権威と伝統を誇るアメリカ微生物学会が発行するオンライン学術雑誌があります。名古屋大学や中部大学と共同でこの雑誌に原稿を送ったところ、匿名審査員の1人から「微生物の共存に関する段落はややこしく雑誌の趣旨から外れるので省け」と指摘され、改訂に苦労しました。しかし結局、約480万塩基対からなり4,464のタンパク質コード領域を有する新しいRalstonia sp.のゲノムに関する論文が出版されました(https://doi.org/10.1128/MRA.01441-18)。
ただ、この「Article」の本文には500語の上限があり、PDFにするとわずか2ページで、ある意味膨大な情報量が発表されてはいるのですが、図表がひとつもありません。フロントにロボットだけがいるホテルがちょっと前に話題になり、そのうちに運転手がいない自動車が道路を行き交う時代が来るのかもしれませんが、図表がない研究論文が世の中に存在してその著者になるとは夢にも思いませんでした。(畑)