11月2日と9日の基礎生物学実習は、資源生物科学科の岩堀先生の担当回でした。
牧のジャガイモ圃場(灰色低地土)と龍谷の森(褐色森林土)から採取した土壌を使い、土壌中の細菌や微小動物の分離と観察を行いました。
実習では、それぞれの生物に適した分離方法を学びました。
今回行ったのは、微生物のプレート培養、ベルマン装置法、ツルグレン装置法です。
初日に培養の開始と装置のセットを行い、1週間後に観察を行いました。
プレート培養では、土壌を水によく懸濁し、それを希釈してプレートに塗り広げました。
シャーレの中に、色や形状が違う円形状のコロニーが観察できます。
このプレートは、どちらも灰色低地土由来です。
でも、使った培地が違うと増殖する微生物が異なります。
左のポテト培地ではカビなどの糸状菌が、右の標準寒天培地では球菌や桿菌などの細菌が生育します。
ベルマン装置法は、写真のように、漏斗(ろうと)とチューブを組み合わせて作ります。
上に土を載せ、水が満たされた下のチューブを伝って、一番下にあるサンプル管の底に小動物が落ちてくる仕組みです。
この方法では、光学顕微鏡を使って線虫やクマムシを観察することができます。
元気に動いてる線虫を見つけたときは、学生さんから歓声が上がりましたw
ツルグレン装置は、光を嫌う小動物の採集に適しています。
ふるいに土を乗せ、白熱電球を当てます。
すると光と熱を嫌がる虫が、下に置いた水を張ったビーカーに落ちてきます。
実体顕微鏡で観察すると、トビムシやダニを見ることができます。
何頭いるかカウントし、土壌あたりの生息数を調べました。
実習を通じて土壌に生息する多様な生物を観察できました。
土壌の種類によって生息する生物に傾向はあるのでしょうか?
観察結果を元に考察を行いました。
(辻村)