社会学部坂本ゼミと農学部金子ゼミで合同ゼミを実施しました

 2021年9月15日(水)に、龍谷大学社会学部コミュニティマネジメント学科の坂本清彦先生のゼミに所属する3・4回生の学生と、農学部食料農業システム学科の金子ゼミに所属する3・4回生の学生計49名が、オンライン合同ゼミを実施しました。

まずはじめに、zoomのブレイクアウトルームで学生同士が自己紹介と交流を行いました。

その後、各ゼミの活動についてのプレゼンテーションを通し、学びを深めました。

坂本ゼミからは、ゼミでの学び、ゼミの運営方法の紹介をしていただきました。

続いて、60歳以上の方々が新しい知識や教養を身につけるために設立された滋賀県レイカディア大学との交流・情報技術支援活動についてご紹介いただきました。



金子ゼミからは4年生のリーダーを務める3名が、ゼミの学習内容、課外活動など具体的な取組みを紹介しました。

これまでのゼミで行ってきた研究内容の紹介や、
丹波市での課外活動等、農学部独自の活動を紹介

続いて、金子ゼミ3年生の4チームが現在取り組んでいる課外活動(PDCAの実践)を紹介しました。

業研班4名が実施する調味料業界の企業分析について紹介

農業戦略班3名が実施する農業経営と6次産業化を学ぶ取り組みについて紹介

飛梅班3名が実施する、飛梅通信の執筆活動、
ゼミ生全員で実施したニュース記事要約の運営の取組を紹介

てくてく班4名が実施している
滋賀の穀物の魅力を伝える地産地消マップの作成についての取組を紹介


活動発表後は質疑応答を行い、内容の理解を深めました。

最後に両ゼミの学生が取り組んでいる女性の健康啓発のプロジェクトについて、ディスカッションと発表を行いました。

それぞれのゼミの学生からは次のような感想がありました。

農学部金子ゼミの学生の感想:
  • 今回の合同ゼミを通じて、それぞれのゼミの特色を知る事が出来たので大変良い経験になりました。坂本ゼミのレイカディアプロジェクトに興味を持ちました。年代が違う方と意見交換する事が出来る良いプロジェクトだと思いました。そして、3回生・4回生が合同でゼミを行っているとお聞きし、縦の繋がりが強い事も伝わってきました。
  • 農学部のゼミは友人を通してある程度どんな活動をしているのか知っていたが、坂本ゼミのような社会学部のゼミがどのような活動をしているのかはまったくイメージがわかなかったため、今回多くのことが知れて大変興味深かった。最後の女性の健康啓発活動のディスカッションは男が私1人しかいなかったため積極的な発言が求められたが改めて向き合う機会となり非常に楽しく話し合えた。

社会学部坂本ゼミの学生の感想:
  • 金子ゼミの方の発表を聞いて、コロナ禍でも自分たちにできることは何かを考え主体的に動いていて圧倒されました。他のゼミでやっていることで簡単にできることなどを一緒にやってみたいです。
  • 私達は興味関心が人それぞれで、全体でまとまった軸となるテーマが決めにくく、活動をじっくり吟味していくことが難しい反面、自分では知りえなかったゼミメンバーの興味関心から幅が広がり面白さを実感している。しかし、農学部のゼミでは全体の大きな軸が決まっていることで内容の濃いゼミを展開されており、学生間での気づきがあるのだと様々な活動内容に圧倒されました。

合同ゼミの取組みについて、次のような感想もありました。
  • 他のゼミへの発表を通して自分の士気も上がり、相乗効果でより良いものになって行くのではないかと思った。
  • 是非両方の学部で共通点などを見つけコラボ企画のように学部外で何か活動してみたいと思った。
  • 今後も合同ゼミを行うなら、同じ課題を社会学部と農学部それぞれの立場から行ってみると互いに違った視点から意見を交換することができるのではと思いました。

学生たちは、他学部の研究分野等を学べ大変刺激になったようです。自分自身のことを振り返るきっかけにもなったと思います。
今後のゼミ活動や研究に、より意欲的に取り組んでほしく思います。

坂本先生、坂本ゼミのみなさん、ありがとうございました。(金子)

