卒業生の研究成果が論文として公開されました(生命・小野木研)

 一昨年度卒業した研究室1期生の寺本大輝さんの研究成果が論文として日本作物学会紀事92巻1号に掲載されました。


タイトル:育種ヒストリカルデータを用いたダイズ発育モデルの構築とパラメータ最適化手法の比較

著者:寺本 大輝, 小野木 章雄

リンク:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcs/92/1/92_28/_article/-char/ja

(リンクからどなたでも論文を見ることができます)

作物の生育過程は数理モデルで近似することができます。この研究ではダイズの播種から開花までの生育をDevelopmental rate(DVR)モデルという数理モデルで近似しました。そしてそのパラメータを過去55年にわたるダイズの品種改良において得られたデータを用いて最適化し、将来の任意の気候条件のもとで、いつ開花するか予測することができるようにしました。またパラメータを最適化する手法を複数検討し、群粒子最適化法という手法が最も適していることも見出しました。これにより温暖化が開花に与える影響を調べたり、適切な播種期を選択したりできるようになります。

作物栽培と数理モデルは意外な組合せに見えるかもしれませんが、実はとても長い歴史のある研究分野です。そういった分野において新しい知見を得ることができたのは、とても素晴らしいことです。現在は、数理モデルにゲノム情報を組み合わせる手法を在学生とともに研究しています。

生命データ科学研究室 小野木