基礎演習I_キャリア講演会(12/1)

 植物生命科学科では、12月1日(水)、2回生向けの基礎演習Iでお二人の企業若手研究者を招いてのキャリア講演会を行いました。


丸山 望 氏 (下写真・左)

クミアイ化学工業株式会社 研究開発本部生物科学研究所農薬研究センター病害防除研究室


加野 彰人 氏 (下写真・右)

タキイ種苗株式会社 研究農場 病虫害研究グループ 研究員

(講演順)

実はこのお二人には今年、前期3回生向けの基礎演習IIで、農業に関わる企業での研究職紹介として一度ご登壇いただいたことがあります。

https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-8802.html

https://ryukokuagr.blogspot.com/2021/07/iii.html


その時の3回生からの感想として、「これまで授業で習った内容が企業での研究に直結していることがよくわかった」や「授業内容をもう一度復習したい」といった、大学での授業内容がいかに企業で重要な知識・技術なのかに気づいたものが多かったことが印象的でした。そこで教員でも相談をして、もう少し早いうちにそのようなことを気づく機会を持ってもらおうと、2回生向けに同じお二人に再度ご依頼をして、ご快諾いただきました。


同じ年に2回もご講演いただくという異例の事態でしたが、お二人とも2回生向けによりわかりやすい語り口で、前期とは異なる内容を織り交ぜつつ、農薬や品種の開発に関してご紹介いただきました。丸山氏からは、ともすればネガティブな印象を持ちがちな農薬というものを製造販売する会社が掲げる農業への高い理念や、一つの薬剤を売り出すまでにどれほど細かくその作用機構や安全性に関する研究が行われているかという話題をご紹介いただきました。続いて、加野氏からは、新品種育種に向けた現場でどのような技術革新が行われ、また、それらが大学で学ぶ遺伝学や分子生物学といった分野と直結している様子をご紹介いただき、近年、話題のゲノム編集技術を取り巻く国内外の政策・事情にも言及していただきました。つい先日、基礎生物学実習で学んだばかりのDNAのゲル電気泳動が、育種研究で用いられている様子もご紹介いただきました。


もしかすると、2回生には少し早く、少し難解な内容かもしれないという教員の心配をよそに、受講生はみな非常に熱心に聞き入っていたようです。講演後の感想からも授業で学ぶ内容の意義や重要性に気づいたり、就職(特に研究職)に関して深く考える良い機会となったようです。特に、質疑応答で講師の先生から出た「海外を相手にしない仕事はないと言ってもいいし、研究室で読む論文も英語ばかりなので、英語だけは早くからしっかり勉強しておいた方がいい」という言葉が心に響いた学生が多かったようです。2回生のみなさんにとって何かしら良い影響を与える機会になっていればと思います。"You, Unlimited"です!





(別役)