの農業体験実習にいった同僚に実習途中の暇な時間にこの取り組みを話したところ、いい取り組みだから続けるように、と言われ、なんだかとても嬉しくなりました。ゆっくりですが、ちょっとずつ形になりつつあります。
【生命科学科・実習シリーズ】 別役先生②、③
引き続き、別役先生の実習です。
先週、遺伝子を入れた葉がどうなったか、気になりますね。
一週間研究室でお世話していただき、元気に成長しているようです。
注射のあとがあっても元気です。
さすがに折れた葉を土にさしたものは枯れてしまいましたね。
まずは葉に紫外線をあてて、蛍光タンパクができているのか、そして導入遺伝子によって違いがあるのか観察しました。
この葉をすりつぶして、タンパク質を抽出・精製していきます。
抽出試薬には、葉に含まれるたくさんの種類のタンパク質が溶け出しています。
その中から、遺伝子組換えで作らせたタンパク質だけを回収してこなくてはいけません。
今回の組換えタンパク質には、エピトープタグと呼ばれる余分な8個のアミノ酸が付加されています。
このエピトープタグがくっつくStrep-Tactinという物質を充填したカラムに、抽出液を通すことで全タンパク質から組換えタンパク質だけを取り出すことができます。
この過程を「精製」といいます。
タンパク抽出液をろ過したカラムに紫外線をあてると、くっついた組換えタンパク質が光っている様子がよくわかります。
抽出したタンパク質は、SDS-PAGEという方法で検出します。
DNAの電気泳動と違って、特殊なゲルを使います。
ゲルのセットから苦戦するみなさん、、
先生に助けてもらって、なんとか泳動を開始できました。
結果は来週です。
楽しみですね!
(辻村)
【生命科学科・実習シリーズ】 別役先生①
6月11日から別役先生の実習が始まりました。
5回連続で行われる本実習は、植物に遺伝子を入れる形質転換を行い(①)、作らせたタンパク質を抽出・精製し(②)、そのタンパク質の性状まで解析し(③,④)、最後は実験結果の発表(⑤)まで行います。
今回はベンサミアナタバコというタバコの仲間の植物に、アグロバクテリウムという植物病原細菌を利用して、植物に遺伝子を組み込みます。
植物の葉に菌液を注射して、タンパク質をたくさんつくらせるのですが、このような「植物を使って有用なタンパク質を作る」というコンセプトで、海外ではバイオベンチャー企業が実用化に取り組んでいます。
実験を始める前に、コロナワクチンの製造過程をまとめた様子を見て、私たちが行う実習の技術が、どのように社会とつながっているのかを学びました。
https://www.youtube.com/watch?v=43gexBrJZR8
それでは実験スタートです!
まずは、アグロバクテリウムの懸濁液を、適切な濃度に希釈します。
濃度の測定は分光光度計を使います。
希釈計算を終えたら、菌液を調整していよいよ葉に注入します。
葉になるべくダメージを与えないように、やさしく扱ってくださいね!
ここから一週間、別役研究室で培養してもらいます。
来週の実習で、ちゃんとタンパク質が作られているでしょうか?楽しみですね!
あ!!折れてしまった葉があります!
土に直接差していますが、来週どうなっているでしょうか?!
(辻村)
ハワイ事前学習の様子が、Food Evolution Fan siteで紹介されました
夏の海外農業体験実習(ハワイ)では、ハワイ島に行く前に、事前学習を行い、ハワイでの学びが充実するよう、工夫をしています。
その一環で、6月1日には、2本のDVDを視聴しました。
1本目は、「新日本風土記(ハワイ)」で紹介された、ハワイ島でのサトウキビやコーヒー農園に入植した日系移民について。ハワイ島でどのように日本文化がハワイの土地と結びつき、育っていくのか、人の生活を中心に語られます。実習中に参拝する予定の、日本人墓地が番組で紹介されています。
2本目は、ハワイ島で栽培される「遺伝子組換えパパイヤ」について、栽培化が許可されるまでの住民間、政府での議論の様子をまとめたDVD教材「Food Evolution」を視聴しました。以下のYoutubeで短いバージョンが公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=IVuN19Id_2c&t=128s
このDVD教材が事前学習にうってつけだというのは、実習の準備のためにハワイ島を訪れた時に、ハワイ大学のMike Shintaku教授に教えてもらいました。
ウイルス病で壊滅的な被害を受けたハワイ島でのパパイヤ栽培が、ウイルスに抵抗性を付与したGMOパパイヤの開発によって救われたこと、栽培が許可されるまでには反GMO活動家との大きな議論があったこと、科学的な論拠に基づいて反論を重ね認可に至ったこと、などがDVDでは示されています。実習では、開発現場の研究所や、栽培の現場、流通の様子、それぞれに携わる方と会うことになります。
