日本遺伝学会市民公開講座で講演を行いました。(中村千春)

 9月16日開催の日本遺伝学会市民公開講座で、中村千春教授が「遺伝の法則に導いた変わりもの」と題した講演をしました。内容は以下のとおりです。
メンデルの論文「植物雑種の実験」が発表されてから151年が経ちました。オーストリア帝国モラビアの農村ハイツェンドルフに小作農の子として生まれ育ったメンデルは、苦学の青年期を経て、ブルノの聖トーマス大修道院の修道士・司祭となりました。ナップ院長をはじめ、メンデルの才能を愛でた多くの人々の理解と支援を得て、ひそやかに、しかし確固とした目標と信念をもって始めた10年に及ぶエンドウマメの交配実験が遺伝学の扉を開きました。メンデル遺伝学は「子孫に伝わるのは形質ではなく形質を支配する遺伝子である」ことを私たちに教えてくれますが、この大発見に導いたのはエンドウマメの「かわりものたち」でした。幾多の論争を経て、メンデルの名は遺伝法則とともに不滅の栄光をもって科学史に刻まれました。講演では、メンデルの成し遂げた仕事と、人間・自然・生き物を愛したその人となりを、メンデルが生きた時代背景とともに振り返って見ます。