滋賀県下の高校の生物教員の研修会を植物生命科学科の教員(古本・塩尻)で引き受けました。180分のメニューで実習を含めます。最近改訂された高校生物では、ずいぶんと最先端の研究内容が盛り込まれました。初歩的な講義をしてしまい、龍谷大学のレベルも低いな、と思われたら大変です。盛り込みすぎて、理解できなくなるのもまた困りものです。バランスが難しい研修会でした。
塩尻先生は、昆虫と植物の香りを介したコミュニケーションについて講義と実習をしました。ヒトにとっても「単独」のにおい成分と複数のにおい成分の「組み合わせ」では、感じ方がずいぶん異なることを実習しました。ほかにも、寄生蜂の選好性を実習したりもしました。徐々に話が高度になります。実習をはさんで飽きさせないテクニックもすごいと思いました。参加者も自在に質問し、ずいぶんと盛り上がりました。
一方、植物生理学や生化学が専門の古本は、「物質輸送」について話をしました。2011年に成果を報告して以来、めぼしい研究成果が出ていなかったのですが、最近になって研究が進みました。まだ論文化の前で詳細は説明できませんが、物質輸送に関しての気分が個人的に盛り上がっており、その流れを説明したくなりました。
実習では、葉緑体に局在するピルビン酸輸送体(Bass2)にGFPタンパク質を融合させ、葉緑体が光るように改変された遺伝子組換え植物の観察です。蛍光顕微鏡で観察し、プラスチドの表面が緑色の輝く様子を見てもらいました。
実習では、葉緑体に局在するピルビン酸輸送体(Bass2)にGFPタンパク質を融合させ、葉緑体が光るように改変された遺伝子組換え植物の観察です。蛍光顕微鏡で観察し、プラスチドの表面が緑色の輝く様子を見てもらいました。
参加者はそれぞれ充実した様子でした。京滋地域の高校の生物好きを増やしたい、そういう立ち位置からすれば、高校教員と大学教員の連携は不可欠と思います。もっともっと連携を深められる大学組織でありたいです。
(古本)