守山市の花は、「近江妙蓮」です。室町時代に、守山の田中家に栽培されてから600年の歴史があります。現在の田中家当主は38代目。代を継いで、栽培し続けてきたのですね。
この花は、5000枚もの花弁をつける不思議な花です。
この現象は、高校生物で習う「ABCモデル」のC遺伝子の機能不全で説明できますが、実際のところはわかりません。
本当かどうか調べてみよう、ということで、保存会→守山市に連絡し、採取許可を得ました。
岡田先生、ゼミの学生、そして古本で、近江妙蓮資料館を訪問し、葉をサンプリングしました。
切り口から出る白い液体や泡、導管のねじれが引っ張られ糸を引く様子に驚きつつ、液体窒素につけました。
一昨年に草津では琵琶湖沿いのハスが全滅しました。保存会の方々からは、なぜ枯れたのか、こちらでは起きないのか、そして継続して維持する方法について、問いかけがありました。「先祖返り現象」など、丁寧に育てられているからこそ気がつくことなども、今後の研究のヒントになります。
花の形の原因を突き止めることと維持の方法は直結するとは限りませんが、ひとつづつ疑問を解消する中で彼らの想いに応えたいと思いました。 (古本)