⿓⾕⼤学で日本雑草学会第62回大会が開催されました

202332426日の3日間,龍谷大学瀬田8号館で、日本雑草学会第62回大会が開催されました。当研究室が学会のホスト役となるのは初めての上に、コロナ禍後初めての対面開催でもあり、不安要素は多々ありましたが、日頃おつきあいのある京都大学・近畿大学・大阪公立大学の関連研究室、滋賀県農業技術振興センター、県内に研究所のある三井化学アグロ(株)、石原産業(株)、日本植物調節剤研究協会の関係各位にもご協力をいただき、無事に役割を果たすことができました。

4年生が巣立ったあとだったので、学会参加経験のない3年生諸君に裏方のあらゆる仕事をやってもらうことになりましたが、教員の心配はよい意味で裏切られ、みなてきぱきと的確な動きを見せてくれました。就活の真っ最中だったせいでしょうか、スーツ姿もなかなか板についていました。


 龍谷大学関連で特筆すべきこととして、「食と農の総合研究所」の野村康之研究員が学会賞(奨励賞)を受賞され、受賞講演をおこないました。また、先端理工学部の内田欣吾教授に「光応答性結晶で作成するバイオミメティック表面」と題した特別講演をいただき、貴重な異分野交流の機会となりました。

たいへんおもしろかったのは、この大会開催がたまたま見かけられた方にTwitterで紹介されて90万件表示、2万いいねの大バズりとなっていたことです。2万いいねというのは、大会参加者数の100倍です。「雑草学会」という名前にインパクトがあったのでしょうか。この一件はJタウンネットさんがとりあげてくださり、Yahoo! JAPANなどで配信されました。こちらのリンクからぜひご覧ください。

(雑草学研究室 三浦励一)


入門ゼミの教員紹介とクイズ大会

4月14日(金)の入門ゼミで、農学科の新入生と教員が一堂に集まり、毎年恒例の顔合わせを行いました。彼ら彼女らは農学科として記念すべき最初の新入生になります。様々な期待を抱いて学生生活をスタートさせる新入生に、先生方からメッセージが送られました。これから始まる学生生活、充実したものになることを願ってます。



後半はこれも恒例のクイズ大会。昨年から問題やレイアウトを一新してバージョンアップ。すべて農学部ならではのマニュアックな問題。卒業するころには余裕で回答できるようにこれから勉強に励んでください。


(平山)

卒業生の研究成果が論文として公開されました(生命・小野木研)

 一昨年度卒業した研究室1期生の寺本大輝さんの研究成果が論文として日本作物学会紀事92巻1号に掲載されました。


タイトル:育種ヒストリカルデータを用いたダイズ発育モデルの構築とパラメータ最適化手法の比較

著者:寺本 大輝, 小野木 章雄

リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcs/92/1/92_28/_article/-char/ja

(リンクからどなたでも論文を見ることができます)

作物の生育過程は数理モデルで近似することができます。この研究ではダイズの播種から開花までの生育をDevelopmental rate(DVR)モデルという数理モデルで近似しました。そしてそのパラメータを過去55年にわたるダイズの品種改良において得られたデータを用いて最適化し、将来の任意の気候条件のもとで、いつ開花するか予測することができるようにしました。またパラメータを最適化する手法を複数検討し、群粒子最適化法という手法が最も適していることも見出しました。これにより温暖化が開花に与える影響を調べたり、適切な播種期を選択したりできるようになります。

作物栽培と数理モデルは意外な組合せに見えるかもしれませんが、実はとても長い歴史のある研究分野です。そういった分野において新しい知見を得ることができたのは、とても素晴らしいことです。現在は、数理モデルにゲノム情報を組み合わせる手法を在学生とともに研究しています。

生命データ科学研究室 小野木

卒業生温井太一さんの学会発表(生命・小野木研)

 昨年度卒業した研究室2期生の温井太一さんが日本育種学会第143回講演会(3/17~18@静岡大学)で口頭発表を行いました。

(残念ながら会場で本人の写真を撮り忘れたので、発表資料のタイトルという地味な画像になってしまいました・・・)。

内容はスタッキング(stacking)という機械学習の一種を行うためのツールキットを開発し、ダイズの成熟期予測に応用した、というものです。プログラミング言語は生物学でよく用いられるRを使用しました。スタッキングはアンサンブル学習という複数の予測手法を利用する学習方法の一種であり、データ解析のコンペティションでもよく用いられます。

作物の成熟期は収穫の時期や生育期間を左右する重要な性質であり、遺伝子や様々な環境要因の影響を受けます。そのため成熟期の予測は栽培管理や品種改良において重要ですが、難しいことでも知られています。今回、機械学習の一種であるスタッキングを用いることで、従来手法より高い正確さでダイズ成熟期の予測が可能であることを示すことができました。

機械学習には様々な予測手法があり、スタッキングに限らず多様な手法を試み、より正確な予測が可能なように研究を続けていきたいと思います。

生命データ科学研究室 小野木

龍谷大学で園芸学会令和5年度春季大会が開催されました

 2023年3月16日,19日,20日の3日間にわたり,園芸学会令和5年度春季大会が開催されました。この大会はオンラインと対面のハイブリッドで開催され,16日にオンラインでのポスター発表が,19日と20日に対面での口頭発表が行われました。滋賀県では初めての園芸学会の大会となり,事務局を担当された先生方はとても大変だったようです。
 野菜園芸学研究室から4回生の石神君と里岡君がそれぞれ,卒論研究で行った「ニホンカボチャ遺伝資源からの単為結果性品種の探索」と「日中の高温制御と布団資材が単為結果性トマトの冬季無加温栽培の収量および品質に及ぼす影響」についてオンラインで発表しました。大学教員,農業試験場の研究員や種苗会社のブリーダーなどの多くの関係者から様々な質問を受け,たくさんの刺激を貰えたようです。
 学会発表の準備はとても大変ですが,その分,多くの事を学ぶことができます。なかなか経験できない事なので,ぜひ次の4回生も頑張って実験を行い,学会発表にチャレンジしてもらいたいですね。 
 (野菜園芸学研究室 滝澤)