湖魚と食品ロス

2018年9月3日、食料農業システム学科山口ゼミ生が、滋賀県高島市安曇川町を訪問しました。訪問先の井保水産さんは、安曇川で採取された稚アユなどの湖魚を養殖して卸売市場や学校給食・料理屋などに出荷されるほか、甘露煮などの食品加工も手がけておられ、商品の一部は近くの道の駅(藤樹の里あどがわ)でも販売されています。

養殖場では12月に稚魚を池に入れてから翌年の11月ごろまでの間、色々なサイズのアユが育てられています。もう少しするとメスは子持ち鮎となり、料理の一品やおせちの具材など様々な用途に使われるのですが、相棒のオスのアユ成魚は色が黒く身が痩せてくるために、なかなかいい使い道がなかったそうです。なかでも小さいサイズの子持ち鮎を育てる過程で出てしまう小さいオスの成魚は、現在でも使い道に困っていて、泣く泣く廃棄処分にしている業者もあるとのことでした。

養殖池も見学させていただきました

アユのオスとメスは腹ビレで鑑別します

まずは食べてみなければということで、子持ち鮎のサンプルを試食させていただいた後、バーベキュー用の鮎と小さいオスのアユ成魚を塩焼きにして食べ比べてみました。学生はあまり鮎を食べた経験がなく、串の打ち方や焼き加減も試行錯誤しながらでしたが、意外にも小さいオスのアユ成魚は「食べやすい」「美味しい」と評判でした。

串打ち名人?


後期の山口ゼミでは、この商品価値のないオスの小さなアユ成魚をどう使うことができるか、いろいろと調べながらアイデアを出していきたいと考えています。将来のヒット商品となるようなアイデアは生まれるでしょうか?(山口)

追記(9月7日):訪問翌日に直撃した台風21号ですが、養殖ハウスのビニールが一部めくれた以外には、幸いにも大きな被害はなかったそうです。道路を挟んで向かい側の道の駅は停電の影響で翌日1日臨時休業になったとのこと。御見舞申し上げます。