11月30日の基礎化学実習では、ヨウ素比色法を用いたデンプン濃度の推定を行いました(担当:三柴先生)。
ヨウ素とデンプンを反応させると青紫~赤紫になることは有名ですね。
小学校や中学校で実験した記憶がある人も多いのではないでしょうか?
デンプンは、グルコースが重合した高分子です。
らせん構造をとるのですが、このらせん構造の内側にヨウ素分子が入り込むと、ヨウ素の分子構造が変化します。
ヨウ素は通常茶褐色ですが、分子構造が変わることで色が変化する、という仕組みです。
一方、デンプンにはグルコースが連なる構造によって、アミロースとアミロペクチンに分けられます。
アミロースはらせん構造が直鎖状に並んでおり(α1-4結合)、アミロペクチンは直鎖構造の途中に枝分かれ構造を持ちます(α1-6結合)。
この構造の違いによってヨウ素反応で呈色する色が青紫~赤紫に変化します。
デンプンの濃度によって呈色する濃さが変化するので、分光光度計を使って吸光度を測定して数値化し、検量線を作成しました。
今回の実験では、0.1%デンプン溶液を用いて1/2~1/26倍の希釈系列を作成しました。
希釈系列を正確に作ることがこの実験のかなめです。
ボルテックスというチューブ用のミキサーを使ってしっかり混ぜます。
分光光度計の測定には、セル(またはキュベット)と呼ばれる容器に液を移します。
ヨウ素が手につかないように手袋をはめて行っています。
測定開始です。
波長の設定や、補正用のブランク(元々のヨウ素の吸光度値を引くための空測定)設定など、分光光度計の基本操作を学びました。
正確に測定できたでしょうか?
濃度が高くなるにつれて、吸光度の値も大きくなります。
グラフにプロットし、検量線を作成する意味を学び、未知サンプルの濃度推定を行いました。
(辻村)