2019年11月22日、龍谷大学農学会主催によるオープンセミナー「文化資源をいかした地域づくりへの取り組み―ラオス北部農村と中国貴州省少数民族地域の事例から―」を開催しました。これは、科研費基盤研究C「日本と中国の地域資源をいかした都市・農村間連携モデルと持続可能コミュニティの創出」研究会(代表:近畿大学教授 藤田香)との共催によるもので、貴州師範大学カルスト研究院の任暁冬教授と食料農業システム学科の落合雪野教授に研究報告をしていただきました(共に英語を使用)。
落合教授からは「染織文化をめぐるアグリツーリズムの展開―ラオス北部農村域の事例から―」と題して、研究フィールドにされているラオス北部農村における染織文化と家内生産の様子、生産品のフェアトレードの取り組み、機織り体験も含んだアグリツーリズムの取り組みなどが紹介されました。
任教授からは「非物質文化をいかした地域づくりの展開―中国貴州省少数民族地域の事例から―」と題して、中国貴州省・苗族の伝統的藍染め文化と、染織品生産の様子、現代的なデザインや生地との融合により都市住民への販売を増やすことで、少数民族地域の貧困削減につなげる取り組みなどが紹介されました。
中国南西部からベトナム・ラオス・タイ・ミャンマーにかけては、多くの少数民族が暮らし、国境をまたいで共通の民族も散らばっています。今回のセミナーの報告では、貴州省とラオス北部の少数民族地域における染織文化やそれを生かした地域づくり・貧困削減への取り組みの共通点と差異が明らかになり、大変興味深い内容でした。報告者のお二人の先生と参加者の方々に感謝申し上げます。(竹歳)