堂の実験農場では、かんがい用水を地元の農業用ため池から取水させていただいていますが、このため池に数年前から外来植物の「アゾラ」が繁茂しています。アゾラは「特定外来生物」に指定され人為的な移動が禁止されていますが、琵琶湖本体や周辺のため池に繁茂してしまったアゾラが水の流れとともに拡散するのを止めることは実際上困難です。私たちの研究室では、アゾラが増えた要因や増殖を抑制する環境づくりの方策を模索するため、環境省の栽培許可を得て、研究に着手したところです。
10月末のある冷え込んだ朝、池の水位を見ておこうと出勤前に立ち寄ってみると、なんだか池に虹がかかっているように見えました。こちらが移動すると、虹も動きます。よく見ると、水面に浮いたアゾラの植物体にびっしりとおりた露の粒が太陽の光を屈折させているのでした。少し不気味な色あいですが、自分たちだって一所懸命生きているんだぞと訴えているような輝きにも見えました。(三浦)