【植物生命・卒研紹介シリーズ2022】No. 4 情報生物学研究室

 【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます

 急速に秋が深まり、冬の始まりを感じる今日この頃、 植物生命科学科の各研究室では4回生が卒業研究の仕上げに向けて熱い日々を過ごしています。昨年度同様、今年度も各研究室の卒業研究の様子をリレー形式でお伝えしようと思います。植物生命の各研究室ではどんな研究をしているのでしょうか?

データから生命や農業の新たな知識を得る​

 情報生物学研究室(永野)では、たくさんのデータを実験で取得すること、そのデータを解析すること、に関わる研究を行っています。たくさんのデータを取得するための実験手法の研究も行っており、最近、環境DNA解析を効率化する手法を開発しました(Ushio et al., 2022, Environmental DNA)。その手法を活用して、今年度は農学部が実習を行っている牧農場で継続的に環境DNA解析を行う卒業研究を行っています。

 環境DNA解析は、池の水などにごく微量含まれているDNAを増幅して配列を解読することで、その池に生息する魚などを検出することができる方法です。卒業研究では、水田とその横の水路の水を田植えから毎週、継続的にサンプリングして、どのような生物が検出されるか調べています。これまで研究室で実績のある節足動物を対象にした方法を中心に取り組みつつ、新たに両生類の検出にもチャレンジしています。

田植え時に環境DNA解析のためのサンプリング方法の講習を受けているところ

 また、この卒業研究は「アグリDX人材育成事業(文部科学省:デジタルと専門分野の掛け合わせによる産業DXをけん引する高度専門人材育成事業)」の一環でもあります。今年度の卒研生による研究をもとに、より低年時の実習などに環境DNA解析を取り入れることも検討していく予定です。

(永野