資源生物科学科の卒論発表会が開催されました

今年度の卒業論文発表会は、例年とは異なり、年明けの118日(土)に開催されました。11研究室が3会場に分かれ、張り詰めた雰囲気のなか始まりました。

本学科では、卒業論文発表会はパワーポイントを使用して行う口頭発表形式で実施しています。口頭発表にこだわるのは、スライド作成やプレゼンテーションスキルを磨くよい機会であると考えているからです。最初は学生からの質問が少なく、少し静かな雰囲気でしたが、会が進むにつれて質問が増え、活発な議論が行われる場面も見られました。

発表準備に追われた日々や、思うように結果が出ずに苦労した場面もあったと思います。しかし、こうして一生懸命努力し、最後までやり遂げた経験は、これからの人生において必ず大きな糧となるはずです。4年生の皆さん、本当にお疲れさまでした。今後の皆さんの活躍を心より応援しています。

また、3年生は進行役やマイク係のお手伝いで、2年生は授業の一環として参加してくれました。先輩たちの研究発表を間近で見ることで、今後の卒業研究や研究室配属を考える上で参考になったことと思います。

 



(平山)



卒業論文 発表会 

 本日は、卒業論文発表会です。

生命科学科では、ポスター発表形式で実施します。

生命科学科の2年生と3年生が主に聞きます。それぞれは先輩の発表する姿に、1年後ないしは2年後の自分の姿を重ねていることでしょう。

発表の学生は、一年の研究成果をどうにかうまく伝えられるよう、一生懸命に説明しています。


研究成果が漏出することは避けたいので、写真撮影SNSへの投稿は基本的にはNGですが、この写真は私の研究室のものなので、未発表の内容ですが大丈夫です。写真の学生は、私たちの研究室で10年来のドイツの研究者との共同研究として進めている研究に携わっています。ここ数年肝心なデータが取れないで困っていたのですが、昨年と今年の学生でうまく問題を回避できました。共同研究者に良い報告ができます。最後に追加のデータを取りたいと、年明け早々にも実験をしてくれていました。学生の頑張りには感謝しかありません。

(古本)

アクプランタ株式会社 金先生の講演

 本日は基礎演習の中でのキャリア講演会で、アクプランタ株式会社の金先生(代表取締役)に講演をいただきました。




植物が高温と乾燥にさらされた時の対応策を、エピゲノム解析などを駆使して明らかにして、ついては、成長調節剤の開発にまで発展した内容でした。

農業ベンチャーはこれからの社会に必要なあり方ですが、中には本当に効果があるのか、理論があるのか、不明なものも多く、どういった企業を紹介すればいいか躊躇することがあります。

金先生は、長崎大学、奈良先端大大学院からアメリカUCLA留学、理化学研究所と異動しながら、知見を広げ、科学的な見地から、酢酸投与が耐性付与に効果のあることを発見し、薬剤を開発することに成功されました。

今は、ウガンダやエチオピアなど発展途上国での農業にも、オーストラリアやアメリカなど先進国の農業でも役立つ薬剤として、販路を絶賛拡大中です。

わかりやすい口調で、身の回りのことから先端科学のことまで、学生たちはずいぶん学びを深めたようです。製品については、年々、販路が広がっているとのことで、温暖化が進行する現在では、ますます必要性の高まる技術・製品だなと感じました。近い将来には本当に世界の農業を変えた1人として、脚光を浴びる方であろうと思いました。同じように高温応答性を解決し、社会実装にまで繋げようと思っていた私としては、羨ましくもあります。

以下、受講生のコメントをいくつか抜粋して示します。

(学生1)地球温暖化の最中の農業を何とかしたいという思いから、Skeeponという誰でも使えて、環境に優しく、大きな効果を持った商品ができたという話にはとても感動しました。Skeeponが注目されて世界中の人々に使われる日が来るのが楽しみです。講演後に質問に答えてくださりありがとう御座いました。

(学生2)酢酸ってすごく身近な物質なので、それで世界を救うことが出来るなんてすごいなって思いました。どんな状態でも使えるし、アフリカでも使えるなら、使い方さえ説明できれば世界中の食料問題に効くなんて夢のような話を伺えたなと思いました。実際に質問させていただいて、思いつけたのが今までの経験とか研究に裏打ちされた結果だと知って、私も頑張っていけばもしかしたら、それを使って何かを成し遂げられるのかなと思いました。

(学生3)最近野菜直売所にインターンシップに行かせていただいたのですが、今年はトマトが暑さの影響で、上手く育たず割れてしまうという話を聞きました。熱耐性をもたらす製品と言う点で地球温暖化が進む中、食料不足を解決できるととても可能性を感じました。

(学生4)何故今大規模な山火事が各地で起こっているのかを前から疑問に思っていたのでメカニズムがしれて非常に興味深かった。 スキーポンを検索にかけると塩害などにも強いと書いてあったのだが、塩害や乾燥に強いということは物質の排出や吸収を抑えた状態でできるだけ体の状態を保持することが出来るという効果がのぞめるということでしょうか。環境にやさしく、それだけの効果が期待できる農薬が作られているということがしれてよかった。


年度末のお忙しい最中にお越しくださり、ありがとうございました。学生だけでなく、教員も大いに刺激をいただきました。
(古本)