資源生物科学科を志望する皆さんへ③~病害虫の侵入をSTOP!~

 ここ2年間はコロナ禍のため減少してはいますが、近年は海外からの農産物輸入や海外との人的交流がますます増加し、多様化する傾向にあります。このように海外との物流や交流が活発になりますと、海外の病害虫が日本へ侵入する機会が増えることになります。

 当研究室の研究対象である「線虫」という作物の寄生虫についても、2015年にジャガイモに寄生するジャガイモシロシストセンチュウが、2017年にはアブラナ科野菜などに寄生するテンサイシストセンチュウが相次いでわが国で初めて発見され、現地では大きな問題となっています。

 このような外来病害虫を水際で食い止めるべく検疫業務を行っているのが、農林水産省に属する植物防疫所です。日本の主要な国際空港や港に検査所が置かれ、日夜海外からの野菜・果実・切り花・鑑賞木などの病害虫検査を行っています。植物防疫官は専門的な病害虫同定の訓練を受け、輸入貨物の検査をするとともに、侵入した病害虫の検出や分布の調査を行います。

 応用線虫学研究室では、植物防疫所における病害虫調査の現場を実際に見学するため、横浜市にある横浜植物防疫所・調査研究部にお邪魔しました。



 植物防疫所の歴史と業務についての解説やDVDの視聴が行われた後、線虫担当の方と害虫担当の方に研究室や温室の設備を案内していただきました。線虫の形態学的な調査を行う面では恐らく日本で一番設備が整っているのではないでしょうか。高性能の顕微鏡や線虫分離の道具類が所狭しと並んでいました。当研究室のゼミ生にぜひ就職してもらいたい職場の1つです。
                             (応用線虫学研究室 岩堀)