地域特産物と農業についての講演会@REC

1215日に資源生物科学科の佐藤先生と大門先生が、第6REC BIZ-NET研究会「地域特産物を用いた農業の高度化と6次化」で講演をされました。

地域特産農作物を生産者や消費者にとってより魅力あるものとするには、作物の再評価、時代に即した価値付与、情報発信が不可欠です。作物の由来の解明はその足掛かりとなります。佐藤先生は「近江のカブの多様性と系譜」と題し、主に近江カブと種々の赤カブを取り上げて、DNAマーカーを用いた系統解析や、系統成立の歴史的背景について発表されました。文理融合型研究のお手本ともいうべき内容でした。(なお、佐藤先生の前にJAレーク大津の中塚聡志さんが近江カブの生産振興についてご講演されています。)

大門先生の題目は、「滋賀県における水田の高度利用と環境保全に着目した地域特産農作物の創出」です。ご専門のマメ科作物について、滋賀県で導入しやすい水田転換畑での栽培方法(排水性を高め、地力を増やす方法など)を環境調和型農法として紹介されました。また、付加価値となる知の提供が適切に行われていない現状を指摘され、本学部での学びの意義を再認識させられました。個人的に楽しみにしている、キャンディーコートラッカセイ商品化の進捗報告もありました。

8月に学部有志でバラ園を見学させていただいた(株)Rose Universeの國枝健一さんも、琵琶湖沿岸地域の特性を生かした事業を紹介されました。写真は同社開発の「和ばら」です。(参考:9/5ブログ記事「Rose Farm KEIJI見学会」)



photo & text: Ikuko Sasaki

食品栄養学科2年次生4名がお弁当コンテスト入賞!!

 農学部食品栄養学科2年次生4名が、滋賀県栄養士会主催の『お弁当コンテスト』に入賞しました。4名の受賞は以下の通りです。
 「おいしが賞」西田麗香さん
 「うれしが賞」澤井ほたるさん、林寺泉さん、平井咲紀さん



 お弁当コンテストは、毎年、滋賀県栄養士会が県民に食と健康に関する情報を発信するイベント「食と健康展」に併せて開催しています。
 コンテストでは、滋賀県産の米や野菜等を使うなど地産地消を意識した献立にすることが条件でした。受賞した4名は日頃の食品栄養学科での学習の成果を発揮して、すぐれたお弁当の献立を立てました。
 食品栄養学科では、今後も地元食材を活用した献立作成などに取り組み、『地域に密着した管理栄養士養成』を進めてまいります。(朝見)

大津市におけるカメムシ調査の報告会を開催しました


 20171212日(火)午後2時より農学部9号館3階小会議室にて、大津市における今年のカメムシ調査の報告会を開催しました。樋口研究室では、昨年からカメムシの被害を受けている農家の水田を借り、カメムシ類の発生調査を行っています。今年は、大津市内の水田8枚について調査しましたので、その報告を行いました。参加者は、地元農家、地元企業、JA、大津市役所農林水産課、県病害虫防除所・農産普及課、龍谷エクステンションセンター(REC)の関係者など9名と研究室の3年生8名でした。
 本年度の大津市の米の等級検査について、JAレーク大津から説明を受けたあと、樋口が今年の水田でのカメムシ類の発生状況について紹介しました。せっかくの機会ですので、3年生も現在取り組んでいる卒業論文の内容について紹介しました。地域による発生種の違い、薬剤防除適期、天敵の働き、年間の発生回数などについて、色々と議論が盛り上がりました。
 来年も農家の水田をお借りし、調査を継続します。それぞれの結果が、よりよい卒業研究論文としてまとめられることを期待しています。


photo & text: Hiroya Higuchi

フナ寿司から分離した乳酸菌の機能性

 聖徳大学の小松崎先生、東京大学の青木(吉田)先生と共同で、フナ寿司から分離した乳酸菌のもつ機能性に関する論文を発表しました。腸管免疫や腸内フローラへの影響を調べたものです。地域の発酵食品には、いろいろな機能があるのだなあと実感しています。
 小松崎先生、青木先生とのご縁でご一緒に乳酸菌に関する仕事を始めたのはつくばの研究所にいた頃でして、今にして思うと琵琶湖にも縁があったのかもな、と思ったりしています。

 最近では、新しい研究室のメンバーとフナ寿司に由来する乳酸菌を網羅的に集める取り組みを進めています。(島)


「香港フードエキスポ体験実習」報告展が図書館で開催されています

この夏休みに実施した「香港フードエキスポ体験実習」に参加した学生の一人が、図書館のライブラリーアドバイザーを務めています。彼女が企画した体験報告展が、瀬田図書館本館 地下1階ナレッジスクエアで開催されています。実習内容や感想を載せたポスター展示の他、香港や食ビジネスに関した書籍も展示されています。
2018年1月31日まで開催されていますので、ぜひ一度足を運んでみてください。(竹歳)




牧水田の土壌調査をしました

1128日に森泉研(+有志3名+圃場助手)と大阪大中嶋研と合同で、龍谷大農場牧水田の土壌調査をしました。食と農の循環実習で使用されている水田を掘り進めてゆくと、地表から約30cm程度のところに、機械作業によりできた硬盤がありました。さらに掘り進めると、茶色い酸化的下層土を見ることができました。全部で70cm程度堀り進め、2cmおきに土壌の硬度・色などを測定し、各土層をサンプリングしました。牧圃場は主に花崗岩を母材とした「灰色低地土(日本土壌分類)」でした。現在、阪大(理・物理)の中嶋研では、可視近赤外分光測色装置を開発しており、その試作機でも土壌の断面を測定しました。土壌の色は有機物や土壌中の鉄鉱物の色を反映しています。今後、阪大中嶋研と森泉研では、土壌や作物の色やスペクトルを解析し、土壌・作物診断の共同研究を行ってゆく予定です。


photo & text: Mihoko Moriizumi