植物生命科学科では、植物はもちろん、微生物から昆虫まで(中には動物を使ってのデータも!)さまざまな生物を実験に用います。このシリーズでは、各研究室で扱っている生物を順番に紹介していきます。
多細胞免疫動態研究室(別役)では主にシロイヌナズナを用いて、植物と植物病原細菌の相互作用のメカニズム解明を目指した研究を行っています。
シロイヌナズナはいわゆる「モデル生物」の一つで、全ゲノム情報が解読されていたり、形質転換が容易だったりと、遺伝子の機能の研究にとても便利な特徴を備えています。植物免疫の研究に限らず、さまざまな植物研究に使われています。
二週間目くらいのシロイヌナズナです。
左;病原細菌に感染した植物(まだ見た目の変化はない)
右;特殊な仕掛けを使うと、同じ葉で特定の免疫遺伝子発現している細胞核が緑に見える
このように見た目でわからないような細胞状態の変化も「見える化」できます。免疫研究や顕微鏡観察に限らず、シロイヌナズナはモデル植物として植物のさまざまな研究に、さまざまな使われ方をしています。このシリーズでも、他の研究室からシロイヌナズナの話が紹介されるかもしれませので、楽しみにしていてください。
シロイヌナズナ以外にも、重要そうなタンパク質の機能解析には、ベンサミアナタバコと呼ばれるタバコの仲間を使ったりもしています。たくさんのタンパク質を発現することができるという特徴を持つ便利なモデル植物の一つです。ちょうど明日から始まる3回生の学生実習用にたくさん育てています。
まだ小さいベンサミアナ植物
多細胞免疫動態研究室(別役)では、植物以外にも大腸菌や植物の病原細菌など、細菌も数多く使っています。これら微生物の紹介はまたの機会に、、。
(別役)