基礎化学実験(1/17,18)

今回の2回生の基礎化学実験は酵素化学実験でした(担当教員:塩尻先生)。酵素反応の基礎を学び、これまでに酵素に関する講義等で履修した内容を実験で再確認することにより基本的な知識を整理します。

酵素は触媒活性を有するタンパク質で、酵素によって触媒される化学反応を酵素反応といいます。生物の営むほとんどすべての反応にそれぞれ応じた酵素があり、反応は生体の生存可能な条件下で円滑に行われることで生命は維持されています。酵素活性の測定実験は性科学研究において最も基本的で重要な解析法のひとつです。

酵素活性は反応温度、pH、イオン強度、共存する生成物の濃度等に依存するため、各々の酵素に適した反応条件を設定します。この実験では反応条件を変えることによって酵素活性がいかに変化するかを確認します。

1日目は、反応生成物であるpNPp-nitorophenol)の濃度を吸光度から求めるための検量線を作成しました。




2日目は、反応時間と反応生成物量の関係を見るための実験を行いました。

反応生成物量は反応時間に比例してどこまでも直線的に増加することはありません。直線部分を過ぎるといくつかの理由により反応速度は低下して、酵素活性の測定には不適当な条件となることを、実際に実験を行うことで確認しました。実験終了後は1日目に作成した検量線を元に反応生成物量を求めます。反応時間が長くなるとグラフが直線にならない理由を考察し、レポートにまとめることで酵素反応の理解を深めました。





今回で今年度の基礎生物学実習・基礎化学実習は終わりですが、3回生に進級してからも実験実習は続きます。この半年間で学んだことを忘れずにこれからの実習に臨んでください。

(中田)