【植物生命科学科は2023年度より生命科学科に名称変更されます】
この度、植物生命科学科の土岐先生が編者としてご尽力された書籍が出版されることになりました。ゲノム編集という最先端技術の詳細解説のプロトコール集となっています。ぜひ手に取ってご覧ください。12月末発売予定だそうです。以下、土岐先生からのコメントです(別役)。
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植物ゲノム工学研究室(土岐)では、植物のゲノム上の標的遺伝子に狙いを定めて改変する技術(いわゆるゲノム編集技術)の開発を行っています。
ゲノム編集と聞くと標的遺伝子をCRISPR/Cas9と呼ばれるハサミで切断し、必要のない遺伝子を壊す技術を思い浮かべるかもしれませんが、標的遺伝子を設計通りに正確に改変する遺伝子を改良する技術が今後必要とされます。この点ゲノム編集で標的遺伝子を破壊することは多くの植物で可能になって来ましたが、正確に改変することは一部の植物でしか成功していません。研究室ではゲノム編集の効率を向上させ精度を高めるために、新規のツール開発を行っていますが、ゲノム編集はツールと細胞内のDNA修復システムの協調作業で行われるので、植物のDNA修復システムを理解するための基礎研究も行っています。
一方、改変すべき遺伝子はわかっていても、どのように改変すれば望むべき形質(形態や性質)が得らえるかわかっていない場合も多くあります。その場合はゲノム上の標的遺伝子のみにランダムな変異を導入することが有効です。研究室ではそのような技術開発も行っています。
植物分野において、最新のゲノム編集技術を研究室で立ち上げる際に、適当な実験書が無いという声を聞き、「植物のゲノム編集実験プロトコール」という本を編集しています。来年初めには発刊されると思いますので、活用して頂けると幸いです。