基礎化学実習(12/6)

今回の基礎化学実習(担当教員:三柴先生)は「緩衝液の性質」でした。緩衝液の緩衝作用を測定し、pHメーターの適切な取扱いを身に付けます。


水に強酸や強塩基を少量加えるとpHが大きく変化しますが、少量の酸や塩基を加えてもpHがほぼ一定に保たれる働きを緩衝作用といい、緩衝作用のある溶液を緩衝液といいます。一般に、弱酸とその塩、または弱塩基とその塩の混合水溶液が緩衝液になります。今回の実験で用いるTrisC4H11NO3)は緩衝剤の一つで、分子生物学や核酸関連の生化学で用いられる緩衝液の成分として使われています。

実験の手順として、最初にpHメーターの準備をします。あらかじめセンサー部分(写真・本体の下部分)を水道水に浸してから校正を行います。pHメーターは、溶液に浸けるとH+が通過できる膜の内外の電位差を測定し、pHが計算されて表示される仕組みです。

次に、20 mM Tris-HCl(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)(pH7.5)の緩衝液を各自で調整し、2つのビーカーに100 mLずつ分けます。1つの緩衝液には、0.1N HCl をマイクロピペットを使って1mLずつ加え、合計5 mL加えるまで操作を繰り返します。同時に、もう一方の緩衝液には、0.1 NaOH 1 mLずつ加えて、pHメーターでpHを測定します。こちらも合計5 mL加えるまで操作を繰り返します。いずれもマグネチックスターラーで攪拌しながらpHを測定します。平均値をとるため、それぞれ複数回実験を行いました。また、比較実験として、水道水のみのpH測定実験も同様の手順で行いました。

試薬を間違えないように注意します

pHメーターで測定中

マイクロピペットの操作にも慣れてきました

 

最後に、複数回行ったpHの測定値から平均値を算出し、滴定曲線の作図をしました。緩衝液の作用を確認することができました。(中田)