SSHラボステイ

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは、高等学校等において先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進する文部科学省の事業です。

 8月5~7日の3日間、SSH指定校である奈良の西大和学園高等学校の高校生3名が、応用線虫学研究室で研究室体験(ラボステイ)を行いました。3名は植物寄生性線虫に興味を持ち、SSH自由研究として、プロヒドロジャスモンを用いて食害応答を誘発することでネコブセンチュウ害を軽減することができるかどうかに取り組んでいます。今回は土壌中のネコブセンチュウ密度をDNAを用いて定量する方法を学ぶべく、当研究室に来てくれました。

真剣に取り組む高校生たち

 3人に行ってもらった実験は、土壌からの線虫分離→生物顕微鏡下での線虫計数、実体顕微鏡下での線虫釣り→DNA抽出→PCR→電気泳動、およびリアルタイムPCRを用いた分離線虫数の推定などです。また、最終日一連の実験が終わった後で、パワーポイントを使って今回の成果と振り返りを発表してもらいました。

ラボメンバーとともに

 当研究室のゼミ生並みの専門的な作業を盛り込んだスケジュールを立て、8割くらいできれば上出来と考えていたのですが、3名は苦労しながらも予定していた作業をほぼすべて行ってくれました。今回のラボステイの経験を活かし、SSHの研究テーマを進めて行ってくれればと思います。また、これまで以上に線虫のことが好きになってくれることを期待しています。(応用線虫学研究室 岩堀)

学生が国際学会で発表しました!

9月8日~10日の3日間にわたり,第10回アジア作物学会議(Asian Crop Science Association Conference: ACSAC10 (http://acsac10.org/))が開催され,本学大学院農学研究科修士課程の清水君(植物栄養学研究室),桝田君(作物学研究室),今年の3月に卒業後に兵庫県職に採用された玉置君(同)が,それぞれ本学で研究した成果を発表しました.Covid19の感染拡大でオンラインでの開催になりましたが,アジア諸国の多くの参加者と情報交換ができたようです.



(作物学研究室 大門)

8/7・8/8オープンキャンパス(植物生命科学科担当分)

 8月7日、8日に、龍谷大学ではオープンキャンパスが開催され、農学部でも各学科でイベントが行われました。

植物生命科学科では、学科や各研究室の紹介ポスター&動画の展示に加えて、学科教員が執筆に関わった教科書などの書籍類の展示を行いました。展示会場では学科教員と在学生が常駐し、参加された受験生や保護者の方々からのさまざまな質問に対して、教員や在学生、それぞれの目線での回答を行いました。


展示会場では、センチュウが感染した植物の根を観察するための顕微鏡も設置して、参加者に顕微鏡観察を体験していただきました。こういった観察をするためには、植物組織を固定・薄切りして、よく見えるように染色したものを用意する必要があるのですが、今年の3年生が実際に学生実習で作成したものを用いました。高校の生物教科書では出てこないようなサンプルを実際に観察することで、農学部での学びの一端を感じていただけたかと思います。




また、農学部では、各学科がそれぞれ、学科での教育・研究の様子を感じてもらおうと様々なイベントを用意していましたが、植物生命科学科では学生実習体験を企画しました。今年は古本先生による【植物の気孔を顕微鏡で観察する実習】でした。コロナ禍対策もあり、限られた時間、限られた人数でしたが、7日・8日ともにほぼ予約人数いっぱいで、盛況のうちに終了しました。農学部生が普段、さまざまな実習のために利用している学生実習室で行ったこともあり、受験生や保護者の方々にも【農学部生】のイメージがおぼろげながらも湧いたのではないでしょうか。



今年度はコロナ禍対応で予約制になるなどの不便もありましたが、限られた参加者数の中、その分、じっくりと質問対応や実習体験を行うことも出来ました。来年も含めてコロナ禍でまだまだ先の見通しが不透明なところもありますが、今後のオープンキャンパスイベントにも是非ご注目ください。


(別役)




入門ゼミでのプレゼン発表会(植物生命)

