我が国には、国内の植物(森林、緑地、造園、自然保護なども含む)に関わる研究や技術開発に大きな功績のあった方々を表彰する「みどりの学術賞」というものがあります。
その「みどりの学術賞」の令和4年(第16回)受賞者として、植物生命科学科の元教授である岡田清孝先生が選ばれました。
(農学部HPより)
岡田先生は2015年の本学農学部開設以来、植物生命科学科で特任教授として指導に当たられ、2018年度をもって退官なされた後、本学Ryukoku Extension Center(REC)でフェロー、顧問と歴任なさっています。
岡田先生の業績はいろいろなところで目にすることが出来ますが、植物形態形成機構解明に関わる数々のご研究成果はもちろん、忘れてはならないのがシロイヌナズナというモデル植物を用いた研究分野の立ち上げに、国内外で尽力されたことでしょうか。
農作物など様々な植物の研究が大切なのはもちろんですが、世界中の研究者が一つのモデル植物を用いて、形態形成や環境応答などさまざまな観点で遺伝学を基盤とした研究を進めようとした活動はとても意義のあることだったと思います。現在、高校・大学で扱うような教科書では、例えば、花形成のABCモデルなど、植物という生き物のしくみが当然のように記載されていますが、こういった知識もシロイヌナズナ無しではまだ我々にもたらされていなかったかもしれません。特に、シロイヌナズナを中心とした日本の植物生命科学研究は世界的に見てもレベルが高いと認識されてきましたが、その礎を作られた重要なおひとりだったと言っても全く過言ではないと思います。
この賞は、コロナ禍以降オンラインでの受賞記念講演などが行われるようになっています。今回はまだ情報がありませんが、もしオンライン講演などが行われるようでしたら、またここでアナウンスしますのでぜひ聴講してみてください。
いずれにせよ、学生の皆さんは、そのような先生がこの学科で教鞭を執られていたことをぜひ覚えておいて下さいね。まだ歴史の浅い本学農学部植物生命科学科の、忘れてはならない「歴史」の一つです。ちなみに先生はまだRECフェローとしてご在籍なので、瀬田キャンパスでお見かけすることもあるかもしれませんよ。
(別役)