植物生命科学科では、植物はもちろん、微生物から昆虫まで(中には動物を使ってのデータも!)さまざまな生物を実験に用います。このシリーズでは、各研究室で扱っている生物を順番に紹介していきます。
植物遺伝学研究室(竹中)では主にコムギを用いた研究を行っています。
昨年の冬から栽培していたコムギも,いよいよ収穫の時期が近づいてきました。麦秋です。
美しいコムギの穂を紹介できたらいいのですが,残念ながらほとんどの穂は白い袋の中です。
一鉢づつ異なる系統のコムギを栽培しているため,隣の鉢の系統と交雑しないように,
出穂した穂には袋をかぶせるためです。袋には通し番号のついたシールを貼って,出穂した日がわかるようにしています。
展示用に栽培した系統には袋をかぶせていません。
今年はクラブコムギと呼ばれる穂が密になる系統も栽培しました!
実験のために人工交配も行っています。
コムギの交配は,自家受粉しないように葯を全てピンセットで取り除いた(除雄と言います)穂に,目的の系統の花粉を振りかけます。花粉がかけやすいように穎の先端は切り取っているため,成熟してくると種子がはみ出してきます。
交配が成功しているか袋を外してみました。十分な数の種子がついているようです!
(竹中)