龍谷大学農学部では、前期に新入生対象の入門ゼミという授業があります。

植物生命科学科の場合は、新入生を10人程度のクラスに分けて、それぞれ教員が1人ずつ担当します。農学部の紹介や学科教員の研究内容の紹介に始まり、さらには(ここが一番大事ですが)大学生として必要なレポート作成やプレゼンテーション作成・発表の方法などを身につけます。

この授業の集大成として、植物生命科学科では、7月17日にプレゼン大会を行いました。学科の全6クラスそれぞれであらかじめ予選(?)を行って、クラスごとに2題の代表プレゼンを選出してもらい、合計12題分の発表が行われました。複数人で一題を発表するクラスもあれば、1人一題のクラスもあり、クラスごとの個性が伺えました。


コロナ禍での感染防止対策として大教室での開催となり、慣れない緊張の場だったと思いますが、登壇した学生さんは皆、緊張もなく、とても堂々とした発表をしてくれました。

大学生らしく【自由課題での発表】としたところ、植物生命科学科の学生らしい【生物】に関することから、【地学】のような学問分野、さらには【ファッション】から【阪神タイガース】まで、多彩な発表内容で、それぞれ内容の深みもありました。学業はもちろんですが、大学生の時間のうちに興味あることをそれぞれ極めてほしいと思います。

この新入生たちが、4年間を有意義に過ごして、堂々とした卒業研究発表をしてくれる日が今から楽しみになる1日でした。


(別役)





研究内容が紹介されました(植物生命・塩尻研)

植物生命科学科の塩尻先生のご研究の紹介記事「植物の匂いが結ぶ植食者と寄生バチの関係」が、JT生命誌記念館発行の季刊「生命誌」106号に掲載されました。植物と昆虫の間の興味深いやりとり(相互作用)のお話です。



以下のサイトからもご覧になれます。

JT生命誌記念館発行「生命誌」106号

「植物の匂いが結ぶ植食者と寄生バチの関係」


世の中にはまだまだ未知の面白い生命現象がたくさんありますね!



(別役)

【植物生命科学科で扱う実験生物】No.13 ナス

   植物生命科学では、植物はもちろん、微生物から昆虫まで(中には動物を使ってのデータも!)さまざまな生物を実験に用います。このシリーズでは、各研究室で扱っている生物を順番に紹介していきます。


ナスは日本の代表的な夏野菜です。

龍谷大学の牧農場でも、今年もたくさん収穫されていました。

私たちが食べているナスは、もちろん実の部分です。

その実をつけるために、ナスの花にはいろんな工夫がされています。



◎ナスの花について◎

このようにナスの花は下を向いて咲く様子がよく見られます。

中心にある細長く先端が緑の器官がめしべで、めしべを取り囲むように6本のおしべが配置されています。

花粉はおしべの黄色い葯の中で作られます。

葯の先端がフタのように開いて(裂開といいます)、花粉が出ていく仕組みになっています(→の部分)。

花が下を向いていることで、めしべの先端(柱頭)に花粉が付き、受粉できる、というわけです。

 



上の花は1枚目の写真の花と比べて決定的な違いがありますが、わかりますか?

正解は、中央の薄い緑の組織(めしべの柱頭)の位置です。

栄養不足や気温・日照が生育に合わないと、めしべの長さが短くなることがあります。

めしべが短いと葯が開いても上手に受粉できず、花は落ちてしまいます。

今は実を育てられそうにない、とナスが判断しているのですね。



◎雄性不稔◎


私は、ナスの雄性不稔について研究しています。

雄性不稔とは花粉が上手く作られない性質のことです。

 

正常なナスでは葯が丸々と太っているのに対し、雄性不稔性のナスでは、葯が扁平になっています。

顕微鏡で花粉を観察してみると、両者の差は明らかです。

雄性不稔のナスの花粉では、受精して種をつくることができません。

つまりその系統は途絶えてしまいます。

そこで雄性不稔ナスを育てる時には、正常ナスを一緒に育てて、花がついたタイミングで人工交配する必要があります。

できたナスから種をとり、系統を維持していきます。


この雄性不稔ナスを使って、不稔を引き起こす遺伝子を突き止める研究を行っています。



                                  (辻村真衣)