12月1日、総合演習2において、濵田信吾さん(大阪樟蔭女子大学学芸学部准教授)によるゲスト講義「食と地域づくり: 福井県内外海湾地区 サバのへしこなれずしを事例に」をオンラインで実施しました。
Zoomでつなぎ、講義を受ける様子 |
福井県小浜市内外海地域の郷土食「へしこなれずし」を試食しました。発酵食品ということで、どんな反応が出るか楽しみにしていたところ、「意外と食べやすい」「ご飯が欲しい」と好評でした。
地区の有志の皆さんが受け継ぐ郷土食 |
感染対策をしつつ、試食 |
後味を米の甘味とアルコールのような香り と表現し、日本酒に合いそう!という感想も 聞こえてきました。 |
中には、少し苦戦する学生も。 |
その後、鯖のへしこナレズシの作り方の解説を経て、郷土食を活かした地域おこしには何が必要なのか、ということを丁寧にお話ししていただきました。今回の講義を通して、数多くある食を使った地域おこしのなかで、最も難しいのが価格設定であり、へしこなれずしが2000円で販売されており、それでは儲けがほとんどないことを知りました。
学生からは、
「あの手間暇で2000円なのが意外でした。 鮒寿司であれば2000円を優に超えているにもかかわらずその値段で売り続ける意図が気になる」
「郷土食の値段設定についてあまり考えたことなどなかったが、高すぎずかつ収益を得れることを考えると、丸々1匹を売るのか、切り分けて売るのかなどと細かい戦略などがとられていると知った」
といった感想が寄せられました。
また、グループ活動のテーマと関連させ、
「気候、環境適応としての発酵技術があり、その地域に適した食文化を展開して行ったという歴史を知って、私たちが今調べている環境についてもその地域の文化はどのように展開してきたのかということをもっと良く調べたいと思った」
などと、刺激を受けたようでした。濱田さん、ありがとうございました。
コロナ禍ということで、学外活動が制限されるなかでも、地域づくりにさまざまな角度が迫ることを試み、今学期は、3名の方にオンラインでゲスト講義をしていただきました。その最終回が、今回でした。毎回、普段は聞けないような現場の話や、地域づくりの現実を学ぶことができたと思います。(中川)