これらのDVDで見知ったことを、現地に行って、五感を通じて感じてもらいたいと思います。
Food Evolutionについては、Fan siteがあり、そこでは事前学習の様子が示されていました。https://foodevolution-fan.jp/screening/
事前学習も順調に進んでいます。英会話も各自取り組んでいるようですし、先方の研究所で発表する紹介スライドも作り始めたようです。
渡航準備は整ってきました。
(古本)
【生命科学科・実習シリーズ】 塩尻先生②
4月初旬に種から発芽させて栽培したアブラナ科の蔬菜(ダイコン、コマツナ、キャベツ)の生育過程での、植食性昆虫の変遷を観察します。栽培途中で残念ながら枯れてしまった班もありましたが、多くの班でコナガやモンシロチョウの幼虫がついているのを確認し、同じアブラナ科植物でもつく虫が少しずつ異なることがわかりました。なぜ異なるのか?葉の形質(硬さや表面etc)や虫の成長量などを比べて調べます。
6/10の実習ではアオムシコマユバチの探索行動と寄生の観察を行いました。アオムシコマユバチはモンシロチョウなどに寄生するコマユバチ科の寄生バチです。寄主幼虫が食べた後(食痕)により強く反応するかを確認します。コナガとモンシロ幼虫の食痕の葉片を、試験管に入れたアオムシコマユバチ(雌)にそれぞれ提示して、葉片を探索している時間を各班で記録し、全班の結果から検定をおこなってアブラナ科3種で昆虫相が異なるのはなぜか、考察しました。
アオムシコマユバチがモンシロチョウの幼虫に寄生する行動を初めて見た学生さんも多かったようで、興味深く観察・考察することができたようです。
(中田)
卒業生の活躍は嬉しい
卒業生から久しぶりにLineでの連絡がありました。
4月に部署を異動し、ひと段落ついたとのこと。そして、会社の広報誌に取り上げられています、とのこと。これまでも何度かWEB上で彼女の活躍は目にしたけれど、取り上げられるというのは会社で活躍しているということだと思います。
こうした報告は何より嬉しいです。彼女が携わった研究を形にできれば、こちらからも報告しないと、と思いました。
https://www.katakuraco-op.com/rec/interview/interview06.html
(古本)
学科交流会
滝澤研―別役研合同セミナー(大学院・生命・農学)
6月5日に、農学科の野菜園芸学研究室(滝澤研)と生命科学科の多細胞動態研究室(別役研)で合同セミナーを行いました。
農作物生産に焦点を当てた農学科と、生命現象そのものに焦点を当てた生命科学科ということで、それぞれ特徴のある両学科ですが、大学院では同じ農業生産科学モデルに属しています。ここ数年、主にシロイヌナズナを研究対象にしている別役研の修士学生が「どうしてもトマトがやりたい」ということで、トマトを研究材料にされている滝澤研に話を聞きに行く機会が増えました。逆に滝澤研でも遺伝子機能に着目した研究も進めたいということで、別役研に来られる修士学生さんもおられました。そこで、ひょんなことから両教員の間で、せっかくなので両研究室の合同セミナーをやって学生交流会をしようという話になったのがきっかけです(教員は日にちと場所だけ決めて、もちろんあとは学生さんに丸投げです。ごめんねー)。
この日の半日を使い、まず別役研から学生5人(D1、M2、M1、B4、B4)、滝澤研から学生6人(M1、M1、M1、B4、B4、B4)が、両研究室の教員からの研究室の研究内容紹介の後にそれぞれの研究内容に関してプレゼンを行いました。ある程度の経験やデータもある大学院生はとても堂々とした発表でしたし、まだ研究を始めたばかりか始めるところの4回生も自分たちの研究をしっかり理解して、今持っているデータやこれから行う研究に関してしっかりした発表をしてくれました。お互いに普段あまり聞かない内容なので、どれだけ質疑応答が盛り上がるか両教員も心配でしたが、そんなことが杞憂に終わるくらい質疑応答も盛り上がりました。普段の研究室セミナーでは「いつもの話」ばかりですが、「わからないからこそ」の盛り上がりですね。
終了後は、そのまま両研究室の懇親会を行いました。こちらもプレゼン大会以上に盛り上がり、通りかかった某先生も交えて、両研究室や両学科のいろんな話題で、笑顔の絶えない良い交流会となりました。今回、第一回と称したことで、第二回の主催者も別役研の某くんに決まり(しかも「その時までに今日紹介した研究のデータを出す」と力強く宣言、、)、両教員にとっては、今後の学生さん同士の交流と切磋琢磨が楽しみな限りでした。
最後になりますが、今回の企画・運営は修士の松山くん(別役研)はじめ、学生さんがほぼ全てやってくれました。この場を借りて両教員からもお礼を言いたいと思います。お疲れ様でした。
(別役)