本日は基礎演習の中でのキャリア講演会で、アクプランタ株式会社の金先生(代表取締役)に講演をいただきました。
植物が高温と乾燥にさらされた時の対応策を、エピゲノム解析などを駆使して明らかにして、ついては、成長調節剤の開発にまで発展した内容でした。
農業ベンチャーはこれからの社会に必要なあり方ですが、中には本当に効果があるのか、理論があるのか、不明なものも多く、どういった企業を紹介すればいいか躊躇することがあります。
金先生は、長崎大学、奈良先端大大学院からアメリカUCLA留学、理化学研究所と異動しながら、知見を広げ、科学的な見地から、酢酸投与が耐性付与に効果のあることを発見し、薬剤を開発することに成功されました。
今は、ウガンダやエチオピアなど発展途上国での農業にも、オーストラリアやアメリカなど先進国の農業でも役立つ薬剤として、販路を絶賛拡大中です。
わかりやすい口調で、身の回りのことから先端科学のことまで、学生たちはずいぶん学びを深めたようです。製品については、年々、販路が広がっているとのことで、温暖化が進行する現在では、ますます必要性の高まる技術・製品だなと感じました。近い将来には本当に世界の農業を変えた1人として、脚光を浴びる方であろうと思いました。同じように高温応答性を解決し、社会実装にまで繋げようと思っていた私としては、羨ましくもあります。
以下、受講生のコメントをいくつか抜粋して示します。
(学生1)地球温暖化の最中の農業を何とかしたいという思いから、Skeeponという誰でも使えて、環境に優しく、大きな効果を持った商品ができたという話にはとても感動しました。Skeeponが注目されて世界中の人々に使われる日が来るのが楽しみです。講演後に質問に答えてくださりありがとう御座いました。
(学生2)酢酸ってすごく身近な物質なので、それで世界を救うことが出来るなんてすごいなって思いました。どんな状態でも使えるし、アフリカでも使えるなら、使い方さえ説明できれば世界中の食料問題に効くなんて夢のような話を伺えたなと思いました。実際に質問させていただいて、思いつけたのが今までの経験とか研究に裏打ちされた結果だと知って、私も頑張っていけばもしかしたら、それを使って何かを成し遂げられるのかなと思いました。
(学生3)最近野菜直売所にインターンシップに行かせていただいたのですが、今年はトマトが暑さの影響で、上手く育たず割れてしまうという話を聞きました。熱耐性をもたらす製品と言う点で地球温暖化が進む中、食料不足を解決できるととても可能性を感じました。
(学生4)何故今大規模な山火事が各地で起こっているのかを前から疑問に思っていたのでメカニズムがしれて非常に興味深かった。 スキーポンを検索にかけると塩害などにも強いと書いてあったのだが、塩害や乾燥に強いということは物質の排出や吸収を抑えた状態でできるだけ体の状態を保持することが出来るという効果がのぞめるということでしょうか。環境にやさしく、それだけの効果が期待できる農薬が作られているということがしれてよかった。