植物生命科学科では、植物はもちろん、微生物から昆虫まで(中には動物を使ってのデータも!)さまざまな生物を実験に用います。このシリーズでは、各研究室で扱っている生物を順番に紹介していきます。
環境生理学研究室(古本ラボ)では、植物が環境変動に応答する様子を研究しています。
雲の影響で光量は大きく変動します。この光量変動に素早く応答する植物の光合成、トウモロコシやサトウキビ、キビ、ヒエ、アワなど、多くの作物種で行われている「C4光合成」の研究を進めています。
これはキビの芽生え
主に使用しているのは、このフラベリアという植物。
日本にはまだ帰化していません。
フラベリア属内には、C3光合成をする種、C4光合成をする種、
それらの中間的な光合成をする種がおり、
C4光合成の進化過程を研究できる珍しい植物です。
栽培植物にもC4光合成を行うものがあります。
マツバボタン、ハナスベリヒユ、千日紅。
どれも日本では、夏の植物です。
他にもオオムギやシロイヌナズナ、タバコなど色々な植物を実験には使用します。着目している現象に合わせて、もっとも適した研究植物を選ぶこと。これは、それぞれの植物の特色を理解することと同じことで、また、常に自分の視点を新しくするコツの一つだと思っています。
今後は、ちょっとしたアスファルトの隙間でも生えることのできる植物の能力について、研究してみたいなぁと思っています。
(古本)