外部講師によるセミナー

 7月に「分子生物学」と「植物ー微生物相互作用学」において以下のお二人の外部講師を招いての授業を行いました。


分子生物学「発酵と分子生物学~微生物の代謝制御とものづくり~」

桝尾俊介 博士
(筑波大学生命環境系/MiCS・助教)

植物ー微生物相互作用学「国内での細菌病害防除の実際」

藤川貴史 博士 

(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 植物防疫研究部門 基盤防除技術研究領域越境性・高リスク病害虫対策グループ・上級研究員)


外部講師をお招きする回は、普段の授業では聞けないようなそれぞれの授業に関係するトピックを紹介していただく機会です。

分子生物学では、生き物の仕組みを分子レベルから学びますが、そういった知識は、実際の社会でどのように使われているのでしょうか?今回は、日本が特に得意とする発酵分野の応用的な話題を桝尾先生にご紹介いただきました。発酵というと食品を思い浮かべますが、分子生物学の知識を駆使した「微生物制御」によるプラスチックなどのものづくりの話題を紹介いただきました。

植物ー微生物相互作用学では、植物が病気になるメカニズムや病気に打ち勝つ免疫のしくみに関して学びます。それら知識がどのようにして実際の農作物を守ることに利用されるのかを、日本の農作物病害防除の最前線でご活躍中の藤川先生からご紹介いただきました。また、就活など将来について深く考え始める3回生が主な受講者であったこともあり、就職先の一つとして農研機構という組織に関してもご紹介いただきました。

それぞれ、授業で学んだ内容がどのように社会につながっていくのか、自分たちの毎日の生活や将来の仕事といった観点で深く考える機会になったと思います。桝尾先生、藤川先生、お忙しい中、素晴らしいセミナー、どうもありがとうございました!


受講者の声

【分子生物学】

・微生物を使ってプラスチックを作るなどこれからの社会で目指すべきクリーンで循環型社会のしくみの一つを知れて興味深かった。

・微生物は食品利用の印象が強かったのですが、プラスチックなど工業分野でも利用されていると知り、可能性のある分野だと思いました。

・とても内容の濃いお話でたくさん学ぶことがあった。プラスチックの生成について詳しく知らずにいたので今回のお話を聞いて深く理解することができた。複雑な仕組みを利用していることに驚いた。この講演で学んだことをこれからある研究などで活かせるといいな思った。


【植物ー微生物相互作用学】

・農研機構や種子の細菌病害について、興味関心がもてるお話でした。私も将来研究者になりたい気持ちがあるので、自分にどんな研究内容が適切なのかどうか様々な観点から考えてみようと思います。貴重なお時間ありがとうございました。

・他の講義でも農研機構の方の話を聞きましたが、以前に聞いた講義と分野が違い、分野の広さに驚きました。農研機構に就職したいと考えていたので、参考になりました。

・農研機構は知っていましたが、植物防除などの部門があり、他の育種などの部門があることを知り、植物について多面的に研究できる場所だと分かりました。また、基礎的能力、技術だけでなく、自分だけの力、能力が将来に必要だと分かりました。


(別役)