フナ寿司乳酸菌は良いプロバイオティクスに?

 聖徳大学の小松崎先生と共同で研究していたフナ寿司乳酸菌に関する解析結果が報文になりました。今回は、プロバイオティクスとしての可能性を検討しました。プロバイオティクスとは、食べると人や動物の健康を支えてくれる微生物というような意味です。

今回試したLactobacillus paracasei という微生物は、フナ寿司から分離された乳酸菌です。胃酸に強いことやコレステロールを吸着する力が強いことがわかりました。引き続き、フナ寿司乳酸菌のパワーに注目していきたと思います。

(島)


卒業研究が論文として掲載されました 植物生命 中村・竹中研究室

 

龍谷大学農学部の1期生(中村研究室)の卒業研究がHigh sensitivity of roots to salt stress as revealed by novel tip bioassay in wheat seedlings”というタイトルでBiotechnology & Biotechnological Equipment 35(1) 246-254に掲載されました。

https://doi.org/10.1080/13102818.2020.1852890

 

この論文はコムギを5 mLのピペットチップで栽培する方法(チップ法)が,コムギ幼苗の耐塩性の生物検定に応用できること報告したものです。中村研究室では『一つの目標を皆で共有し,力を合わせて完成する』ということで,様々なパンコムギ品種を7人のゼミ生全員で少しずつ分担し,チップ法で耐塩性の生物検定をおこなっていました。少し時間がかかってしまいましたが,7人の共同研究が1つの投稿論文という形で実を結んだことを嬉しく思います。 (竹中)

遺伝学・ゲノム科学の教科書が出版されました

このたび、中村千春先生、岡田清孝先生監訳による「エッセンシャル 遺伝学・ゲノム科学」[原著第7版] が出版されました。両先生より、学生さん達へのメッセージをいただきました。
 
岡田先生「現在は遺伝子に関わる知識が必要な時代です。農学部の各学科の勉強にも至る所で遺伝子が顔を出します。この教科書を手に取って興味のあるところから読み始めてくだい。」
 
中村先生「龍谷大学農学部の学生諸君が本書を手に取って、手垢がつき擦り切れるまで読んで、「遺伝学・ゲノム科学」を好きになってくれれば嬉しいです。龍谷大学農学部を大好きな一人として、皆様の農学部がますます発展することを祈りエールを送ります。」 
 
私(浅水)は、第10章「ゲノミクス、プロテオミクスと遺伝子工学」の翻訳を担当させていただきました。本格的な教科書の翻訳は初めてでしたので、内容を損なわないように分かりやすい日本語にするのにとても苦労しました。一昨年春から携わらせていただき、製本された書籍を手にしたときは感激しました。授業でも使っていく予定です。多くの方に読んでいただきたいと思います。

(浅水)
 

 



 

 

 

 

 

 

 

米森先生、畑先生、植野先生の最終講義

 本年度でご退職される米森敬三先生、畑信吾先生、植野洋志先生の最終講義が、125日に実施されました。

先生方の歩まれた輝かしい研究遍歴とともに、学生たちに熱いメッセージを伝えてくださいました。

 

人生に無駄なことはない

真実を求めることの楽しさ

諦めないことの大切さ

人とのつながりは財産 

など…

 

先生方の人生を通したメッセージは、学生たちの心に響いたことと思います。


米森先生、畑先生、植野先生、お疲れ様でした。

そして、ありがとうございました。


(資源生物科学科)



多くの学生、教員が聴講しました
米森先生による講義
畑先生による講義
植野先生による講義

左から植野先生、畑先生、米森先生


感無量の修士報告会・博士公聴会 農業生産科学モデル

 2015年に農学部を設立し、今年で6年目。

 農学部の一期生が学部を修了し、大学院に進学し、そして本日、修士課程での研究内容を発表した。

 足掛け6年の長きにわたり、この日を待ちわびていました。


 樋口先生の挨拶の後、8名の学生が修士課程で行った研究内容を紹介しました。

 全員の写真を示しはしませんが、発表は堂々たるもので、会場からは鋭い質問がたくさん出ました。異なる分野を一つの専攻にしているだけあって、食品の立場から、生物の立場から、いろいろな立場からの質問を受けるのは、大変だったでしょう。
 答えにくい質問もあったに違いありませんが、返答はうまくできており、彼らの成長を感じました。










