資源生物科学実習B ③


 キュウリは受精(受粉)なしに果実を形成する単為結果の性質を持っていますが、トマトやナスにも単為結果する品種が存在します。通常のトマトは受粉操作や植物ホルモン処理が必要ですが、これらが不要になるなど栽培上での大きなメリットがあります。

 しかし、これらを選別するために植物体が成長して果実が成るまで待っていては、莫大な時間がかかります。かなり投稿が遅くなってしまいましたが、56日,12日,13日の3日間の実習では、この問題を解決する一つの手法として単為結果性遺伝子のpat-2とpat-kに着目し、2種類の性質の異なるDNAマーカーを使って遺伝的に個体識別する方法を学びました。最終日は制限酵素を用いてDNAの切断し、判別に使用しました。

 

pat-k座近傍のCAPSマーカーの電気泳動
制限酵素で切れない野生型に対して、変異型は切断され2本のバンドが検出される。

 今までの実習で何度かDNAの抽出やPCRは経験してきたので、だいぶ手馴れてきたようですが、これまでと違い、電気泳動の結果から「ホモ」「ヘテロ」の違いも考察する必要があったので、少し悩むこともあったかもしれません。
山本