国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)は数々の大きな学術研究費の配分を行なっている組織です。JSTに限らず、研究費配分機関からの公募制研究費(競争的研究資金などと呼ばれます)は、ほとんどの場合、3年程度(長くても5年程度)の限られた研究期間のみ研究費を支援するシステムになっています。
しかし、研究活動とは、どんなに素晴らしい計画でもそもそもなかなか予定通りに進むようなものではありませんし、一つ課題が解決してもすぐ次の課題が出てくるようなものです。さらにもっと言うと、その研究を続けたければ3年毎に研究者は研究費に応募し続けなければいけない、ということにもなっています。
こういった問題点を解決するために、JSTにおいて「創発的研究支援事業」という新たな事業が創設され、特に優れた研究提案に対して原則7年、更なる審査を経て最長10年間の研究費支援を約束する枠組みが作られました。とても素晴らしい取り組みですが、「特に優れた」とあるようにとても狭き門となっています。
この創発的研究支援事業に、植物生命科学科の永野惇准教授による「野外トランスクリプトームの化学的制御手法の確立」と題したプロジェクトが採択されたことが先日、発表されました。
永野先生からのコメントです。
「今回、採択いただいた研究はこれまで農水省やJSTの支援で進めてきたものを更に発展させるものです。実際の野外圃場を用いた研究は、年に一度しか栽培の機会がないので、どうしても時間がかかります。そのため、7年以上の長期にわたって支援していただけるのはとてもありがたいです。」
植物生命科学科の教員として、ぜひこの大きな研究プロジェクトを成功させ、ぜひ植物生命科学を一新するような新しい研究成果を発表していただきたいですね!
余談ですが、このプロジェクトでは研究プロジェクトに関わる大学院生への支援も含まれており、研究推進のみならず、人材育成と言う意味でも重要なものです。永野研での大学院研究に関しては永野先生に相談してみて下さい。
(別役)