植物生命科学実習(7/5, 12, 19, 26)

 7月に入り、植物生命科学実習もいよいよ終盤になりました。

土岐先生の実習では、4回にわたってDNAマーカーのジェノタイピングとそれを使った連鎖解析を行いました。


材料にはシロイヌナズナのColumbia株(以下Col株と略します)とLandsberg erecta(以下Ler株)を両親に使ったF2集団を使いました。

 

Col株とLer株には以下に示す特徴があります。

トライコームというのは、葉の表面にできるトゲのような毛のことです。

Col株はありますが、Ler株はありません。

また花のつき方も違います。

Col株は総状花序といって、主軸に対して柄が長く伸びた花が間隔を空けて付いています。

一方、Ler株は先端に花芽が密集しています。

 

これらは、それぞれ独立の1つの遺伝子によって形態が変わります。

Col株とLer株を掛け合わせることで、メンデルの遺伝様式に従った分離を示すことが予想されます。

 

今回の実習では、トライコームのあり・なしを支配する遺伝子に連鎖するマーカーを使い、F2の個体がホモなのかヘテロなのか調べました。

まず、親系統とF2集団の個体からDNAを得ます。

今回はPCRをかけることが目的なので、簡易法で回収しました。

F2集団の個体は、トライコームのあり/なしを判別してから材料としました。

 

これらのDNAを鋳型に、3つのマーカーでPCRを行いました。

PCR産物を電気泳動します。

実習では何度も電気泳動を行いました。

繰り返すことで手順を覚えて、スムーズに実験できるようになりました。

 

泳動結果を元に、考察します。

F2Col型なのかLer型なのか、あるいはヘテロなのか、皆さん判別できたでしょうか?

 

最後に、実態顕微鏡を使ってトライコームの観察と花序の観察を行いました。



前期の実習はこれで終わりです。

実習で得た技術や知識を、卒業研究にしっかり活かしてくださいね。

 

                                  (辻村)