 最後に、島先生の講評をいただきました。講評の中では「コロナ禍の中で、研究室に来てはいけない、とか、人数制限とか、色々のハプニングがありました。それでも学びを研究を止めなかったことは彼ら彼女らの強みになると考えています。」という言葉が大変心に響きました。
 
 引き続いて、博士課程の公聴会が行われました。該当者は1名です。まずは大門先生の挨拶から。



引き続いて、発表が始まりました。



 学外の先生からも質問をいただき、多くの指摘を受け、またそれを上手く応じることができたと思います。

 「教育」「研究」そして、「社会貢献」が大学の使命です。学生の成長とともに、学部・研究科もやっと整いました。「研究」の部分の基盤が完成したことになります。どこの研究室も、これからどんどん成果が出てくるでしょう。

 感無量の1日でした。
(古本)




修士論文報告会

2021年1月18日
農学研究科地域社会農学モデル2回生による修士論文報告会を開催しました。当モデルで最初の修士論文報告会です。
 
開会のあいさつ

コロナの影響で調査や資料収集が満足に行えない中、2名の院生は一生懸命努力をして修士論文を書き上げました。

 
障がい者の農業雇用についてこれまでの集大成を報告します

的確な質問


中国の養蚕について報告
受け答えも上手くなりました
養蚕の専門家からのするどい質問
貴重なコメント
閉会のあいさつ


中間報告会の時よりも随分とレベルが向上したように思います。修士論文の執筆や報告は卒業論文とは比べ物にならないくらいの労力を要します。良い経験、思い出になったことと思います。お疲れさまでした。

(文責:大学院担当 香川)



メルボルンの植物園

春の学会参加に向けて、イギリス18世紀の旅行記を研究中です。鉄道前の時代、登場人物たちが徒歩や馬車でのんびり行く道程を、古い地図でたどっていると、一緒に旅をしているような心地になります。

以前にこのブログで、ロンドンのキュー王立植物園について書いたことをふと思い出しました。

その後(といっても2年前のことですが…)オーストラリアのメルボルンを訪れた際にも、王立植物園(Royal Botanic Gardens Victoria)に立ち寄りましたので、植物園ファンに写真の一部をシェアしておこうと思います。撮影は3月。爽やかな秋の景色をお楽しみください。

メルボルン中心部の主な観光地は徒歩圏内にあるので、海外初心者でも大丈夫◎植物園は、フリンダースストリート駅からヤラ川を渡り、国立美術館を少し過ぎたところにあります。3時間くらいあれば堪能できる、ほどよい規模です。ギフトショップの店員さんによると、日本からの訪問はとても多いとのこと。コロナ後の旅先におすすめしたいスポットです。(資源生物科学科 佐々木)




かっこいいですね。おそらく、カササギフエガラスです。
繁殖期はとても攻撃的になるので、遠くから観察しましょう。

植物生命科学 卒業論文 発表会 オンライン開催

 緊急事態宣言発出を受けて、本日予定していたポスター発表は急遽、オンライン開催されることになりました。



思えば、前期には研究室には2名までの制限を設け、後期から実験をようやく始めることができました。例年に比べ、明らかに実験時間が少なくなっていました。

そんな彼ら彼女らの本日の発表は、それぞれの研究成果に加え、質問にも的確に答えることのできる状態にまで仕上がっていました。頼もしい限りでした。

古本の研究室では、つい最近になって結果が出るなど、ギリギリまで実験していました。どこの研究室でも、似たような状況だったと思います。本日の発表で、苦労が報われたのではないかと思います。コロナの逆境下での卒業研究という経験はきっと将来活きてくるでしょう。お疲れ様でした。

(古本)

