【植物生命科学科で扱う実験生物】No.03 イネ

   植物生命科学科では、植物はもちろん、微生物から昆虫まで(中には動物を使ってのデータも!)さまざまな生物を実験に用います。このシリーズでは、各研究室で扱っている生物を順番に紹介していきます。

 多くの方は田んぼで育っているイネを見たことがあるかと思います。見たことがない!という方も、ごはんはよく食べておられるのではないでしょうか。古くから日本人の主食として親しまれてきただけでなく、植物の研究の世界でもイネ(Oryza sativa)は中心的な種の一つです。

(高槻市にあった旧・京大農場の田んぼのイネ。写真:斎藤大樹博士)

 田んぼでの農学的な研究の長い歴史があるだけでなく、実験室での最近の分子レベルの研究においても、よく用いられています。他の主要な穀物であるトウモロコシやコムギと比べて、実験室での分子生物学的な研究を行いやすい性質があるためです。

(様々な環境を再現できるインキュベータ内のイネ。写真:橋田庸一博士)

 情報生物学研究室では、田んぼにおけるイネの振る舞いを、最先端の遺伝子解析技術とデータ解析技術を使って研究しています。田んぼのような野外環境では、温度や光、害虫など様々な要因が複雑に変化しています。そこでの振る舞いを知るためには、様々な天候の日の様々な時刻におけるサンプルが必要です。そのために、実際の田んぼで、2時間おきに丸一日(昼も夜も)つづけて葉のサンプリングを行ったりします。なかなか大変で、他の研究者はあまりやらない研究ですが、それだけに新しい発見ができます。

(永野)