【生命科学科・実習シリーズ】 土岐先生

 7/151623の土岐先生の実習では、シロイヌナズナを使ったDNAマーカーのジェノタイピングと遺伝子の連鎖解析を行いました。

シロイヌナズナのColumbia 0 (Col0)系統とLandsberg_erecta(gl1-1)(Ler)系統を掛け合わせたF2集団を使いました。

 


シロイヌナズナには「トライコーム」という透明なトゲのような毛が生えるものがあります。

この毛は葉に見られ、植物を食べる虫などの天敵から身を守る役割をしています。

(塩尻先生の実習で、青虫がトライコームを避けている動画を見せてもらいました!)


Col0系統はトライコームがある系統です。

Ler系統は、GL1遺伝子というトライコーム形成を制御する転写因子が変異しています。

そのせいで、トライコームがなくなっている系統です。

ちなみに、変異遺伝子は小文字で表記されます。

 

この2系統を掛け合わせて作られたF2集団の中では、トライコームはGL1遺伝子が元の型(野生型といいます)なのか、変異型なのかによって決まります。

GL1遺伝子は顕性のため、F2集団ではメンデルの遺伝法則に従って3:1でトライコームあり:トライコームなしが出現します。

 

このトライコームあり/なし判定は、植物を育てて葉を観察すればわかります。

でも、発芽してすぐに調べることができたら、育てる前にわかって便利だと思いませんか?

それを可能にするのが、DNAマーカー(本実習ではPCRマーカー)です。

実習では、植物からDNAを簡易抽出し、3種のPCRを行いました。



PCR産物を電気泳動して、ゲル撮影を行います。

生命実習の最初の方に、古本先生の実習で行いましたね。

皆さん手際よく作業しています。

あれ?ゲル割れた・・?



PCR結果はどうでしょうか?


これらの意味を考えて、レポート作成を行います。


実習では最後に、Col0系統とLer系統で分離する花の形についても調査しました



Col0系統は総状に、Ler系統は散房になります。

F2集団で、トライコームの有無と花の形を調べて、どのタイプが何個あるか全班のデータを集計しました。


遺伝の法則に従って、形質が現れることを確認できました。

 

 

今回も土岐研究室の学生さんお二人が活躍してくれました。


                                    (辻村)