【植物生命科学科で扱う実験生物】No.05 線虫

 植物生命科学科では、植物はもちろん、微生物から昆虫まで(中には動物を使ってのデータも!)さまざまな生物を実験に用います。このシリーズでは、各研究室で扱っている生物を順番に紹介していきます。

 線虫は目に見えないため、普段の生活で意識することはないでしょう。ですが、実は身の回りに多く生息しています。土壌中で自分でエサを取る自活性線虫や、動物や植物の体内に寄生する寄生性線虫がいます。植物線虫学研究室(浅水)では、ネコブセンチュウやシストセンチュウといった、農業の重要害虫を扱っています。

 

 

 

 

サツマイモネコブセンチュウの2期幼虫 (0.5mm)

  


 

ダイズシストセンチュウのシストとよばれる殻の中の卵と2期幼虫

 

 

 

 

 植物寄生性線虫は「絶対寄生性」生物です。つまり、宿主となる植物がないと生きていけません。研究では、 宿主植物と線虫という、2つの生物種を扱っています。


 

 

 

 

人工気象室でトマトにサツマイモネコブセンチュウを感染させています。トマトが枯れているのは、感染の影響です。

 


 

 

 

 

 

 

圃場での緑肥植物(デントコーン)の栽培風景 


 

 

 

 実験室での研究を農場で活かしたいと思い、今年から牧圃場で緑肥植物の栽培を始めました。緑肥によって増える土壌微生物が植物寄生線虫の生息に与える影響を調べています。(浅水)