キャリアイベントを開催しました

2021年1月13日

毎年恒例となっている食料農業システム学科のキャリアイベントを開催しました。

このイベントは、これから就職活動を行う3回生が就職活動を終えた4回生から経験談やアドバイスを聞かせていただくものです。

先輩から後輩へ就活のコツの伝授
 

食料農業システム学科では講演形式ではなく、3回生が質問し、4回生がそれに答える面談形式で実施しました。

卒論と就活をどう両立するか
 

例年は学科のすべての研究室が合同で食品商社、食品小売、物流会社、食品メーカー、農業資材メーカー、農協、公務員、等のブースを10か所程度設置して、そこに4回生を研究室混合で配置し、3回生が好きなブースを訪問するという学科全体の大きなイベントでしたが、今年はコロナの影響でスケールダウンせざるを得ませんでした。

学生の移動や部屋への出入りを少なくするために、研究室単位で先輩と後輩が面談することを基本とし、民間企業とは毛色の違う公務員とJAのみ、研究室合同の面談を行いました。

他ゼミの先輩から話を聞く
 

ただし、研究室単位で実施が難しい場合は他の研究室の先輩に力を貸してもらいました。研究室間の連携の賜物です。

JAブース:民間と何がどう違うのか?

 
公務員ブース:試験勉強のコツは何か?
 

3回生の学生達は貴重な情報収集ができたことと思います。これを契機として就職活動を頑張ってくれることを期待しています。

協力してくれた4回生に感謝です。本当にありがとうございました。

(学科キャリア委員:香川、キャリア副委員:金子)


 

山形先生 最終講義

2週続けての最終講義。本日は山形先生。

学生の頃、先生の研究成果でCell誌に発表された「cGMPとフィトクロームシグナルの関わりについて」の論文を読んだことがある。

その後、フィトクロームの核移行が示され、その仮説は下火になったが、私自身は、最近のフィトクロームの多機能性を考えて、まだ、先生の示された研究成果の可能性はあるのではと思ったりする。

最終講義では、その論文を含む、思い出の論文3つを題材にこれまでの振り返りをなされた。

最後に、教育者らしく生命倫理の話をされた。






先生の趣味とする(中国の未踏峰を登頂するなど、趣味にしては本格的にすぎるが)研究と山登りの類似性を示され、パイオニアとしての視点の重要性を示されていた。その言葉に、焦りのような、ざわつきのような、心の震えを感じた。

きっと学生にも響いたに違いない。

長らくの研究教育生活、お疲れ様でした。ありがとうございました。

(古本)


長浜バイオでのゲノム編集に関する講演会

 長浜バイオにおられる知人から、講演会の案内をいただいた。

長浜バイオ大学が今春開設する「ゲノム編集研究所」の開所記念講演だ。演者の中に、今非常勤で龍谷大学農学部植物生命科学科に来ていただいている土岐先生を見つけた。動物、植物、倫理の観点からまとめた講演会で、なかなか面白そうだ。

ゲノム編集はこれからの社会の基盤技術になろう。

参加してみようと思う。



(古本)

奥野先生、原田先生 最終講義

  後期授業が終わりを迎える今頃は、今年退職予定の先生方が、最後の講義をなさる時期でもあります。

 農学部開設以来、お世話になってきた植物病理学研究室の奥野哲郎先生から、最終講義「ウイルス、カビ、農薬と歩む研究の旅路」と題された最終講義をいただきました。




 これまでの研究経歴から、その当時の苛烈な研究競争や発見の喜びなどを伺い、最後には、研究は「YMW」だ!(やってみなくてはわからない)、というメッセージをいただき、先生の研究スタイルに感銘を受けました。


 また、実験実習助手の原田先生からも「龍大で行ってきたカビ−農薬研究」と題した最終講義をいただきました。
 原田先生は、奥野先生と共に進められてきた「カビと農薬」の研究成果について、龍谷大学での成果として最近iScienceに受理された研究内容を説明いただきました。




 奥野先生には、学生の頃からお世話になっていたことを思うと、最後の6年間をご一緒できたこと、とても光栄でした。ありがとうございました。

 コロナのために急に着目されたRNAウイルスですが、植物病理学上も重要です。ウイルス学の流れを俯瞰することができました。

 両先生、これまで研究・教育とご尽力いただき、本当にありがとうございました。

(古本)