7月に入り、植物生命科学実習もいよいよ終盤になりました。
土岐先生の実習では、4回にわたってDNAマーカーのジェノタイピングとそれを使った連鎖解析を行いました。
材料にはシロイヌナズナのColumbia株(以下Col株と略します)とLandsberg erecta株(以下Ler株)を両親に使ったF2集団を使いました。
Col株とLer株には以下に示す特徴があります。
トライコームというのは、葉の表面にできるトゲのような毛のことです。
Col株はありますが、Ler株はありません。
また花のつき方も違います。
Col株は総状花序といって、主軸に対して柄が長く伸びた花が間隔を空けて付いています。
一方、Ler株は先端に花芽が密集しています。
これらは、それぞれ独立の1つの遺伝子によって形態が変わります。
Col株とLer株を掛け合わせることで、メンデルの遺伝様式に従った分離を示すことが予想されます。
今回の実習では、トライコームのあり・なしを支配する遺伝子に連鎖するマーカーを使い、F2の個体がホモなのかヘテロなのか調べました。
まず、親系統とF2集団の個体からDNAを得ます。
今回はPCRをかけることが目的なので、簡易法で回収しました。
F2集団の個体は、トライコームのあり/なしを判別してから材料としました。
これらのDNAを鋳型に、3つのマーカーでPCRを行いました。
PCR産物を電気泳動します。
実習では何度も電気泳動を行いました。
繰り返すことで手順を覚えて、スムーズに実験できるようになりました。
泳動結果を元に、考察します。
F2がCol型なのかLer型なのか、あるいはヘテロなのか、皆さん判別できたでしょうか?
最後に、実態顕微鏡を使ってトライコームの観察と花序の観察を行いました。
前期の実習はこれで終わりです。
実習で得た技術や知識を、卒業研究にしっかり活かしてくださいね。
(辻村)