【植物生命・卒研紹介シリーズ】No. 8 微生物科学研究室

  寒い日が続いていますが、 植物生命科学科の各研究室では卒業研究が佳境を迎え、4回生が熱い日々を過ごしています。学科の卒業研究発表会まで残り二ヶ月、各研究室の卒業研究の様子をリレー形式でお伝えしようと思います。植物生命の各研究室ではどんな研究をしているのでしょうか?


微生物の力で人も環境に元気に!

微生物科学研究室(島)では、ワインを美味しくする乳酸菌の研究をしています!



 ワインつくりは農業と言われることがあります。甘い糖をいっぱい含むブドウが原料として重要というような意味です。そのため、品質のよいブドウが採れた年に、優れたワインが作られることになります。19xx年のワインは名品だと言われたりしますね。

 私たちの研究室では、卒業研究の一環としてワインを美味しくする乳酸菌を探しました。お酒をつくるのは酵母の役割ではと思われるかもしれません。たしかに、ブドウに含まれる糖をアルコールに変えてくれるのは酵母という微生物です。

 でも、乳酸菌という微生物の力でワインの美味しさをアップすることができるのです。ワインの醸造のあとに、リンゴ酸とよばれるすっぱい酸がいくらか残ります。酸味を好まれる方もいるのですが、すっぱさがないワインを好まれる方も多くいます。乳酸菌の中には、リンゴ酸を分解して乳酸というまろやかな味の酸に変えてくれる種類がいることが知られています。少し難しい言葉ですが、マロラクティック発酵とよびます。

 滋賀県の発酵食品から分離された乳酸菌の中にも、リンゴ酸を分解する種類がいるのではないかと考えました。卒論生が頑張って実験をして、目的にかなう乳酸菌を見つけてくれました。特徴のあるワインつくりに応用できますので、今後、地産のワインつくりに役立てられればと思っています。

                                       (島)